R2.6.8 読了。
「番長っていうのはケンカが強いだけじゃだめなんだ。誰かが困っていたら、それをしっかり助けてあげられるのが、いい番長なんだぞ。」。
転校生のマコトは転校初日に番長宣言をした正義感が強く、いじめっこにも勇気をもって向かっていく、困っている人を見過ごせない女の子。マコトは亡くなった大好きだったお父さんとの約束をかたくなに守っていた。そんなマコトにちょっと内気なツヨシは、刺激されて少しずつ困っている人を助けたり、いじめっ子に立ち向かっていこうとしたり、大切な誰かを守りたいと思ったりと変化していく。
児童書のような読みやすい作品で、笑いあり、涙ありと気づけばすっかり引き込まれていました。やはり重松清さんの作品は良いですね。
・「弱い者いじめを見過ごして逃げるような子は、大っ嫌いです。」
・「男子でも女子でも同じ四年一組だと思うし、クラスが違ってても、学校が違ってても、誰かをひとりぼっちにしちゃいけないっていうのは常識だと思うけど。」
・「昔、お父さんに言われたんだ。泣きたいときにはくちぶえを吹け、って。そうすれば自然に涙が止まるから、って。」
・「だけどさー、お父さん、言ってたんだ。番長になっても、うれし涙は流してもいいんだぞ、って。」
・「お盆には亡くなったひとのタマシイが帰ってくるなんて、そんなの迷信だと思うか?…(中略)でもな、パパは好きなんだ、一年に一度だけ亡くなったひとが帰ってくる、っていうの。実際には帰ってこなくても、いいじゃないか、生きてるみんなは毎日忙しくて、なかなか亡くなったひとのことを思い出す時間はないけど、たまには、一年に一度ぐらいはいいよな、ゆ―っくり、じーっくり、思いだしても。」
・「いなくなったら悲しくて泣いちゃうぐらい大好きな相手がいるってのは、幸せなことなんだよ。」
- 感想投稿日 : 2020年6月9日
- 読了日 : 2020年6月8日
- 本棚登録日 : 2020年6月3日
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