キリストと性: 西洋美術の想像力と多様性 (岩波新書 新赤版 1992)

著者 :
  • 岩波書店
3.44
  • (0)
  • (5)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 149
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004319924

作品紹介・あらすじ

今日、キリスト教は性に対して厳格、保守的であるといわれる。しかしキリスト教の長い歴史にあって、キリストは性をめぐって、じつにさまざまな姿で語られ、描かれてきた。ときに「クィア」と形容される性的嗜好を先取りし、ときにジェンダーをめぐっても攪乱されていく。人々の豊かな想像力が育んだ西洋美術の実相に迫る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • キリスト教の深層を見た思いだ。
    何と豊かな土壌から産まれ、育まれたことだろう。
    今は痩せ細っているにしても、元はこれほど旺盛なエネルギーに満ちていたのだ。それは宗教だけに限らず、性を消費してしまっている現代人の貧しさを見るようでもある。

    性と土俗性を忘れてはいけない。

  • キリスト教に関する人物や有名な場面をベースに、イエス、ヨハネ、ユダ、マグダラのマリアなどの絵画からジェンダーを超えた論考が楽しめるユニークな本だ.ユダは本当に裏切り者なのかとの設問で展開する部分が楽しめた.キリストを女性として扱った絵画がこんなに沢山あるのに驚いた.父、子、聖霊をまとめて三位一体と称するが、それにマリアを加えた四位一体という構想もあった由.想像力を最高に発揮した当時の画家たちの作品は、庶民の意向を反映したものと言えようが、それにしても発想が素晴らしいと感じた.

  • キリスト教美術から見る性的表現を、さまざまな角度から分析する。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/569185

  • 東2法経図・6F開架:B1/4-3/1992/K

  • 【請求記号:702 オ】

  • 登録番号:0142459、請求記号:702.099/O38

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

岡田 温司(おかだ・あつし):1954年広島県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学名誉教授。現在、京都精華大学大学院特任教授。専門は西洋美術史・思想史。著書『モランディとその時代』(人文書院)で吉田秀和賞、『フロイトのイタリア』(平凡社)で読売文学賞を受賞。ほかに、『反戦と西洋美術』(ちくま新書)、『西洋美術とレイシズム』(ちくまプリマー新書)、『最後の審判』『マグダラのマリア』『アダムとイヴ』(中公新書)、『デスマスク』 『黙示録』(岩波新書)など著書多数。

「2024年 『人新世と芸術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡田温司の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
E.H.カー
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×