- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004308317
作品紹介・あらすじ
中世日本には龍が棲んでいた。人々は、地震・噴火は地底にわだかまる龍の鳴動であり、また神々は元寇の折、龍の形をとって日本の国土を守護したと信じた。龍とは何か。日本の国土とは何か。なぜ地中の龍はやがて鯰へと変容したのか。古地図に書き込まれた謎の姿を出発点に、絵画史料解読の第一人者による探索は、斬新な中世像へと向かう。
感想・レビュー・書評
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「日本には以前から龍がいた」という話…ではなく,龍に関わる伝説と日本国との関わりを「金沢文庫版<日本図>」の謎解きをしながら述べていくという内容です。
本書の前半は,その<日本図>のみに焦点を当てていて,こちらにあまり興味のない方は第3章から読むことをお勧めします。
日本のあちこちに聖地と呼ばれる土地があり,龍穴なんかもあります。龍という字が付く言葉もたくさんあります。
地震と龍の関係については,第5章に書かれています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/494260 -
めちゃめちゃ好き!着眼点も美術を通しての歴史書という点でも面白かった!
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「精霊の王」の中だったと思うのですが、伊豆の温泉は龍の目や耳から出てくるもので、頭は十国峠、尾は箱根にある龍がいるのだ、という記述があり、何となく気になっていたのでこの本が目にとまりました。
アンコール復刊とありますから、しばらく入手困難だったのでしょう。岩波って出すとすぐ絶版になってあとでまた復刊したりするのですね。そのほうが何か財政的に良いのでしょうか。本屋に出した本は引き取らないのだから、在庫調整とも思えないし、古本屋さんと結託しているのかな(岩波の本は高い)。
さて、これは昔昔の人(おもに中世)は「国土」をどう認識していたのか、ある行基式日本図とは何か、そこに書かれているものは何でなぜそういう構成になっているのかを、古地図や古文書を通して探る話です。要石とは何か、洞窟や湖を結ぶ地底の道、など登場。
十分にエキサイティングな内容だし、なるほどなるほど、と楽しいのですが、本当は新書三冊分くらいの内容を一冊にまとめている感じ。若干窮屈。後半の「竜」の部分に絞ってもっとふくらました話にしてほしかったです、素人としては。たぶんこれがこの人の学者としてのスタイルなのでしょう。
復刊したというのも納得でした。 -
視点はめちゃめちゃいいです。中世の人々がどんな風に日本の国の構造を考えていたかというのが主題ですから。
龍に囲まれているという風に考えていたとは!
日本各地にある龍穴や龍穴を探検した人のエピソードは興味深かったですが、もっと中世の人たちが抱いていたイメージに踏み込んで欲しかったです。
今度は、中世の人々の意識の底をもっと解剖して欲しいな。 -
難しい部分も多かったけど、面白かったです!
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龍の観念については解りやすく書いてあったが、一冊の本として全体的な流れがつかみにくかった。中世日本は自然現象で龍を拝み、元寇襲来では龍と戦い、龍は日本の国土を守護したってことだけはよく解った。
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学校の講義で課題図書として挙げられてたんで読んだんですが…<br>
普通に面白い!日本史好きな方にオススメです♪