朝びらき丸東の海へ―ナルニア国ものがたり〈3〉 (岩波少年文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140361

感想・レビュー・書評

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  • リーピチープという勇敢なネズミに感動した。ここまで信念を貫き、夢を追うことに命を懸けたのはあっぱれ。彼が主役で間違い無し!

    他にも増してファンタジーな世界が炸裂した本巻。
    後半の航海の模様は本当に最高。

    前の王の悪政に終止符を打ったカスピアン。
    悪政の中で、東の海に流刑となった父の信頼した人たちの行方、最期を知る為、ある意味で弔いの旅に出発する。
    今回はルーシィ、エドマンド、2人のいとこであるユースチスの3名が、海と船の絵画に吸い込まれナルニアにワープして船旅に参加することになる。

    旅の中でドラゴンや魔法使い、モンスターや小人、不思議な力を持った星の人が登場する。星が地上に休みに降りて来るという表現に感動したし、想像という読書の醍醐味を満喫できたことも嬉しい。

    どこか階級社会を匂わせるイギリスの物語というのも、また感慨深く、威厳や残酷さが入り混じる内容だった。

    相変わらずアスランは最強すぎる。

    読了。

    読む順番については、とあるサイトの記事で、作者自身が発売順ではなく物語内の時系列順で読むことを薦めていることを紹介されていた。
    というわけで、発売準ではなく、この順番で読もうと思う。
    ①魔術師のおい
    ②ライオンと魔女③馬と少年
    ④カスピアン王子のつのぶえ
    ⑤朝びらき丸 東の海へ(本作)

    ⑥銀のいす
    ⑦さいごの戦い

  • ドラゴンになったユースチスの心情やエドマンドとのやりとり、、東の海の果てに進んでいくラスト、蓮の花のシーンが忘れられない。美しいと思った

    星の王子様みたいなところがある
    巻末の解説は再読したい

  • 本巻は旅の物語。予想できるようで、想像を超える冒険にワクワクが尽きない。本巻登場のユースチスは、どこか初期のエドマンドを思わせる…と思ったら、きっちりそうした会話もなされていた。アスランの存在が、今まで以上に指針的というか、普遍的な存在として描かれる。やはりキリスト教文化圏の作品なんだな〜と改めて…

  • こちらも映画を見てから原作となったこの本を読み始めた。見どころは何といっても冒険を通したユースチスの成長やものいうネズミリーピチープの騎士道溢れる行動。ユースチスは本当に序盤はイヤな奴だったが竜への変身をきっかけに別人になったかと思うほどの変化を遂げていく。基本人間界からやってくる人間達は善人が多かったので(あっ、ディゴリーのおじさんはもちろん別として…)、ユースチスの位置づけが新鮮に感じた。リーピチープのその後についてはほとんど触れられていないがきっと幸せに暮らしているんだろうなぁと思わせる締め方だったのも良かった。そしてついにルーシーとエドマンドもナルニアには行けなくなってしまったか…。
    余談だが実写映画はこの朝びらき丸で一応完結しているのだがこれはこれでペペンシーきょうだいのナルニアを巡る大冒険という意味では良かったのかも。映画の終わりでは「銀のいす」に登場するジルの名前が登場していたので製作陣は当初完結するつもりはなかったのかもしれないけれど…。

  • 再読。

    『ナルニア国物語』第3巻。第2巻から3年後のナルニアを舞台に、カスピアン王とエドマンド、ルーシィ、ユースチスら人の子の航海を描く。

    訪れる島ごとに違った冒険があり退屈しない。特に、ユースチスが竜となってしまう島のエピソードは印象深い。 

    第1巻『ライオンと魔女』において、アスランという存在には「ライオン」「復活」等のキリスト的モチーフが重ねられていた。今巻ではそれに加え、「子羊」「魚」等のモチーフもまた重ねられている。「あちらの世界では、わたしは、ほかの名前をもっている。あなたがたは、その名でわたしを知ることをならわなければならない」というアスランの台詞からも、キリストの象徴を読み取れると思う。
    そう考えてみると、第1巻で異世界ナルニアにクリスマスがあるとされた理由も、今巻において、遡って頷かれるように感じられた。

