雪国 (角川文庫)

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レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041008461

作品紹介・あらすじ

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。「無為の孤独」を非情に守る青年・島村と、雪国の芸者・駒子の純情。魂が触れあう様を具に描き、人生の哀しさ美しさをうたったノーベル文学賞作家の名作。

感想・レビュー・書評

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  • 純文学の好きなところは
    感情を説明しすぎないところで
    今この人物はどんなことを考えているんだろう
    どうしてこういう行動をとったんだろうって
    自分で想像してみるところだと思っています。

    「君はいい女だね」
    たったその一言が、
    別れを代弁する言葉になったり
    感情を説明しないことが
    一番忠実に伝わる説明になることを
    雪国をよみながらしみじみと感じました。

    なんといっても雪国は文章や、
    登場人物のセリフが美しいです。

    最後、別れの予感が二人の頭によぎりながら
    その真上に輝く天の川。
    風景はその時見る人の気持ちや
    誰と見るかでその美しさをかえる。
    あの天の川は二人にとってもう二度と見ることのできない刹那の美しさ。
    はじまりがあって、必ず終わりがくる。
    終わりがあるから一瞬一瞬が輝いて
    なんとも言えぬ気持ちになりました。

  • 伊豆の踊り子からの雪国でした。
    何故、雪国がノーベル文学賞じゃないのか…。
    芸者とあり、出てくる女たちが警戒しているのか、それとも駆け引きなのか、判別が付きにくい。
    が、冷たく読者までも振り回されるの必須。
    私には少し難しかったです。
    でも、景色の描写の美しさ、しいんとしていて底冷えする感覚は、もの凄く伝わってきました。
    また読み直したいです。

  • 上野から上越新幹線に乗ってトンネルを過ぎた時に一面雪景色が広がったときに「ああ、川端康成だな」と思ったことが鮮明に思い出される。川端康成のような重たくも丁寧で真摯で重厚な美しい日本語の小説は二度と出てこないんだろうなと思う。

  • 何を書いても、この話を伝えるのに相応しくない気がしてならない。
    言葉はまして、情景の美しさとしんとした激しさに、とうに忘れたはずの父方の故郷が目の前に浮かぶようだった。
    激情に動かされながらも時の止まったように、どうしようもなく胸に迫るのは、雪国だからこそか。

  • 『雪国』読了。
    藤村と駒子の会話が素敵だったなぁ。
    飾らない日常会話が昔の情景を浮かぶようで。節々に垣間見える男と女の思考の違いが絶妙で。昔の人々は不安定ながらも気丈に振る舞っていたのかなと現代を生きるわたくし達と似通っていながらもその違いが浮き彫りになっていて面白かった。

  • トンネルを抜けると、雪国であった。の書き出しがとっても有名だけれど、お話自体はぼんやりとしか知らなかったので。雪国のほの暗い雰囲気と、それをおこす描写はほんとうにきれいで、うっとりするのに、どうしても空虚な感じがするのは、島村と駒子のなんともつかない関係のせいかなあ。心情についての描写は多くないので台詞で推し量るしかないのですが、日本語ならではというか、そういう曖昧なぼんやりと含みのある言い方がすきでした。わたしは葉子さんのもうどうしようもない、そういう雰囲気に惹かれていたので、島村ももしかしたらこんな気持ちなのかなーと勝手に考えてみたり。駒子も葉子もふらっと雪に消えてしまいそうな、そんな儚さをかんじる美しさでした。

  • 純文学はほとんど読んだことがなく、難しく感じました。しかし、自然や人物(心情)の描写は巧みで、これが海外にも通じる名作である理由はよく分かりました。美しい文章ですね。

  • 雪国が舞台の作品



    一面真っ白な世界に頬を真っ赤にした黒髪の女性。という描写がなによりも美しく感じました。
    冬の凍えるように寒い早朝。空気がツーンと張り詰めているような雰囲気が心地よく感じられる作品。かと思えば、時々燃えるような夕陽が鮮やかで、文章の中の風景にどんどん惹かれてしまう。
    主人公の男は妻子持ちではありつつも、毎年冬の時期に、この雪国を訪れては「駒子」との逢瀬を楽しんでいた。一時的な感情で、将来性は無いものだと二人ともわかってはいるものの、「駒子」は徐々に男と離れ難くなっていく。
    そんな「駒子」の知り合いである「葉子」もこの作品にとっては重要な人物であり、美しく透き通った声に男はいつのまにか意識を向けるようになる。

    1人の男性と2人の女性を巡るお話。
    どこか楽しげで、けれども寂しげな、
    無色の風景の中で、人々の色んな感情が渦巻いて
    色彩を放っているような作品でした。



    最後のシーン、燃える火事の現場と、落ちてくるような天の河の描写がとても印象深いです。この『雪国』という作品が終わる。彼女たちの甘い夢想も消えてしまう。すべてが崩壊していく場面が、残酷なほど美しく表現されていて、思わず何度も読み返してしまいました。

  • 冒頭の一節があまりも有名すぎる傑作「雪国」。
    極寒地の宿場町での旅人と芸妓との恋。
    恥ずかしながらきちんと目を通したのは初めてなのですが、私自身が新潟県出身なので「雪」というものに馴染みがあり情景の美しさが手に取るように伝わってきました。
    作中では明言されていませんが舞台が新潟県湯沢町ということで、冬場は2階から出入りしなければならない程の雪深さや、苗場や谷川岳などの山脈が雪で白く染まる様を思い出しました。
    島村と駒子、2人共愛を願いながら愛し合えないという複雑な感情でいて、終盤の「いい女」という言葉に対するすれ違いでとうとう別れるべくして別離してしまう。
    火事の最中落下する葉子の姿が、冒頭の列車の中で流れゆく景色の中で葉子の瞳に見た焔と重なり、
    島村と駒子の恋が、矢継ぎ早に流れる焔のように一瞬のものであったのだろうと思うと切なくなりました。

  • 島村と駒子、そしてちょこっと出てくる葉子の物語。未だに理解できていないのが、駒子がいい女だと言われたのを何と聞き違えて怒ったのかということ。多分ここが理解できない限り雪国を理解したとは言えないんだろう。
    かつて読んだことがあったようだけどまったく記憶ないまま読み終えてしまった。

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著者プロフィール

1899年生まれ。1920年東京帝国大学文学部英文学科に入学(のち、国文学科に転科)。1921年第六次『新思潮』を創刊。『伊豆の踊子』や『雪国』などの作品を残す。1961年文化勲章受章。1962年『眠れる美女』で毎日出版文化賞受賞。1968年10月、日本人初となるノーベル文学賞受賞が決定する。1972年没。

「2017年 『山の音』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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