加藤周一のこころを継ぐために (岩波ブックレット NO. 771)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (61ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000094719

作品紹介・あらすじ

2008年12月5日に亡くなった加藤周一を悼み、九条の会がひらいた講演会「加藤周一の志をうけついで」。原爆投下後に医療従事者としてみた広島の惨状、親友を先立たせた無念、親友を奪った戦争への怒りなど、加藤がなぜ実践者となったのかの原点を探る。そして、その意志を現実するために、われわれができることは何かを真摯に問いかける。

感想・レビュー・書評

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  • 加藤周一の「言葉と戦車を見すえて」を再読して、私達が出来るコトを再確認したくなりました。

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    「加藤周一という稀有なる人の、その知恵を、行動を、私たちはどう受け継ぐべきなのか。加藤は何を伝えようとしたのか、なぜ九条の会を立ち上げたのか、その行動はどこから生まれたのか。加藤周一という大海への入門書として、その原点を知るための一冊。2009年6月に開かれた九条の会主催の偲ぶ会をブックレット化。」

  • 9条の会というのがあるのを知りました。
    とてもすてきは本です。

  • 井上ひさしの「後藤君の話」(東京から学童疎開で山形へやってきた後藤君は、卒業式のために東京へ戻った3月、東京大空襲で亡くなった)、加藤周一が述べていた「国家が主張する善し悪しは、10年もすれば逆転します」を紹介した部分、それから澤地久枝の「人は誰も、変わる可能性がある」、自分も若い頃には加藤周一のいうことに聞く耳をもたない若者だったが今こうして九条の会にいる、若いひとに伝える方法、手をつなぐ方法を探っていきましょうという話が、印象に残った。

    「加藤周一がのこした言葉」が巻末にいくつか引かれている。
    ▼…憲法がなければ、その現象はおそらく起こらなかったろうということを言わなければ、その現象が憲法によることだとは言えない。憲法がなかったら何が起こるかということを考える必要があるのです。(p.56、もとの文章は『憲法九条、いまこそ旬』に収録されているとのこと)

    矢島翠の夫が加藤周一だというのも初めて知った(矢島翠は、マヤ・アンジェロウの自伝『歌え、翔べない鳥たちよ』の訳者だ)。

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著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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