ジャングル・ブック―オオカミ少年モウグリの物語〈第2部〉 (偕成社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036517404

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  • 第六章「死の棒」
    冷たく大きな大蛇のカーだがモウグリの事はお気に入りだ。
    カーは廃墟の神殿の地下にある宝物庫にモウグリを連れて行く。
    番人の老コブラがモウグリに興味を示したからだ。
    ずっと昔、昔、栄えたがすでに滅びた王国で、取り残されたコブラは時の流れを認めずただただ宝を頑なに守り続けている。
    モウグリはある宝を譲り受け地上に戻るが、その宝を巡り人間たちの殺し合いが始まることになる。

    第七章「赤犬」
    年月がたった。
    モウグリの保護者たちは、あるものは死に、あるものは年老いた。
    そしてモウグリは成長し腕も頭も力もずば抜け、ジャングルの頭として敬われている。
    そんな頃ジャングルの生き物を食らい尽くす赤犬の集団がやってきた。
    モウグリは、自由なオオカミの一族と共に赤犬の群れとの戦いに備える。
    壮絶な戦いの圧倒的な筆運びに引き込まれる。

    第八章「春をかける」
    春がやってきた。ジャングルの動物たちは浮き足立つ。
    だがモウグリは何とも言えない心の苛立ちを覚える。
    モウグリはこのときほぼ十七歳。ますます力は強く、知恵は冴え、ジャングルの動物たちはモウグリを恐れていた。
    モウグリはこの先の自分の行く道を考える。
    老いた彼の保護者達はモウグリに行く道を示す。
    それは人間の村で人間として生きることなのか…

    番外編「ラク(ジャングル)にて」
    こちらは「ジャングル・ブック」収録されてはいないが、”ジャングルで狼に育てられた少年モウグリ”の別バージョン。
    イギリス人のギズボンは、英領インドでジャングルの管理人をしている。
    彼の前にジャングルから不思議な少年モウグリが現れる。
    ジャングルを知りつくし動物の行動を理解し動物を操れるモウグリ。
    ギズボンはモウグリを雇う。
    はたしてモウグリの目的は…

    こちらのモウグリは、ジャングル・ブックのモウグリより早くジャングルを出て人間の村を渡り歩いたということで、人間社会で生きるための心理駆け引きや生活のための経済基盤を築くことの大事さやらも知っているようである意味強か。しかしジャングルで動物たちと絆を保っているため、モウグリの家族もジャングルに保護される将来と言うのは安心しますね。

  • 死の棒
    詩的な表現が多くストーリーも示唆に富んでいて、シリーズ中一番好きかも。
    赤犬
    ひたすら戦いで、好みではない。
    文と違っている絵があってモヤモヤ。
    アケイラはどうしてモウグリに人間のもとへ戻れと言うのだろう…?
    春をかける
    17歳になったモウグリが「春のかたらいのとき」に人間の母親のもとへ帰り、物語は唐突に終わる。
    最後の歌は教訓めいた部分あり。いじめの手伝いを頼まれても黙っていろとか、うぬぼれ自慢をするなとか。
    番外編は試作のようなものらしい。後日談的にも読めるけれど、モウグリが森林省の勤め人になるなんて夢がない…個人的には、いらなかった。

  • 実はジャングル・ブックをきちんと読んだことが無いので図書館で借りて読んでみました。結構有名な本を読んだことないなあとちょっと残念に思います。まあ今からでも遅くない。多分。

    それにしてもジャングルと言うのでアフリカだとてっきり思っておりましたらインドのジャングルなんですね。お話も全然知らなかったので色々と新鮮に読みました。そして欧米の人が書いた本にしては蛇が悪者でないのが興味深いな、と思いました。虎は昔から人が襲われて殺されていたので恐怖と憎しみの対象だったのかなあと思いました。

    最後、ジャングルがモウグリを追い出すのではない。モウグリがモウグリを追い出すのだ、と言うセリフに何とも言えない寂しさとそうだよなあと言う納得の想いが同時に起こりました。人は人の中で生きるからこそ人になると言うことなのかな。面白かったです。機会があれば他のシリーズも読んでみたいな、と思います。

  • 大人になったモーグリの話が収録されているのは
    わたしが知るかぎり、この本だけ
    ジャングルブックの世界に魅せられたなら
    これはぜったい読んでおかないと!

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