妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.90
  • (88)
  • (196)
  • (95)
  • (8)
  • (5)
本棚登録 : 1575
感想 : 133
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041008867

作品紹介・あらすじ

美貌の青年茶道家・洗足伊織は、妖怪のDNAを持つ異質な存在。しかし明晰な頭脳と、不思議な力を持つがゆえに、警察に頼られて、妖怪がらみの事件に巻きこまれることに。茶道家探偵、鮮烈に登場。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人と違う妖人がいる世界。
    まぁ、実際は、人とあまり変わらず、たまに、人より能力発揮する者あり。
     水泳凄い!=河童の妖人
    みたいな。

    基本はミステリー、少しホラー味って感じ。
    実際、今の世界も良く調べたら、金メダル取ってる人とかあり得るかも?
    有力は、メジャーの二刀流か?(^◇^;)

    能力が抜きん出ている人がいると、人はどうしても嫉妬とかして…
    それが人以外やと更に…
    全部、押し付けてくる…
    何かやるせない気もするけど、私も一般庶民なんで気持ちが分からない訳ではない。
    でも、そういうのは出さないように努力していきたい。

    この作品は、妖人を出して、今の人間社会を風刺してるようにも思う。
    能力なくても、裏表なく、素直に生きて行こう!脇坂さんのように!笑

    やっぱり、怖いのは、DNAの違いより、ココロ!
    人であろうと、妖人であろうと!

    • ultraman719さん
      ググってみましたが、ある程度、実績のある作家さんだと、意見が通るみたいですね。
      基本は、編集者さんが決めるみたいです。
      でも、まさか売れない...
      ググってみましたが、ある程度、実績のある作家さんだと、意見が通るみたいですね。
      基本は、編集者さんが決めるみたいです。
      でも、まさか売れないような絵を出す気はないでしょうし、編集者さんも作家さん、もしくは作品のイメージに合わせて、作られるのだとは思います。
      作家さんが、メインには違いないですが、本って、みんなの共同作業が身を結んで出来る訳なので、編集者側で決めるのも、それはそれで良いのかもしれません。
      まぁ、実績ある人なら、名前だけでも良いかもしれないですが 笑。
      2023/08/07
    • honwakamihaさん
      わお!
      調べてくださったんですか⁉︎
      ありがとうございます!!
      どの作品も作家さんや編集者さんからの愛情で出来上がってるわけですねー
      もちろ...
      わお!
      調べてくださったんですか⁉︎
      ありがとうございます!!
      どの作品も作家さんや編集者さんからの愛情で出来上がってるわけですねー
      もちろん売れなければいけないので、読者側の目を引くという戦略はあるとは思うのですが、物語の世界観が1冊まるっと1つになっていたりすると、読むこちら側も忘れられないものになりますよねー
      2023/08/07
    • ultraman719さん
      そういう思いも受け止めて、心して読まないと!ですね。
      そういう思いも受け止めて、心して読まないと!ですね。
      2023/08/08
  • 妖怪のDNAを持つ「妖人」と呼ばれる存在が活躍する物語。
    妖怪探偵小説。

    う~~~ん……。
    残念ながら私には合わなかった。
    ライトノベル感が強い。
    女性のいろんな感性を刺激しそうな本。
    角川ホラー文庫ではあるが、怖いと思える部分はあまりなかった。
    シリーズものだけど、ここで断念かな。
    作中で小豆洗いが洗った小豆で作られるおはぎが無性に食べたくなった。きっと、美味いだろうなぁ。

    勧めてくれたみんみん先生、ごめんなさい<m(__)m>
    もっと女子力を修行します。ん?

