- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022517678
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
家には秘密がこもる。その家族だけが抱えている秘密が。あらわにならなければ、その秘密は腐臭を放つ。この家もかつて、そうだった。母はその秘密を消すように、僕が家を出た後、必死であの出来事の痕跡を消してきたのだ。(p249)
2022.01.07 -
父親の暴力から生き残った主人公史也、生後わずかで児童施設にの門前に捨てられたヒロイン梓の偶然の出会により救われていくという話、二人とも親の虐待と育児放棄から逃れたサバイバーだったのだ。最近の児童虐待のニュースの多さから生まれた物語だと思うが、題名が納得いかないしやや偶然が多過ぎで詰めも緩い、きっとこのカップルは児童虐待も育児放棄もするようになると思ってしまう。この作者は「ふがいない僕」もそうだったけれど後半の詰めが甘いような気がしてしようがない。
-
2021/07/15リクエスト
窪美澄の作品は、好きなものもそうでないものも、もっと心の奥をえぐられるようなものが多かったが、これは最初を読んだ段階で、なんとなく次が予想できて、ラストまで予想できる、彼女らしくない作品に感じた。
史也は酒を飲み暴れることの多かった父親を憎み、薪割り用の斧で殺そうとした。
ところが斧の反対側で切りつけていたため致命傷にはならず、障害を負っただけだった。
地域の駐在さんがいい人で、この家の抱える問題を知っていたため、お父さんが階段から落ちたんだ、と決めつけてくれた。そのおかげで、犯罪者にならず罪を償わず、弘前の叔母のところに居所を移し、その後東京の大学に進む。
どうして妹は、兄の史也と一緒におばさんのところに行かなかったのか。
どうして母は、この父を捨てて逃げなかったのか。
ところどころ、腑に落ちない展開で、すっきりしない。
なぜか東京で同じ出身地で同時期に虐待を受けていた2人が出会い、結びつき結婚する。
虐待を生き延びた、妹も同時期に結婚する。
最後は幸せな感じになるけど、安易すぎる感じの展開。
叔母さんはどうして病気になって入院し、退院したのか。そのエピソードは必要だったのか。
全体的にサラッと読めるが、特に印象的なところもなく、だからといって虐待を受けていた人が読んだら、こんなふうにうまくいかないよ!と思うかもしれないし。
どっちつかずな感じで読了。 -
24年1月11日読了
-
岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00619681
かつて中学1年の時に僕は、酒を飲む度に荒れる父親に手を焼き、遂に斧で殴りかかって殺そうとしたことがある──心に傷を負ったまま家族とも離れ、悪夢のような記憶とともに生きていく史也。荒んだ生活の中で、看護師の千尋との出会いから、徐々に自身の過去に向き合おうとする──これは「決別」と「再生」の物語。
(出版社HPより) -
父の付き添いで病気にきて本を読んでいたらメンヘラということばが出てきた。メンヘラ?調べてみたらメンタルヘルスメントの略らしい。
特徴を調べてみたら、ヨアソビの夜に駆けるの主人公のような症状だと思ってしまった