カインの末裔/クララの出家 (岩波文庫 緑 36-4)

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著者 : 有島武郎
  • 岩波書店 (1980年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003103647

カインの末裔/クララの出家 (岩波文庫 緑 36-4)の感想・レビュー・書評

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  • 1990年 読了

  • 流浪者 宗教観
    カインの末裔 流浪する人の苦悩ー作中の仁右衛門=有島自身

    心理的な側面の描き方が鮮やか。

  • カインの末裔。羨望と嫉妬で身を滅ぼす話かなぁと思ってるのですが、救いまで描かなくていいんだ、って思った。カインのしるしまでかかなくていいの。

    クララの出家。あまり集中して読めなかったのはあるけど、文章は美しいけどよくわからなかった。

    大学図書館913.6A76

  • 久し振りに読んだ。両方とも変な味わい。リアリズム性と観念性とのブレント加減がいかにも有島らしい。ただ、そのブレンド加減が、語り手のポジションの不安定さに繋がっている感も。作家としての方法的模索の一里塚、といった位置づけになるのかな。

  • おそらく人生ではじめて読み切った一冊。ヘッセの車輪の下かと迷ったが、やはりこの作品で間違いない。
    カインという名を大学のキリスト教概論という講義で耳にするまで、この作品のタイトルを完全に失念していた。
    カインはアダムとイヴとの長男で弟を殺したがために神に追われた放浪者である。作中の仁右衛門はこのカインの末裔として、また地上の放浪者として描かれている。初読のとき(中学生)、そのような大きなバックグラウンドがある作品だとは思っていなかった。このことを踏まえて再読して、予想外に楽しめた作品だった。わたしにとっては最初の一冊であり、最高の一冊なんだなと感じた。

  • 【Impression】
    アカン、タイトルから勝手に色々想像しすぎてしまった。
    誰が死ぬんやろうとかそればっかり考えて読んでた。

    もしくは冒頭での様子から既にその行為を犯していたか。

    タイトルとの関連があるとするなら、地主の家に行き「自分が人間なら向こうは人間ではないし、向こうが人間ならこっちが人間ではない」と考えて、馬を殺したところ。

    人間だから馬を殺して生き残ろうという行為は普通なのか、人間ではないから馬を殺す行為は生存のためには普通の行動なのか。

    それとも夢を断たれたんやろうか。

    どっちともとれるが、「小作」という職業に関して言えば、社長の居ない会社みたい。
    株主と労働者のみ。


    【Synopsis】 
    ●どこからか訳ありな様子で一組の夫婦が放浪している。どうやら「農場」を目指しているようで、そこで小作人として働く手はずとなっていた
    ●このような生活には慣れているのか、到着の翌日から黙々と働く。男にはひそかに独立の夢を持っており、それに向かいお金を貯めるという予定を立てている
    ●しかし、一向に暮らし向きはよくならない。悪天候に見舞われ不作。男はルールを無視し利益を上げたが、赤ん坊が死ぬ、飼っていた馬が競馬によって骨折する、村の犯罪の犯人と疑われる。普段から「まだか」と呼ばれ、その風貌と性質から恐れられており、小作内においてもうまく関係を構築できていなかった。ある一家とは、確執が積み重なっていた
    ●そんな折、現状を打開しようと地主に対し、小作料の引き下げを願い出ることを決める。小作との関係改善と自身の境遇を良くするために。しかし、いざ函館に出、地主の生活を見て絶望する。
    ●帰宅した男は役に立たなくなった馬を、一時は躊躇っていた馬の殺害を実行し、皮を剥ぐ。そして小屋を捨て放浪へ向かう。

  • <カインの末裔>無知で野性的な男の救われない話。

  • カインの末裔、生きる喜び・目的って何だろう?と考えさせられた。なぜ仁右衛門夫婦は力強く生きる力があるのか?
    クララの出家、クララのその後が知りたい。乙女の一時的な感情の高ぶりではないと言えるのか?

  • プロレタリアっぽくないプロレタリア。舞台が村ってのがいっすねー。いつの時代も村はこうあって欲しい。村と言う言葉を形容詞として使い続けるためにも。カインの末裔と言えばベイオウルフのグレンデルなんだけど、たぶん関係ないのよね??

  • 素晴らしく力強い作品。物語で終始語られる主人公の粗暴さが、クライマックスである地主と相対するシーンをより凄惨なものとしている。圧巻の一言。生活に打ちのめされた主人公が人間とはなにか思い悩む姿はひどく悲しくせつない。

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