  • 期待を裏切らない読みやすさでした。

  • 3巻目。エドマンドとルーシィ、従兄弟のユースチスがナルニアに。

  • [ 内容 ]
    いとこのユースチスの家に来ていたエドマンドとルーシィは、その部屋の額の絵の中に吸いこまれます。
    そこはナルニアの外海で、カスピアン王が朝びらき丸で航海に出るところでした。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 前作の2冊よりも冒険という感じで楽しく読めた。航海をしながら色々な島を渡り歩くので短編としても読めるし展開も早くてスイスイ読めた。
    リーピチープが可愛いくてかっこいい。

    ユースチスが初めはすごく嫌なやつだったけど、竜になって心を入れ替えてからは好きになったな。理屈屋だけど、ただいい子のルーシーなんかよりよっぽど人間味があって好き。そういう意味で、エドマンドも好きなんだけど、いい子になってからの迷いがない感じはあまり共感できないな。

    しかし、竜のイメージって龍神というくらいだから、気高いイメージがあったけと指輪物語でもナルニアでも傲慢、強欲ってイメージで驚き。西洋と東洋の違いなのかな?

    のうなしあんよも可愛かった。魔法使いが悪いやつと思いきや、、

  • このネタも食い尽くされたご時世、ちょっとくらいのことじゃ驚かんぞと思いつつ、古のネタじゃとバカにしていると痛い目を見るんではなかろうか。
    というか攻め筋がちょっと違っていて。
    例えばアホだから魔法使いに足を一本にされて、付いたあだ名が「のうなしあんよ」である。のうなしという単語を使いこなせるのもナルニア国人だけ、てなもんである。
    他にも、前触れもなく絵の中の世界に入ったり、突然キレる王様とか、急展開についていけないと厳しい。
    子供向けとはいえ余韻が欲しいじゃないの。

  • 前巻カスピアン王子の角笛から数年後の話。
    船に乗って島々を巡る冒険の旅に出るという話で、ワンピース的な面白さの詰まった王道の面白さがある。
    しかし、同時にシニカルな表現が増えていて、ブラックユーモアな面白さもある。
    物語の後半、いやはての旅での海の美しい表現、残らねばならない者、旅に赴く者の対比。これらは作者の宗教的、社会的な心象風景が投影されていてとても趣深いものになっていると思う。

  • 3巻目

  • 第二作(カスピアン王子のつのぶえ)で予告された通り、上の二人は今回は登場せず、年下のエドマンドとルーシー、それにいとこのユースチスがナルニアの国に迷い込む。
    平和な世を築いたカスピアン王子は、東の海の果てを探検する航海に出発した。その船に乗り込んだ3人が出くわす、奇妙な島々での冒険。そしてとうとうたどり着く東の果てではどんなことが起こるのか。
    次はどんな島が?と思わせる展開。
    いきなり奴隷商人に捕まってしまったり、
    ユースチスが竜にされてしまう島、
    目に見えないものたちから声をかけられ、「この魔法を解いてくれ」と頼まれたり…。
    ユースチスも初めは癪に触るキャラクターだけど憎めない。

    一作目(ライオンと魔女)よりも二作目、三作目の方が好きです。ただ、岩波少年文庫の古い訳と、ひらがなが多すぎて読みにくいのが少し気になります。

  • 私の中でのMVPはユースチスかなあ。
    後半は、まともな子になっちゃって登場回数が少なかったのが残念だけど竜のシーンでは、ユースチスが周りの人達の気持ちを考え直すところとかユースチス成長してる……!と感動。

  • 第一巻のレビューを参照してください。

  • 読書のとびら。

  • ナルニアシリーズ3作目。2作目の終わりで大人になってしまったピーターとスーザンはもうナルニアには来られない。エドマンドとルーシー、そしていとこのユースチスの3人がナル二アへ。今回のナル二アへの入り口は船の絵。日常のどこにでもある風景が異世界への入り口につながってると感じさせてくれる良質のファンタジー。2012/637

  • 2014年10月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    通常の配架場所: 開架図書(2階)
    請求記号: 933.7//L59

