- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006033163
作品紹介・あらすじ
周囲の環境を圧倒して屹立する超高層ビルなど20世紀型の「勝つ建築」は,いまやその「弱さ」を露呈している. これからの建築はもっと様々な外力を受けいれる「負ける建築」の途を探るべきではないか. 新国立競技場の設計に携わった著者の,20世紀の建築史や現代思想,アートへの幅広い関心と独自の建築哲学がうかがえる論集.
感想・レビュー・書評
-
軽いエッセイかと思ったら、どうして骨太の建築社会論である。彼の主張を知れば、ブランドとして隈研吾を消費している人たちは猛省しなければならない。
経済システムの一部として建築がどのように機能してきたか、簡単ではないながら、理解できてきたように思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
近現代の建築の挫折史を、(著者の主観で)社会・経済・材料・思想・風俗などの角度から批判的に解説した一冊。
そういう歴史が建築の「負け」を規定しているということではなくて、先輩たちはどうして挫折してしまったのかとか、自己矛盾に陥ってしまったのかとかいうことを、そもそも建築なんていうのはそれ自体が大変「強く」「傲慢」なものなので、それをわかった上で建築家は謙虚でいなくてはならないんだ、ということが理論的に述べられているように思いました。
この考え方はその初出の折りには、建築の専門家の間では(たぶん)かなり煙たがられたのではないかと思います。それでも現在氏が高い評価を受けていることは、その考え方に多くの人が賛同しているからなのでしょう。
(あるいは、著述での主張・思想をある程度現実的なレベルまで調整して、実務にあたっているのかもしれませんが) -
東2法経図・6F開架:B1/8-2/316/K