人はなんで生きるか 他四篇(民話集) (岩波文庫 赤 619-1)
- 岩波書店 (1965年7月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003261910
感想・レビュー・書評
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人にやさしくしてもらえないんだね
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100分で名著で説明されていた。天使が地上に落ちて、人が何で生きるかについて、神からの3つの問題を与えられた。助けてくれた貧乏な家族、金持ちからの長靴の注文、双子からの靴の注文である。天使が靴屋になったというのも日本にはない民話である。
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100分de名著で紹介されていて読みたくなって再読。
しかも解説が若松さんで司会が加藤シゲアキで私にとっては神回でした。
この本は中学生の頃初めて読んで、それ以来たまに読み返したくなる本。
「人はなんで生きるのか」
この答えのない問いに、ああそうかもなと、自分が納得する答えを示してくれています。
人は誰かを愛し愛されることで生きている。
ロシアの文学者が示してくれた人の在り方を、この情勢の今色んな人が考えるべきだなと思います。
平和や愛は人の心の中にあり、育てていかなければいけないものだな。 -
「愛のあるところに神あり」、「火を粗末にするとー消せなくなる」、「二老人」が特に心に残った。
愛するということは、許すということなのかもしれないと思った。人は誰しも自分の罪は見えづらく、他人の罪は目につくものである。自分にも罪はあるのだと自覚すること、他人の罪を許すこと。それが愛とともに生きるということかもしれない。
正論を振りかざして他人の罪を罰することは気持ち良いかもしれないが、愛ではないのだろう。
私たちが今生きているのは、何かに許されているからである。神様、自然、私たちが食べている命。それらに許されて生かされている私たちは、他人のことを許さなければならない。 -
本は、出会いで、時間で、対話だ。
トルストイ。
今じゃなかったらただ流れてしまったかもしれない。何かは残っただろうけど。またこれから先、新しい気づきがある読みどきもくるだろうと思う。 -
神に罰せられているのだと感じたときに手に取る本。
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表題作のほか、すべて(「火を粗末にするとー消せなくなる」「愛のあるところに神あり」「ろうそく」「二老人」)素晴らしかった。特にお気に入りは、最後の「二老人」。聖地に向けて巡礼の旅に出るふたりの老人。途中で一方が水を貰いに行くために分かれた二人であったが、他方は順調に聖地に到着。水を貰いに行った老人は、その家が貧困と病のために悲惨な状態にあるのを目の当たりにして、物心ともに助力することに。これを読み、日々の生活それ自体が巡礼の旅みたいなものであると思った。分かりやすく心に沁み入る作品集。さすがトルストイ。