- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022519269
感想・レビュー・書評
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この題材を思い付いて、
資料を集めて精査して、
書ききれるのがさすが。
まずどうしてそこを書こうと思えたのかっていうのが常人離れしていると思う。
発想と知識量がほんとにすごい。
著者の人気作に比べると一見地味でおとなしめだけど、そこがまた味わい深くて好き。 -
ソビエト連邦崩壊時期に共和国の主権宣言が次々となさる中、政治的な混乱の中で生きざるを得ない若者たちの友情物語といったところでしょうか。
当時の歴史にもふれつつ、政治的な同調圧力の恐ろしさ、不穏な世の中への憤りや喪失感が主人公を通じてジワジワきます。そんな時代を経て今の世界情勢不安が何とも恐ろしい。実に恐ろしく心底恐いよ。 -
歴史に翻弄されたラウリと友情の物語。
文が読みやすく、すらすらと物語に入っていけて良かった。
ラウリのプログラムへの情熱、ラウリとイヴァン、カーテャの友情、そして、それらがバルト三国の独立にまつわる動きで歪められていく苦しみ、、彼らの心情がじわりじわりと伝わってきて心動かされた。
☆3.8
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直木賞候補作品として書店に並んでいたので興味を持ち読みましたが、
他候補作品と比較すると読み劣りするように感じました。
作品背景は70年代後半から現在のエストニアを舞台にした友情の半生記、
目まぐるしく変わる社会情勢に翻弄されながらも強い絆で結ばれた男女3人の、出会いを時系列を変えながら辿っていくストーリー。
話の流れや歴史は面白いのですが、200頁そこそこで字体も大きく、今ひとつ深く掘り下げて書く事が出来なかったのかと残念、ストーリーも最初から予想通りで深い感銘はありませんでした。 -
ラウルとイヴァン、カーテャ、3人それぞれの生まれや国家、環境の違いで目まぐるしく状況が変わる流れは、まるで戦前戦中戦後を現代の40年前後に当てはめて見ているようだった。ノンフィクション風?のためかそこまでの刺激はないものの、面白かった。
エストニアという国をほとんど知らなかったし、バルト三国も学生時代よく聞いてたな〜くらいの言葉。
背景を少し調べるとロシアの前もポーランドだドイツだと占領されまくりの歴史だった様子。国民の情報自体を国とみなして領土が分断しても国を再建できるようにというのが、ナショナリズムを突き詰めた考え方じゃないかと思った。 -
2024.03.08