    と・こ・ろ・で。
    いろいろあって、久しぶりに図書館で本を借りるという高度な技が使えるようになりました\(^o^)/
    本書ともう一冊借りてきました。
    乙一さんの「沈みかけの船より、愛をこめて」も予約したけど、所蔵数が2で、順位が23番目だからしばらくかかるかなぁ?
    それにしても図書館に行かなくても予約できるって凄い便利じゃない。びっくりだよ。
    世の中、進化したんだね~♪
    昔なんてほんとたいへんで、よく本屋にこっそりメモとペンを持って行って、売っている本のタイトルと著者名と出版社名とをメモして、それを図書館で予約の用紙に書き直して、なんてやってたな~。
    予約の順番なんかも司書さんに聞いて、いつぐらいになりそうか聞いてみたり。
    本屋なんかでも買わないでメモばかりしてたから嫌がられたっけな。
    本屋の中でメモとるのがはばかられたりするときはいちいち暗記して店の外にいったん出て、そこで書いて、また店に戻って暗記して、を繰り返してたわ(笑)
    進化バンザーイ!!ヾ(≧▽≦)ノ
    オーディブラー改め、図書館マスターを目指そう!!

    • Bücherwürmchenさん
      図書館か、、、、、、オンライン予約するのは楽だけど引きこもりのは向かないですね、、、、、、ほとんどネットショッピングで済ませてます。
      図書館か、、、、、、オンライン予約するのは楽だけど引きこもりのは向かないですね、、、、、、ほとんどネットショッピングで済ませてます。
      2023/01/08
    • Bücherwürmchenさん
      取りに行くという手間が、、
      取りに行くという手間が、、
      2023/01/08
    • 土瓶さん
      日常の移動半径内にあれば手間も気にならないんですがね。距離も問題か。
      わかります。
      私も最近までは図書館も本屋もブックオフも遠くてアマゾン1...
      日常の移動半径内にあれば手間も気にならないんですがね。距離も問題か。
      わかります。
      私も最近までは図書館も本屋もブックオフも遠くてアマゾン1択でした。
      今は無事に人間界に復帰(笑)
      2023/01/08
  • DNAの解析技術の進歩により、妖怪のDNAを持つ人間が存在することがわかった。
    果たして彼らは人なのか否か?特に人間離れした能力を持つ妖人に人間は恐れを抱いている…そんな設定でのお話。
    妖人絡みの事件で出馬する美貌の茶道家の妖人伊織の存在感はもとより、同居している妖人たちのキャラがとても魅力的で、このシリーズはキャラで読めそうだと思った。
    かと言って、ストーリーは軽すぎず、しっかりとした読み応えがあった。
    今回の話。一番たちが悪いのは、悪意のない邪気、無神経な無邪気で、それが最悪の結果を生んだんだと思った。
    悪意に無自覚なことは法律で罰することもできない罪で、たちが悪い。

  • 伊織×芳彦 良きかな

  • ミステリー9割、ホラー1割。
    妖×人×ミステリー好きな方へ…

    〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    Instagramのフォロワーさんより教えていただいた1冊。
    タイトルと表紙絵がめちゃくちゃ好み!で、そこから推測するに、どうも妖怪話のよう…

    しかしレーベルは角川「ホラー」文庫ということで、ちょっとおっかなびっくり読み始めた。
    というのもあやかしやミステリーは大好物なのだが、スプラッタやガチのホラーは大の苦手…なのである。

    しかし結論を言うと「妖奇庵夜話」は、そんなわたしにぴったりの、絶妙な妖しいミステリーであった…!!

    〜~〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    妖怪の遺伝子を持つ「妖人(ようじん)」の存在。
    妖人は特殊な能力を持つ者も多いのだが、見た目では人間と区別がつかない。

    しかし、お茶室「妖奇庵(ようきあん)」亭主・洗足伊織(せんそくいおり)は、ひと目見ただけでその人物が人間か妖人か見分けられる力をもっていた。
    隻眼の美青年、そして少々難のある性格の持ち主である伊織自身も妖人だが、その力を買われ、妖人の絡む事件を担当する警察内の部署・通称Y対より捜査協力の依頼をされていたのだった…

    そんな伊織のもとに今回舞い込んだのは、にんげんのアブラを絞り取るという「アブラトリ」が絡む可能性がある、殺人事件…

    〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    まず読む前に、メモとペンを用意しよう。
    設定と登場人物を把握するために、必須アイテムだからである。

    本作品の登場人物たちはどちらかというとキラキラネーム寄りであり、パッと見ただけではなかなか覚えきれない。
    さらには妖人という特殊設定も頭に入れつつ、伊織周囲の関係性を理解しなければならないので、導入はすこし丁寧に読む必要がある。
    つまりヤマ場は冒頭から設定理解まで。
    しかしそれを越えてしまえば断然、面白いことこの上なしだ。

