ことばと文化 (岩波新書)

著者 : 鈴木孝夫
  • 岩波書店 (1973年5月21日発売)
3.78
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  • レビュー :100
  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004120988

作品紹介

文化が違えばことばも異なり、その用法にも微妙な差がある。人称代名詞や親族名称の用例を外国語の場合と比較することにより、日本語と日本文化のユニークさを浮き彫りにし、ことばが文化と社会の構造によって規制されることを具体的に立証して、ことばのもつ諸性質を興味深くえぐり出す。ことばの問題に興味をもつ人のための入門書。

ことばと文化 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 日本語と英語。
    同じ概念を表すように見える言葉でも、違いがある。
    そのことばの表す範ちゅうの違い・・・その違いがどこから来るのか・・・。
    ことばの問題は、そのことばを母語とする人々の文化にもかかわる。

    この本の中で言語学的に特に注目すべき点は、親族名詞の使用ルールをきちんと体系化したところ。
    たとえば、「父」にあたる人は「息子」とは呼べないけれど、「息子」にあたる人は「お父さん」という呼び方をするとか。
    そういう制限のことをキチンとまとめている。

    日本語がいかに上下関係を意識した言語かっていうことが親族名詞を見ることでもわかる。
    それがそのまま、日本人の思考を表してて、言語の面白さを再確認させられた本。

  • 言語のシニフィエには社会的コンテクストによって左右される要素が多い。
    辞書に書かれた意味とは有る意味で死んだシニフィエなのだろうか。

    この著者は社会と文化の立場から”ことば”を研究した社会言語学者だ。
    内容も面白く、読みやすい。
    しかしこの本で興味が湧いた人には社会学が向いているのかもしれない。
    そしてこの著者も社会に囚われ過ぎている感じがする。
    言語学を学ぶなら著者以外にも多くの言語学者の著作を読まなければならない気がする。

    誤解のないように書くが読み物としてはとても良い本だ。
    だけれども、言語学に興味があるなら時枝誠記、池上嘉彦、外山滋比古、ソシュール、デリダ、ハイデガーなども併せて読むべきだと思う。

  • 50年くらい前の本なのに、なるほどーと思わされ、考え方は全く変わらないものなのだと。
    日本語の特性と日本の文化的価値観が組み合わさっているというのは面白い。日本語って独特だと思う。

  • 図書館で借りてきた。言語学について何も知らなくても楽しく読める本。「上唇」が西洋言語で鼻の下も含まれるとは知らなかった。

  • ことばがなだらかで読んでいて楽しかった。

  • 面白かったけど、最近読んだ他の著者が書いた言葉についての入門書的な本に比べると、少し突っ込みが浅い印象を受けたのと、言葉の問題にプラスして日本人論みたいな話になっている印象もあって、それは少し大雑把だったような気がした。

  • 今後も何度か読み直したい本。
    外国語を勉強しているとどうしても不可解なもの(言葉やルールなど)が出てきて、それに気持ちが引っかかって勉強する気が失せることがある。
    この本で「それは文化も違えば言葉のルールも違うから」と気付かされた。人間にとって言葉は万能のツールのようなものだと無意識に思っていたけれど、その固定概念を覆される。
    「そうだったのか」の連続でどんどん読み進めてしまって、くせになる。
    「言葉は生き物」と言われることにより深く納得できる。本当にDNAみたいだ、と思った。

  •  文化に対する言語の影響を独自の視点から論じた,この分野の書物としては古典中の古典と言ってもよいものでしょう。大学生のときに一度読みましたが,約20年ぶりに再読しました。一度目の読書の記憶は皆無と言って良いので,ほぼ初見という印象です。
     書かれたのが40年以上前ということと,筆者がこの分野が専門に近く,それなりの背景知識を有していることの2点を踏まえて言うならば,かなり独自の論陣を張っているなという印象です。言語相対論という名称で知られている,言語が事象の認識に対してどのような影響を与えているのかを研究する分野にかんして,教科書的な内容でなく,鈴木氏が独自に研究・調査して得られた観察や知見が本書には多く盛り込まれています。この点では,この本はこの分野の通り一遍の知識を身につけるには適してはいないと思いますが,鈴木氏の観察眼には感心させられるし,なるほどと思わせる記述がいくつもあります。
     難点を挙げると,話があっちこっちへ飛び一つのトピックを一貫して論じていないことがままあり,まるで鈴木氏の講演を聞いているような印象を持ちました。しかし,これは著者の伝えたいという気持ちがほとばしっているとも取ることができます。本論の内容は著者のあふれ出る好奇心・探求心から様々な文献を渉猟し考察した結果が生き生きと記述されており,難点を差し引いても一読に値します。

  • 第六章が大変面白かった。日本人の言語文化から考える、「自己規定の対象依存的な構造」による日本人の性質。「相手に同化し、甘えることに慣れている日本人は、つい自己を相手に投射し、相手に依存する。そして相手もまたこちらに同調してくれることを期待してしまう」

  • 全集15
    P267

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