歴史論集: 〈戦後知〉を歴史化する (2) (岩波現代文庫 学術 433 歴史論集 2)
- 岩波書店 (2021年5月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006004330
作品紹介・あらすじ
敗戦から現在に至る思考の総体を〈戦後知〉として把握しようとする企てに、歴史学はいかに関わりうるのか。松本清張、司馬遼太郎、大江健三郎らの作品から、加藤周一、山口昌男、見田宗介らの思索まで、同時代の想像力を尖鋭に表現する文学や思想の読解を通じて、歴史学を専門知の閉域から解き放つ試み。現代文庫オリジナル編集。解説=戸邉秀明。
感想・レビュー・書評
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本書のタイトルとなっている〈戦後知〉とは、安丸良夫の用いた概念で、1980年代を分水嶺とする「戦後思想」と「現代思想」、「戦後」と「戦後後」、「モダン」と「ポストモダン」といった、敗戦後から現在に至るまでの思考(「知」)の総体を把握しようとの意図のもとに提唱された。
本書の一つの軸は、文学との関係である。戦後思想と戦後文学で論じられた「歴史と文学」という問題系が、言語論的展開以後、異なる視点から論じられるようになってきたことが指摘される。
大江健三郎、井上ひさし等の作品が具体的に考察される。
もう一つの軸は、現代思想(家)論で、現代思想をリードした山口昌男、見田宗介、山之内靖の三人について論じられる。
歴史学との関係についても言及されているのだが、それぞれの著作を改めて読みながら、この論点についても考えていきたい。
全3冊の歴史論集の中では、やや毛色の違っていて、個々の論考自体には面白く読めたものがあるのだが、位置付けが良く理解できなかったのが、正直な感想。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東2法経図・6F開架:B1/8-1/433/K