人はなんで生きるか 他四篇(民話集) (岩波文庫 赤 619-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003261910

感想・レビュー・書評

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  • 石井桃子集5より
    「田辺さんも私も(こどもに)読んでやって、その力におどろいたのは、トルストイの「民話」でした。「人は何でいきるか」「人には多くの土地がいるか」「愛のあるところには神もいる」などというお話に、子どもたちがどのくらいひき入れられるか、それは試してみないとわからないことです。ートルストイの話も、ヴィーヘルトの話も、どちらかといえば暗い、魂に関わりのある寓話です。いわゆる深刻な心のなかの問題まで、これら練達の作家たちが、どのくらい子どもたちにつかめるような手段でーつまり動く絵でー書くべきことを処理しているか、たしかに私たちは学ぶ必要があると思います。」

  • 人にやさしくしてもらえないんだね

  • 100分で名著で説明されていた。天使が地上に落ちて、人が何で生きるかについて、神からの3つの問題を与えられた。助けてくれた貧乏な家族、金持ちからの長靴の注文、双子からの靴の注文である。天使が靴屋になったというのも日本にはない民話である。

  • 100分de名著で紹介されていて読みたくなって再読。
    しかも解説が若松さんで司会が加藤シゲアキで私にとっては神回でした。
    この本は中学生の頃初めて読んで、それ以来たまに読み返したくなる本。
    「人はなんで生きるのか」
    この答えのない問いに、ああそうかもなと、自分が納得する答えを示してくれています。
    人は誰かを愛し愛されることで生きている。
    ロシアの文学者が示してくれた人の在り方を、この情勢の今色んな人が考えるべきだなと思います。
    平和や愛は人の心の中にあり、育てていかなければいけないものだな。

  • 20220424読了
    人間の中にあるものは何か、人間に与えられていないものは何か、人間はなんで生きるか
    ①「人間の中にあるものは愛である」
    ②「自分の肉体のためになくてならぬものを知ることが、与えられていない」
    ③「すべての人は自分のことを考える心だけでなく、愛によって生きている」

  • 「愛のあるところに神あり」、「火を粗末にするとー消せなくなる」、「二老人」が特に心に残った。

    愛するということは、許すということなのかもしれないと思った。人は誰しも自分の罪は見えづらく、他人の罪は目につくものである。自分にも罪はあるのだと自覚すること、他人の罪を許すこと。それが愛とともに生きるということかもしれない。
    正論を振りかざして他人の罪を罰することは気持ち良いかもしれないが、愛ではないのだろう。

    私たちが今生きているのは、何かに許されているからである。神様、自然、私たちが食べている命。それらに許されて生かされている私たちは、他人のことを許さなければならない。

  • 本は、出会いで、時間で、対話だ。

    トルストイ。
    今じゃなかったらただ流れてしまったかもしれない。何かは残っただろうけど。またこれから先、新しい気づきがある読みどきもくるだろうと思う。

  • タイトルがニ老人を読んだが、検索しても出てこなかったので、この本に書き込む
    芸術は一部特権階級の玩弄物であってもならず、万人にとっての心の交流の場であるべきだと言う思想に基づいて書かれたトルストイの民話は、老若男女問わず、あらゆる階層の人々に親しみやすい平易と簡潔さの中に深い心理が含まれていて、全人類にとっての最高の教科書になっていると思う
    よき教育こそ、あらゆる善治の源である(イマヌエル・カント)

  • 神に罰せられているのだと感じたときに手に取る本。

  • 表題作のほか、すべて(「火を粗末にするとー消せなくなる」「愛のあるところに神あり」「ろうそく」「二老人」)素晴らしかった。特にお気に入りは、最後の「二老人」。聖地に向けて巡礼の旅に出るふたりの老人。途中で一方が水を貰いに行くために分かれた二人であったが、他方は順調に聖地に到着。水を貰いに行った老人は、その家が貧困と病のために悲惨な状態にあるのを目の当たりにして、物心ともに助力することに。これを読み、日々の生活それ自体が巡礼の旅みたいなものであると思った。分かりやすく心に沁み入る作品集。さすがトルストイ。

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