- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003231111
感想・レビュー・書評
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知り合いに勧められて
当初聞いていたより、相当おもしろいお話で
ある意味荘子的なところもあり、最後は唯識的でもあり、美少年も出てくるし、すごく深いわけではないけど、楽しみながら一気に読めた詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間と獣は違う。いろいろな点で違う、ゆえに人間は獣よりも優れている、というのはよくある一般的な話。
この本では、人間と獣は違う、人間には良心がある、だから獣よりも劣っている、という。
人間は良心のためならなんだってする。戦争、殺人、強盗、拷問、残忍なことなんでも。ありもしない道徳をもちだして。
獣は残忍なことをしない。本能で、無心でやった結果、仲間に危害を加えていることはある。でも誰かを傷つけて喜ぶなんてことは絶対にしない。
手塚治虫の漫画ブッダの中のナラダッタという人間を救うために、動物の命を犠牲にしてしまいその罰を受け、生きながら獣として生きた人物を思いだした。獣として、人間としての良心を持つことなく、自然の流れの中に身を任せ、すべてをあるがままに生き、心美しく、天命を果たしたというエピソード。
人間である以上、この物語の中でいう良心はつきまとう。
“人間とは何か”で語られたように、良心をより高みのある理想に近づけるよう努める。
これが僕らが正しく生きるみちなんだろうか?
また世界の流れが大きく変わりそうな今だからこそ心に留めておきたいと思った話。人間なんて羊と同じだという話。
人間はいつも少数者に支配される。声の大きな一握りの人間に。正しいこともあれば間違っていることもある。でもそんなことはどうでもよくて、とにかく大衆はそれについていく。例えば戦争。だれかが戦争をやると言いだす。最初は懸命になって考えて反対を唱える。でも長くは続かない。やがて聴くものはいなくなり、人気も落ち、奇妙なことに滬んどはそういったものを迫害し始める。そうするともう全員が戦争だという。あとは嘘をでっち上げ、戦争は正義になる。
今だからこそ、心に留めておきたい。 -
新書文庫
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トウェインの新たな一面。
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再読。一番最初は小学6年だったのを衝撃とともに覚えている。トム・ソーヤーの人がッ?みたいな。その頃ラブクラフトにハマりまくっていた私にはツボすぎて、何度読んだかしれないが、ここ数年手に取っていなかったので、ダラダラしながら読む。嗚呼。この1冊でマーク・トゥエインが大好きになった。
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人間の唯一の強力な武器は笑しかない
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Twitterのフォロワーさんにオススメしてもらった漫画と同じタイトルなので読んでみた。長さは中篇程度で読みやすい。サタンのやることは人間にとっては酷いと思うことが多いが、彼の存在と小説のキャラクターであることを考えるとどうも憎めない
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未完の話をまとめあげたものでなければ、★5つでした。
途中つじつま合わないところがちょっとあったりしたので。
でも最後の言葉は考えさせられた。
要約ですが、
「人間は、幻想をたゆたう一片の思惟に過ぎない。」
美しく、軽やかでありながら、
ここまで重みのある言葉があるだろうか。 -
マーク・トウェインの最晩年の小説。
人間という存在に対する諦観が感じられる作品。
世捨て人のような、時に哲学的な内容になるが、あまりにも浅い。
中高生でも考えそうなもので、歳を経た大人が晩年の作品のテーマとするには幼稚。