  • 船旅だけあって今までの2冊より小さなエピソードの集まり感が強い。それにしても、金に紫に緑って…朝びらき丸、大丈夫か。

  • やっぱり4人きょうだいのほうが好きだと思った
    ユースチスは誰がどう見てもいわゆる「いやなやつ」だったけど、簡単に更生するわけじゃなかったり、それでもみんなはユースチスを見捨てることはしないっていうのが、児童文学のナルニア世界の確立のような気がした。
    ドラゴンの島でユースチスが迷子になって、彼はみんなが自分を置いて船を出してしまうんじゃないかと不安になるけど、ルーシイやエドやカスピアンのことをもっとよく知っていたらそんなことは思わなかったでしょう、っていうのが印象的です。絶対的な信頼。

    いろんな島を巡って、ガリバー旅行記みたいだなと思いました
    個人的にはのうなしあんよの島が好き
    たしかあそこは映画でも魔法使いの部屋がすごくいい感じにやってくれてた気がする
    魔法の島っていいよねと思うのです
    魔法使いの部屋に忍びこんで呪文の本を見るなんてどきどきわくわく

    わたしの中でカスピアンはもうベン・バーンズのイケメンでしかないから挿絵のカスピアンが幼すぎてざんねん(笑)

  • 個人的にはこのあたりからどんどん面白くなってきていると思っています。1巻と2巻が筋こそ違えど、物語の大枠、つまり「異世界からやってきた子どもたちがナルニアの人々を導き救う」という構図が似通っていたのに対し、3巻からはその構図が大きく変わっていきます。
    この巻も映画化されていますが、小説版の方が面白かった。とくにユースチスやルーシィのこころの動きがしっかり描かれています。映画版は映像はたしかに素晴らしいけれども、その部分がちょっと弱かった。

  • これは面白かった!!読み進むにつれてどんどん引き込まれました。
    ユースチスが竜になるあたりからかな。このエピソード可愛かった。
    でも一つずつのエピソードになっているから、きっとこれを映画化するのは難しいんだろうなぁ。

    最後の三章、この世のはては面白くて少し怖かった。そして切なかった。
    この世のはて、って子どもの頃誰しも考えたことがあると思う。わたしははてを想像するのは、世界が延々と続いていることについて考えるのと同等に恐ろしく感じていました。
    世界のふちが大きなテーブルのようになっていて、そこからあらゆる海の水が滝のように注ぎ落ちていく、っていうリープの想像もなかなか怖い。
    実際の世界のはての様子も、美しすぎてあの世と限りなく近いようで、リープが残ってしまうことがとても悲しかったです。
    リープがそうしたい、っていうのはわかるけど、一人だけ残らねばならないことも恐ろしいし、もし自分がはてまで泳ぎつけなければ鼻先を向けて沈もうというほどのリープの覚悟も悲しかった。

    勇敢であることや名誉を大切にすることは、どういったことから由来するのかな?当時のイギリスの文化?
    リープはしつこいくらいだったけど。
    背景も勉強してみたい。

    あと、ナルニアの人々にはアスランっていう存在がいていいなぁと思いました。
    最後のアスランの「あちらの世界では、ほかの名前を持っている」っていうのはつまり、神様とかそういうことなのだろうか?
    ルーシィとエドがナルニアに来られなくなることも悲しい。
    切ないラストでした。

  • ナルニア国物語の第三段。ナルニアの中でも、前作からさほど時がたたないうちに、もう一度、エドマンド、ルーシー、今回はユースチスというガリガリ野郎を加えての冒険だった。海が舞台。朝びらき丸という、相変わらずなネーミングの船に乗って、前ナルニア王に追い出された7卿を探す旅に出ているところに、エドマンド達が現れた。小さな冒険を繰り返しながら、恐怖にも打ち勝ち、7卿を探したところで、東の海の果てに至り、最後は現世に戻る3人と、さらなる果てを目指す、ネズミ騎士のリーピチープとで、本隊と別れていく。リーピチープの騎士道は最後まで貫かれ、それだけに別れの寂寥感もこみ上げてくる。なかなかおもしろかった。

    ルイスらしく、キリスト教的な徳が教訓として随所に美しくちりばめられている作品。今、彼の自叙伝も合わせて読んでいるが、誠実でありつつ、理性的でユーモアがあり、作品以上に好きになってしまった。残りもこんな調子で読み進めていく。