    〜~〜~〜~〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    章立てではないため目次はないが、伊織周囲の描写の合間に、事件に関係すると思われる人物のモノローグ、関係するのかよくわからない情報が断片的に差し込まれる。
    最初は混乱してしまうかもしれないが、後半にいくにつれてそれらの情報が絶妙にからみ合い、事件の真相へとつながっていくところが、この物語の醍醐味である。

    角川「ホラー」文庫ではあるが、妖人という架空の設定もあるためか心霊現象的な恐怖はほぼなく、むしろお話の印象としてはミステリー9割、ホラー1割である。
    ガチホラーを目当てとして読まれた方には物足りないとおもわれるが、ミステリーが好きな方はきっと食らいついてくれるだろう。

    〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    ちなみに、このお話唯一にして最大のホラー要素は、
    「ところでさ、週末の合コンってなに着ていく?」
    (引用)であろう。

    「えっ、なんでこの一文がホラーなの??」と、おもわれるだろう。
    しかしこの文章を、事件の経過を把握した上であらためて読んでみてほしい。
    「うわっ、これホラーだわ!この話いちばんのホラーだわ!!!」と絶対に、感じてしまうはずだ。

    〜~〜~〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    伊織の妖人としての能力名は1巻にして明かされるものの、その力の背後に潜む危険性はまだ不明である。
    事件推理とともに伊織自身のもつミステリー要素も想像していけるところが、すごくおもしろい。

    ちなみにこのシリーズは9巻で完結しており、結末までひたすら突き進めるところもとてもよいので、妖×ミステリー好きな方は9巻までの旅路をぜひご一緒にいかがだろうか。

  • 妖怪じゃなく妖人と言う設定
    登場人物全てのキャラが絶妙です♪

    座敷わらしの話しで泣いてしまいました…

    明日美子先生の表紙が美しい!眼福\(//∇//)\

  • 突如発見された「妖怪」のDNA。それをもつ存在は「妖人」と呼ばれる。
    お茶室「妖琦庵」の洗足伊織は頭脳明晰の美青年。口が悪くひねくれ気味なところがあるが、人間と妖人とを見分けることができる。
    その力を頼られ、日々警察から捜査協力を求められる。今回の事件は妖怪「アブラトリ」が関わっているとされる女子大生殺人事件…

    伊織の家令で≪管狐≫の夷芳彦。
    手伝い人で≪小豆とぎ≫の弟子丸マメ。
    警視庁妖人対策本部、Y対のベテラン刑事の鱗田と新人刑事の脇坂。
    そして、人を惑わし、伊織に執着する、どこか危険な存在、青目…。
    キャラクターがかなり個性的でおもしろい!
    章によって語りの目線が変わるのも、違う角度でどんどん真相が明らかになっていく感じで楽しいです。
    一気に読んでしまった。

    ダイエットへの執着、女同士の醜い感情…妖怪が怖いというよりは…女性って怖い。
    ≪座敷童子≫が繭美のことを大事に想う気持ちに胸が締め付けられる思いでした。
    幸せな最後だったらよいなと思います。
    伊織と脇坂とのお茶室での場面もよかったです。
    まだまだ頼りないけれど、素直で明るい脇坂の刑事としての成長が楽しみです。

    マメくんがかわいくて癒される…!
    そして表紙のイラストがかなりきれい。
    読みやすいし、個人的に妖怪というモチーフも好きなので、これからシリーズを読み進めるのが楽しみです!

  • 「妖」の字だけで、なんとなく気になっていた作品。とうとう試しに・・・と手にとってみたら、まぁ、案の定なのかどっぷりはまり早速全巻かいにはしりました。
    やっぱり、人間の心の汚さが浮き立つ。

  • 美しい男たち彩みどりで、なんてわたし好み!と楽しんで読みました。装画は中村明日美子さんということで、なんとも耽美な一冊となっております。

    刑事の脇坂くん、その相方(?)の上司・ウロさん。
    「妖キ庵」の洗足伊織、夷さん、マメ。
    そして謎の妖人・青目。

    みんな可愛くてきれいでかっこいい!

