古典がもっと好きになる (岩波ジュニア新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005004737

感想・レビュー・書評

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  •  国文学の大学の先生が、主に中高生に向けて古典の面白さを説いたもの。
     注意すべきは著者自身が「正直いって、私も『古文』の授業はだいっきらいでした。」(p.3)、「『古文』のおちこぼれだった」(p.13)と述べているように、決して学校で古文の授業を学ぶ意義だとか、古文で点数を取る方法とか、そういったものを教えてくれるものではないということ。むしろ学校の古文教育批判が中心で、ただ本当の古典というのは学校の古文とは違うんだよ、古典に触れることは昔の人の生活や考え方、感じ方を知ることができて楽しいんだよ、ということを紹介する本。「いまだに『源氏』コンプレックスがあって、国文学者でありながらちゃんと読んでいないことを人に隠してきました。」(p.51)といった感じで、終始親しみが持てる。
     まず「古文恐怖症を直すためには、あまり長い文章をはじめから読む、などということはしてはいけません。なるべく短い文章を、いろいろたくさん声に出して読んでみることが大切です。(略)古文のリズムがすっかり体になじんだ気がするはずです。内容に踏み込むのは、その後でいいのです。」(p.36)ということで、これは英語の勉強法と比較してみるとちょっと面白いなと思った。英語では「意味が分かった英文を何度も音読する」がセオリーだけど、ちょっと違うなあと思う。でも洋楽なんかはリズムが大事だから意味よりも歌えるようにしよう、なんていう場合もあるので、それと似ているのかなとも思った。あとは「受験用の『重要古語』といった参考書を丸暗記するより、古語は文脈にそくして読めば自然にわかってくる」(p.185)というのも、英語の勉強の場合と比べてみると面白い。ところで、p.35で紹介されている橋本治という人の本は面白そうだ。ぜひ読んでみたい。
     あと、「古典」とかまして「古文」としって知っている世界がいかに限られた、作られたものであるかということを知った。古典は「何らかの権威によって保証される必要がある」(p.23)、「時代の思想や社会の要請によって作られるもの」(p.24)というのは、今までにない視点だった。「英語では『古典』をクラシックスと言いますが、それにトラディショナルといった意味を加えると、ここでいう『古典』に近くなるかも知れません。」(p.23)というのは考えさせられる。だいたい「説経」というジャンルさえ知らなかった。
     最後に「わわしい女」の話のところで、「それをおもしろおかしく描く狂言には、冷ややかな『男の視線』が感じられるのです。ですから、中世の女が狂言のように本当に強かったのか、という問題を考えるとき、『男の視線』というフィルターがかかっているということを忘れてはならないのです。」(p.177)という部分は、著者が女性だからこそ考えられる部分なのか、それとも国文学の常識なのかは分からないが、重要な視点だと思った。(16/10)

  • 「教科書の古典」はつまらないかもしれないが、「古典」は決してつまらないものではないというのが非常に共感できた。教材研究の手立てにも。

  • 古典の魅力をわかりやすく紹介。この本をきっかけに色んな古典を読んでみたくなった。

  • ジュニア新書。教科書に取り上げられている『徒然草』は説教くさい。文法などこだわらなくても読める。著者自身がかつて古典が好きだったわけではないところからの指南書だ。

  • 課題図書。期末テストの範囲。
    興味がないことについて無理やり読まされることほどつらいことはないね。古典がもっと嫌いになる。

  • [ 内容 ]
    学校で習う古文に興味がもてなくても、実は古典はおもしろい!
    オカルトあり、恋愛ありのわくわくの宝庫から、おなじみの作品をわかりやすい現代語訳で紹介。
    自称「古文おちこぼれ」だった国文学者が、奥深くて不思議な古典の世界の楽しみ方、文法にしばられない原文の読み方を案内します。

    [ 目次 ]
    序章 古文が嫌いになる前に
    第1章 「古典」が生まれた背景
    第2章 古文に慣れよう
    第3章 『徒然草』を遊ぼう
    第4章 百人一首うらばなし
    第5章 『堤中納言物語』より「花桜折る中将」を読む
    第6章 女もすなる『土佐日記』
    第7章 「しんとく丸」の死と再生
    第8章 能・狂言に描かれた女性たち

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • フォトリーディング&高速リーディング。古典に親しまない人向け。親しみがある人は物足りないか、或いは、不満かも。

  • 「古文が嫌いになる前に」という序章から始まる本。「みなさん、苦手でしょ」「嫌いでしょ」「つまらないでしょ」という語りかけで通すよくあるタイプ。

    それなりに勉強していて好きな人は、こういうありきたりな語りかけに嫌気がさすと思う。

    古典文の紹介が、ほぼ筆者の訳文のみなのも気になる点。本書を通じて「勉強しよう」という人には全く使えない本になってしまってる。

    なお「つまらないでしょ」という問いかけには反論しておきたい。勉強それ自体が「おもしろい」必要なんて全くないんだと思うんだよな。後にある楽しみを想像して、きちんと「つまらない」(と思える)ポイントをおさえることこそ「勉強の才能」だから。

  • わたしは高校生の時にあまり古典について詳しく勉強してなかったから、頑張って勉強しようと思い、この本を選び、読んでみました。

  • 田中貴子さんの著書は、面白くて好きなので一通り読んでいる、はずなんですが、
    この本は読んでいなかったことに気付いて、読んでみました。

    岩波ジュニア新書なので、内容は中高生向け、なんですが、大人が読んでも楽しい本です。
    古典・古文が苦手な人でも、さくっと読めると思います。

    <読了日:2009.5.11>
    <所在:図書館(060200400738)>

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