ヒーローを待っていても世界は変わらない

著者 :
  • 朝日新聞出版
4.22
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感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022510129

感想・レビュー・書評

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  • 湯浅さんの本を読むのはまだ二冊目。
    私は「湯浅さんがどういう活動をしているのか」という
    より、「どう思っていらっしゃるのか」など、内面性を
    知りたく、そういう意味で、この本の前半あたりはいい。
    「民主主義」についてという抽象的な事柄を多く語っている。
    表現がわかりやすく、身近な例え話をしてくださるので、
    汲みしやすい。社会という単位、規模の話をカタイ言葉で
    なく書かれていて。おかげで、「社会という全体で捉えて
    みよう」と気づかされた。l

  • 民主主義は高尚な理念ではなく、時間と空間をどれだけ確保できるかということ。
    そして、そのための課題を自分がどれだけ引き受けられるかということ。
    「言うだけで終わらせてはいけない」……と言うだけで終わらせてはいけない、と湯浅誠は平易な言葉で語りかける。

  • たくさんうなづきながら読みました。
    「民主主義とは高尚な理念の問題というよりはむしろ物質的な問題...その深まり具合は、時間と空間をそのためにどれくらい確保でいるか、という極めて即物的なことに比例するのではないか」
    「参加のバリアを下げることが民主主義の活性化のために必要」
    「これまで関係のなかった人と関係を構築するきっかけ...人と人とがつながるための創造性」
    考えていきたい。

  • 「溜め」が世の中全体から失われ、みんなが余裕なく追い詰められている、それが日本の現実だろう。目に見える効率だけを追い求めた結果、国や組織全体の能力がガタ落ちしたのは明白。しかし、どうすれば良いのか正直分からない。

  • 「はじめに」の最初に書いてあるように、民主主義についての本である。
    湯浅さんが、ホームレスの課題、橋下現象などを通じて、民主主義は面倒あるが、意見の異なる人との対話を面白く感じ、課題を自分たちのものとして引き受け、解決することによって、自分たちの財産になる。そして、その積み上げが社会を豊かにする。
    ヒーローを待っても、世界は変わらない。誰かを悪者に仕立て上げるだけでは、、世界は良くならない。と説く。

  • 今の社会現象を著者は次のように描写している.”「ないものねだり」の水戸黄門探し、青い鳥探しが氾濫していて、みんなが「誰か決めてくれ.ただし自分の思い通りに」と自分の代わりに相手をやっつけてくれるヒーローを求めている.” まさにその通りだ! だったらどうするのか.”自分たちで決める”ことができる社会を作り上げることだ.これが頭に残った言葉だ.内容としては読みやすい展開だが、説得力のある著作だ.

  •  自分は社会や政治とこういうふうにつながっている。社会とつながっていない人など一人もなく、あの人もこの人もこんなふうに社会や政治の影響下にある、ということを分かりやすく書いている。

    政府とNPOの特徴の違い(広く浅く、深く狭く)に同感。
    また、生活に余裕のない人は、政治に関心を持つ余裕もない、にも同感。

    そうやって声の大きい方、余裕のある方に政治がからめとられていく。

    遠くに届く自分の言葉を探し続けたいと思った一冊。

  • フロムほどではない

  • 学校の授業やニュースやその他を通じて感知される「日本の社会」について、何かしらの「不満」や「不条理」を覚えているひとはともかく読むべし、という感じな書。

    ナイーブな社会観や歴史観から、ショービニズムやポピュリズムの餌食になったり、こころ腐らせて無力感に屈したり、シニシズムや超相対主義におちいる前にぜひ読んでほしい。

  • 私達が日々当たり前に享受している"民主主義" 議会や政党政治に対する不信感が増大、一部の声高な政治家に人気が集まる中、他人に全てを任せるのでは無く「自分たちで決める」本来の民主主義を読みやすい文章で説く。主権者に課された義務や責任とは。

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著者プロフィール

「反貧困ネットワーク」事務局長、「自立生活サポートセンター・もやい」事務局長。元内閣府参与。

「2012年 『危機の時代の市民活動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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