    13/9/9

  • ナルニアの、海の冒険物語。
    未知なる島を巡って数々の冒険が繰り広げられます。
    世界の果ての描写の美しいこと!
    私はナルニアの物語の中で、この巻が一番好きです。

  • リーピチープがよかった。ピーター達に出てきて欲しい。

  •   この物語は、ルイスが、海の向こうなのをいいことに、自分の好きなものをこれでもか、と詰め込んだ、おもちゃ箱のような物語ですね。
      こちらの世界の親にとっての良い子であるユースチスが、物語の世界では、散々に「いじめられる」ところ。昔は、単純にユースチスって嫌なやつ、と読んでいたのですが、私もいい年になると、頑張れ!自分自身である事を捨てるな!ナルニアの常識に抵抗しろ!と、変な応援をしています。

  • のんびりシリーズを読んでいます。
    朝びらき丸に乗って東の海の島々を巡る冒険物語。島によって色々な魔法や不思議な出来事が起こるのが楽しいですね。このパターンは今でも引き継がれている冒険ものの常道ですが、ここでもそれが活かされています。
    嫌みで偏屈なユースチスがある出来事によって改心するのですが、その件に宗教的なものを感じます。元々「ナルニア」シリーズはキリスト教の色合いが強いとは聞いていましたが、なるほどこういう部分に現れるのだなと納得。アスランという絶対者の配置具合からもそれは見て取れるのですが。まあ、ユースチスも改心しつつも嫌みなところは抜け切れておらず、それがいい味出しているんですけどね。
    そして何よりもネズミの騎士のリーピチープが、かっこ良く愛らしいんです。キャラクタの魅力も立った一冊でした。

  • ナルニア第3作。

    今回冒険にでかけるのはカスピアン王子とぺペンシー兄弟の下の2人、エドマンドとルーシー、そして2人のいとこのユースチス。
    かつて海を越えて出かけ、行方不明になったナルニアの7人の貴族たちを探すために、彼らは「朝びらき丸」(素敵な名前!)という名の船で航海に旅立つことに。

    海と船の旅ってそれだけでわくわくします。

     悪口好きでわがままなユースチスは、欲の深さから龍に姿を買えられてしまいます。孤独になったユースチスの助けの手を差し伸べたのはさんざんいじめてきたねずみのリーピチープでした。

     7人の貴族を見つけた後、彼らがたどりついた場所とは?
    そして、ちいさなねずみのリーピチープの選択とは?

    世界観の広さ、深さに目頭が熱くなりました。作者がおそらく思い入れがあったんじゃないかと思うキャラクターのルーシー。今回も愛くるしさ抜群。いつの間にか彼女の視点で物語を楽しんでいましたね。

    しかし、映画版はどうして「アスランと魔法の島」なんて、
    平凡なタイトルにしちゃったんだろう。もったいない。

  • 今度のは時系列でいえば5番目にあたるそうだよ。

    ルーシィとエドマンドがいとこのユースチスの家にいるときナルニアに呼ばれてしまう。
    ピーターとスーザンはもう、残念ながら子どもじゃなくなってるんで行けないんだ。
    年齢はともかく、精神に子どもが残ってたら行けると思うんだけどなあ。
    で、この二人はあんな体験をしてるんだから普通なら充分そういうのが残ってると思うんだけど・・・

    ともあれルーシィとエドマンドは朝びらき丸で航海中のカスピアンと再会。
    それは行方不明の七人の貴族と世界のはてをさがす航海。

    さまざまな冒険。
    最後の方の美しく幻想的な風景。
    個人的には、このシリーズでもっとも印象的な巻だったかなあ。

    (2006年02月22日読了)

  • 映画を見に行く前に、久しぶりに読みました。
    ナルニア7作の中でも(自分の中で)1、2を争う好きな作品。


    なんてったってユースチスがナルニアに来て成長していくところがいい(一番納得のいく感じ)!!
    後はどんどん東に進んでいくときの風景の美しさかな。。。

    途中に留まる不思議な島々での試練も面白いし、子ども心に楽しい冒険ものとして読めた。
    歳を取った今では「こういう意味が隠されてもあるのかな。。。」と思ったりもするけれども。

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