帝国を壊すために―戦争と正義をめぐるエッセイ― (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004308522

作品紹介・あらすじ

二〇〇一年九月一一日以降、暴力と偽善が世界を覆い尽くしている。ブッカー賞受賞のインド人女性作家アルンダティ・ロイは、その直截だがしなやかな文体で、アフガン戦争やイラク戦争、インドの核問題などに批判の声を挙げ、帝国に抵抗する全ての人々に希望と勇気を与えてきた。海外で大反響を呼んだ八篇のポリティカル・エッセイを収載。

感想・レビュー・書評

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  • 徹底的にアメリカ政府ではない側からの世界を描き切った文章。権力への抵抗。読みながら自分はどちら側なのだろうかと思案してしまう。自分には知らない歴史が数々記されていて、すでに権力の肩入れを自然にしてしまうようなシステムの湯に浸かっていることにはっとさせられた。

  • 帝国を壊すために―戦争と正義をめぐるエッセイ―
    (和書)2012年11月16日 16:19
    2003 岩波書店 アルンダティ・ロイ, 本橋 哲也


    柄谷行人さんの書評でアルンダティ・ロイさんの本が紹介されていて図書館でリクエストしてきました。それで他の本を取り敢えず読んでみようということで借りた一冊です。

    良い本であることに疑いは全くない。しかし危険だと思った。権力にとって彼女が危険であるということと同時に彼女自身も危険な立場に置かれているのだろう。とても勇気がある。フーコーの講義集ででてきたパレーシアの一種であることは間違いがない。

    この作者を知ることができたことは幸運であった。そしてその本を読むことができることは自分自身が闘うべきものがあることを思い知らされる。

  • 帝国を壊すために―戦争と正義をめぐるエッセイ― (岩波新書)

  • フォトリーディング&高速リーディング。

  • 大国の都合に翻弄される中近東、南アジア。正義の名を振りかざす力の下で多くの民衆が犠牲になっています。成長著しいと言われるインドでも発展から取り残された人々の犠牲は少なくありません。2003年に発売された、アルンダティ・ロイの評論、講演録の記録で全体としての統一感にやや欠けることと内容も少し古くなっていますが、彼女の辛辣な批判を読むことができます。

  • 軽い語り口ですが、ずしりと重い内容の本でした。

  • アメリカ政府にとって一番重要なこと、それは戦略上の要請から軍事的、経済的理由によってもアメリカ国民に自分たちの事由や民主主義、そしてアメリカ的生活様式が攻撃にさらされていることを納得させること。

    レトリックはともかくとして世界が未だにテロリズムの定義をまともに見出していない。有る国がテロリストと見做す者が他の国にとっては自由の戦士と見做される。

    アメリカでは兵器産業も石油産業も主要メディアも同じビジネス界の大物に牛耳られている。だから防衛、石油関連の真実がメディアに取り上げられることなんてない。

    インドでファシズムが起こったのは独立と自由のための戦いを駆り立ててきた夢の数が無駄に費やされた後だった。

  • 訳がいや…!

  • [ 内容 ]
    二〇〇一年九月一一日以降、暴力と偽善が世界を覆い尽くしている。
    ブッカー賞受賞のインド人女性作家アルンダティ・ロイは、その直截だがしなやかな文体で、アフガン戦争やイラク戦争、インドの核問題などに批判の声を挙げ、帝国に抵抗する全ての人々に希望と勇気を与えてきた。
    海外で大反響を呼んだ八篇のポリティカル・エッセイを収載。

    [ 目次 ]
    「無限の正義」という名の算術
    戦争とは平和のことである
    戦争のお話―核爆弾で楽しむ夏の家族ゲーム
    民主主義の女神―彼女はたしかにこの地にいるはず、でも誰も彼女のことを知らない
    来たれ、九月よ
    「帝国」に抗して
    民衆のための「帝国」ガイド
    帝国製インスタント民主主義―ひとつ買うと、もうひとつただで貰えるインスタント食品はいかが?

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    [ 参考となる書評 ]

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著者プロフィール

作家。ニューデリー在住。1997年に長編小説『小さきものたちの神』(DHC、1998年)でブッカー賞受賞。その他の著書に『わたしの愛したインド』(築地書館、2000年)、『帝国を壊すために』(岩波書店、2003年)、『誇りと抵抗――権力政治を葬る道のり』(集英社、2004年)、『民主主義のあとに生き残るものは』(岩波書店、2012年)など。

「2013年 『ゲリラと森を行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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