- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004302933
感想・レビュー・書評
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2004/04/10読了
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リベラリズム関連の書籍をと考え、もう25年以上も前になりますか。かつては広く読まれていたと思われるため一応手にとってみた。
古代ギリシャからはじめて共産主義まで時代順に。そこからロールズらに触れ、リベラルーコミュニタリアン論争となり、タイトルから何となく予想はしていたが筆者はコミュニタリアンの自由主義批判に好意的なところで終わる。
筆者がいうに、現代は道徳世界も政治世界も経済に従属してしまい、経済に支配されている。そうした構造を変えたいがロールズら現代リベラリストには不満で、コミュニタリアンに期待という。
前半は教科書、後半は時代診断書として読んだ。リベラリズムや自由についての類書が増えた中で、必読文献かと問われると自信がない -
90年代半ばの岩波新書感があった。偏りは相当あると思う。
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コミュニタリアリズムがリベラリズムをどのように克服しようとしていたのかがわかった。
若干、資本主義を悪魔的に捉えているかなということころや、後書きの最近の若者は自己中心的だという見方にはステレオタイプさを感じたが。 -
2016/07/02
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フォトリーディング&高速リーディング。
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「自由主義」の伝統とその現代的な問題点を簡潔に論じている本です。
まず、ホッブズやロック、アダム・スミスらの伝統的な思想を振り返りながら資本主義、議会制民主主義、功利主義の3つに渡る「自由主義」の諸相を検討し、次いでマルクス主義がこれに対してどのように戦いを挑んだのかということが論じられます。最後に、社会関係から切り離された「負荷なき自我」を絶対化することに対するコミュニタリアニズムの批判が紹介されています。
新書一冊の分量で、歴史的な経緯と現代における課題がバランスよく解説されている本だと思います。 -
そもそも自由主義とは何たるか、そしてその意義と限界は何か、などをまとめて考察しており、コミュニタリアニズムへの展望へとつなげています。サンデル本の背景理解として読むといいかも。
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ヨーロッパの思想史における資本主義の正当化やマルクスに代表される社会主義社会の模索などの流れを解説し、自由主義の問題点とその根本的な解決に向けたコミュニタリアニズムの紹介に本題を置く。
思想史の入門書として有用ではあるが、本題のコミュニタリアニズムを述べた結論部にはやや言及不足な印象が残り、実例が伴わない点を考慮してもどこか抽象的であった。 -
アリストテレスは配分における正義を2つに分けた。
(1)配分的正義・・・各人の価値に従って事物が配分される。
(2)整正的正義・・・交換される事物が価値において等しいこと。
ホッブズ以降において、人間は自由で平等なものとされたため、配分的正義は成立しない。また、事物の価値は客観的に決まっているものではなく、各人の主観によって決定されるのものであるため、整正的正義も成立しない。
近代においては配分の正義は交換の正義の結果である。
スミスは、各人の利己心を行動の機動力としながら分業を通じて富が増大していく社会を考えた。スミスは人に仁愛を期待しない。むしろ、交換のコミュニケーションを通じて自他の行動の適不適が判断されるようになり、道徳意識が成立すると考えるのである。 -
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私も大学1年の頃、政治家希望の男の子に勧められて、同じ感想を覚えました。もしかして同窓生・・・・・??私も大学1年の頃、政治家希望の男の子に勧められて、同じ感想を覚えました。もしかして同窓生・・・・・??2011/09/17
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マイケルサンデルの本を読む前に、この本を読んでいた方が理解が深まると思われます。自由主義が、西欧の歴史の中で異端のものであったかよく理解できた。この思想の好き嫌いはともかくとして、その成果と今我々が授かっている恩恵は大切にするべきです。
今までの思想の解説部分はよくまとまっていていい本ですが、結論部分は物足りないです。そのため評価は4にしました。 -
20世紀のリベラリズムについてまで書いている、入門書というのはそれだけで稀有。また、マルクス主義について考察しているのも興味深いですね。
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大学入って最初に読んだ思想系の入門書
自由主義の陥穽とコミュニタリアニズムの特徴など
わかりやすくておもしろかった -
レポートのため読んだ。
私はこれを評価できるようなすごい人間ではないわ。
コミュニタリズムという新しい概念を得た。
内容は教科書のように、理解に時間がかかるけど、
先生の思いや問題意識はとても分かりやすくて素晴らしい。
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シャープな政治哲学・思想史入門書。
疲れた。 -
コンパクトで、かつ野心的な自由主義思想史概説。学部入学当初に読みました。資本主義(経済?)・功利主義(哲学?)・議会制民主主義(政治制度?)の三位一体(「現代の教養=PPE」と一致させてあるのかな)への社会主義の挑戦と挫折、 Rawlsの登場(vs 功利主義)と環境問題へのコミットメント(vs資本主義)、そしてcommunitarianとしての立場表明(vs 功利主義 and Rawls)、さて、藤原先生は自由主義をいかに再構築するのか?…と思った時にはもう藤原先生はお亡くなりになられていた。天地人を揃わせることは、神の力をもってしても難しいのだろうか。
僕の学部時代の論稿は、お世話になった佐藤正志先生をはじめ、多くの藤原門下の先生方の講義とゼミ等の議論に拠っています。高校や浪人時代に言葉だけで踊っていた「思想」「哲学」「自由」などという得体のしれないものが、ある日には実体となり、またある日には記憶となって迫りくる。それにあらがい、自分の言葉で記そうとする、そんな葛藤の日々が学部の後半にはありました。その道はこの本が開いてくれたものと信じます。 -
院で政治学など専攻していながら、今だに思想史が苦手である。どうにかライトに読めるものはないかと読み始めたのがこの本。
プラトンやアリストテレスから始まり、現代までの自由主義・社会主義の系統を順序立てて説明しており、思想史関連の本の中ではかなり読みやすく、分かりやすい。
もちろん、通しで一度読んだだけなので完全に理解したとは言えない状況だが、要となる人物は重点的に、時には引用を含めて説明されているため、必要な時にインデックス的にその部分だけ引いて読みなおすことで、今後も少しずつ理解を深められそうである。