- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041003183
感想・レビュー・書評
-
囲碁にも算学にも天文にも知識は全くない。それでも惹き付けられる魅力に溢れている。才能がありながら家業に没頭できない主人公、それを歯がゆく思う天才児、大いなる事業を胸に次々と主人公を振り回す権力者、そして憧れて憧れて届かない天才。どの登場人物も魅力に溢れている。
各地を旅しながら年長者の教えを受ける北極出地の場面が一番楽しめた。 -
先々週、恩師が面白かったというので読んでみた。
「学問に関わるものとしては、姿勢がとても参考になりますよ?!」
との、その時のコメントを思い返すと、心が痛い。 -
今の時代、便利な分、繋がりの尊さが薄れているように感じた。
1年もの長くきつい職務の間、遠く離れている中で恋心を少しずつ抱く。その人のことを思い出しては書をしたためようかとするが、なぜか躊躇し職務のが終わたときに会えることを楽しみに待つ。
まさに「育む」という言葉がピタリだと感じた。その1年の間に思い人が何をして過ごしているかも分からず、信じて会えることを待ち続け、それどころかその状態を楽しんでいる。
不安は相手のことを案じてではなくて、自分が不安なだけで、それを簡単に今の時代は解消することが出来てしまう。不便なくらいで保たれるものがたくさんあるのだと思う。いろいろなことが簡単に出来てしまうことで、自分が欲しいと思うもの(答え、思い、物、欲求)は手に入れることは出来るけれど、そのぶん喜びやありがたみは欠けるのではないかと考えた。
相手を思うというには、自分の欲を満たすものではなくて、相手を信じ、信じてる自分をまた信じる。そしてそれを楽しむことで、バランスを保つことができる。誰かを思うということは、そうやりながら自分の気持ちも相手の気持ちをも「育む」ものなのかもしれない。男女間に限ったことではなく。
メールは一晩寝かせる。と誰かが言っていた。それでも本当にそれを相手に伝えたいと思ったら送信すると。頭に思い付いたことを指任せに打って、パッと送信して終わり。それでは感情のままになってしまう。簡単な分、気を鎮めることをしてからではなくては相手を困惑させることになるのかもしれない。
ただ思い続けたけ思い人との恋は叶わず…そこで「一人の女を想ってついには結ばれるなど滅多に起こることではない。婚姻はあくまで家と家の取り決め、数多の家名の連続の中に男と女もいるのだから」と。ここでも相手を恨むでもなく、そういうものよね、と。
ちなみに勘違いがあってはならないので…天地明察は恋愛物語ではありません。ひとつの偉業を成し遂げるための男のロマン?かな?その間の人間模様とか読んでて、こみ上げてくるものがあった。 -
暦に対して何の疑問も持たず使っている現代。
しかし、江戸時代はそうではなかった。
独自の暦を作り上げようとする主人公。
すらすらと読めます。
面白い! -
さすが本屋大賞。
文庫化を待っていてよかった。
算術やらなんやらは全くわからないけど、それでも面白く下巻が気になる!-
「算術やらなんやらは全く」
判らなくても、充分に話の面白さが伝わる。それがスゴイね!
早く下巻読んで、もっと余韻に浸ってください。「算術やらなんやらは全く」
判らなくても、充分に話の面白さが伝わる。それがスゴイね!
早く下巻読んで、もっと余韻に浸ってください。2012/06/14
-
-
久々に来た星五つ!! 時代背景や当時の数学や、何から何までしっかり調べこまれて作られてるのに、その膨大だろう下積みを文中で押し付けてこない感じが好感触! キャラクターもあっさりとかつ魅力的だし、言葉の演出がすごく良い! 下巻が楽しみだ……!
-
「久々に来た星五つ!!」
仰言る通りキャラも展開も文句無し。そしてメッセージも泣けてきます。。。「久々に来た星五つ!!」
仰言る通りキャラも展開も文句無し。そしてメッセージも泣けてきます。。。2014/05/01
-
-
これは参った。傑作というほかない。
上巻で一番ふるえたのは、建部・伊藤との北極出地で春海の計算がピタリ一致したくだり。そして建部の「精進せよ、精進せよ」の会話。
なんと清廉で真剣で一途であることか。
悲しい物語で涙をこらえることは時々あるが、感動の涙はこれが初めてかもしれない。 -
のらりくらりとマイペースな若者で、頭は回るものの周囲の思惑が一切読めないところも描かれているのに、少しずつ、年を経るごとに貫禄がついてきた、というのがわかるのが素晴らしい。たまに口が悪い字の分も好き。
-
何の完結もしていないのに、上巻で読後感が既にいい。下巻が楽しみ。
-
感想は下巻で
私は特に道策のファン、、、建部と伊藤も良い味出してますよね!
私は特に道策のファン、、、建部と伊藤も良い味出してますよね!