- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022510129
感想・レビュー・書評
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湯浅さんの本を読むのはまだ二冊目。
私は「湯浅さんがどういう活動をしているのか」という
より、「どう思っていらっしゃるのか」など、内面性を
知りたく、そういう意味で、この本の前半あたりはいい。
「民主主義」についてという抽象的な事柄を多く語っている。
表現がわかりやすく、身近な例え話をしてくださるので、
汲みしやすい。社会という単位、規模の話をカタイ言葉で
なく書かれていて。おかげで、「社会という全体で捉えて
みよう」と気づかされた。l詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
民主主義は高尚な理念ではなく、時間と空間をどれだけ確保できるかということ。
そして、そのための課題を自分がどれだけ引き受けられるかということ。
「言うだけで終わらせてはいけない」……と言うだけで終わらせてはいけない、と湯浅誠は平易な言葉で語りかける。 -
たくさんうなづきながら読みました。
「民主主義とは高尚な理念の問題というよりはむしろ物質的な問題...その深まり具合は、時間と空間をそのためにどれくらい確保でいるか、という極めて即物的なことに比例するのではないか」
「参加のバリアを下げることが民主主義の活性化のために必要」
「これまで関係のなかった人と関係を構築するきっかけ...人と人とがつながるための創造性」
考えていきたい。 -
「溜め」が世の中全体から失われ、みんなが余裕なく追い詰められている、それが日本の現実だろう。目に見える効率だけを追い求めた結果、国や組織全体の能力がガタ落ちしたのは明白。しかし、どうすれば良いのか正直分からない。
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「はじめに」の最初に書いてあるように、民主主義についての本である。
湯浅さんが、ホームレスの課題、橋下現象などを通じて、民主主義は面倒あるが、意見の異なる人との対話を面白く感じ、課題を自分たちのものとして引き受け、解決することによって、自分たちの財産になる。そして、その積み上げが社会を豊かにする。
ヒーローを待っても、世界は変わらない。誰かを悪者に仕立て上げるだけでは、、世界は良くならない。と説く。 -
今の社会現象を著者は次のように描写している.”「ないものねだり」の水戸黄門探し、青い鳥探しが氾濫していて、みんなが「誰か決めてくれ.ただし自分の思い通りに」と自分の代わりに相手をやっつけてくれるヒーローを求めている.” まさにその通りだ! だったらどうするのか.”自分たちで決める”ことができる社会を作り上げることだ.これが頭に残った言葉だ.内容としては読みやすい展開だが、説得力のある著作だ.
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自分は社会や政治とこういうふうにつながっている。社会とつながっていない人など一人もなく、あの人もこの人もこんなふうに社会や政治の影響下にある、ということを分かりやすく書いている。
政府とNPOの特徴の違い(広く浅く、深く狭く)に同感。
また、生活に余裕のない人は、政治に関心を持つ余裕もない、にも同感。
そうやって声の大きい方、余裕のある方に政治がからめとられていく。
遠くに届く自分の言葉を探し続けたいと思った一冊。 -
フロムほどではない
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学校の授業やニュースやその他を通じて感知される「日本の社会」について、何かしらの「不満」や「不条理」を覚えているひとはともかく読むべし、という感じな書。
ナイーブな社会観や歴史観から、ショービニズムやポピュリズムの餌食になったり、こころ腐らせて無力感に屈したり、シニシズムや超相対主義におちいる前にぜひ読んでほしい。 -
私達が日々当たり前に享受している"民主主義" 議会や政党政治に対する不信感が増大、一部の声高な政治家に人気が集まる中、他人に全てを任せるのでは無く「自分たちで決める」本来の民主主義を読みやすい文章で説く。主権者に課された義務や責任とは。