    でも、綺麗で楽しいだけじゃないのがこの本です。
    人間の恐ろしさがこれでもかと書かれ、ときに嫌になる。
    普段はダメな脇坂は、この物語の最後、大切なものを失うとはどういうことか考えることになります。

    初めて読んだ作家の方で、ボーイズラブなども書いているみたい。
    だから綺麗なひとがいっぱいでてきたのかーと納得……
    ぜひ、中村明日美子さんの漫画でも読んでみたいです。

  • マメと座敷童が癒しのキャラだったのに、1巻で座敷童がいなくなってしまうなんて、寂しい。

    女同志の友達といいつつのマウントの取り合いが一番怖かった。

    主人公が半人半妖の和装の美形のミステリーとなると、路生よる著「地獄くらやみ花もなき」と重なってしまう。

  • さら〜っと読める。実は作者の『永遠の昨日』で爆泣きしたので期待したんだけど、文体がかなり違った。
    どっちかというと深夜アニメ向きかもね。座敷童が可哀想でシュンとなってしまったかな。

  • 内容が進むのが遅く感じた

  • 妖とも、人とも少し違う「妖人」が存在する世界。
    妖・探偵・ミステリー・人の恐ろしさ、そういうのが好きな人におすすめの1冊。
    作中、1枚だけ真っ黒なページがあるのが印象的。
    悪いのは「妖人」か「人間」か?
    恐ろしいのは……?
    ホラーというよりミステリーな作品。
    和風好きとミステリー好きにはぜひ読んでほしい。

  • 読みやすく面白かったです。 
    最後のページを読んで、うん間違いなくホラーだと
    思いました。

  • 【幻想系ミステリー×甘味グルメ小説】
    妖怪ではなく妖人という設定が、結構新鮮でした。
    俗に言われる妖怪は創作だけど、その元になった存在がいて、それは特殊な能力や特徴を持った見た目は人に近いけど、遺伝子的に人間ではないヒト。
    、、なんか、本当にありそうですよね。
    遺伝子の解明ってまだ全部できてないし、明らかに、異能があるのではって人間や、逆にこの話は人間だったのでは?っていう民話や妖怪話もあるし。
    ファンタジー要素があるけど、実在してることを期待したくなるような設定と、登場人物が魅力的です。
    シリーズを通して、妖人が関わる事件を、妖対の刑事と助言役の妖人、洗足伊織とその家族や仲間が解決する流れですが、描写は残酷すぎず、事件も難解すぎず、メインキャラクターには美形が多くて、つまり読み進めるのがとても楽しい(*^▽^*)
    小説なのに、どんな顔か即座にイメージの湧く、的確な描写と設定。みんな美形で、おうちはレトロで、ゴハンは毎回美味しそうで、本気で洗足家に居候させて欲しい。ガチで働いて生活費入れます、私(笑)
    しかも、これ何気にめっちゃグルメ小説なんですよね。
    洗足伊織の家族(同居人)に小豆研ぎの妖人、まめくんがいるのですが、彼の作る餡子のお菓子がとても美味しそう。。。この小説を読んでると、途中で和菓子が食べたくなります。
    しかも、お汁粉とかどら焼きとか、おはぎとか素朴にガッツリ餡子が主役の和菓子。
    作中にも、うさぎやのどら焼きやら、桜餅は道明寺か長命寺かやら、やたら欲求を高める台詞が入ってくるので、甘味なしでは読了できません(。・ω・。)
    ミステリー路線はブレずに、だけど伏線や合間に挟まるほのぼの小咄にも魅力が多くて、とても読みやすい小説です。


  • 宮廷神官物語で知った榎田ユウリさん。
    暗闇からヒタヒタと忍び寄ってくる類いの怖いのは苦手なのですが、新人刑事の脇坂さんが緩衝材となってくれました。
    おばけとか幽霊とかより、よほど生身の人間の方が恐いやん!!!

  • 初めましての作家さん。
    ヒト変異型遺伝子保有該当者(妖人)絡みの事件を担当するのが
    Y対の鱗田と新人の脇坂。
    妖人が不必要に差別されないように捜査協力をしてるのが
    「妖琦庵」の主である洗足伊織。
    家令の夷(えびす)と、マメと一緒に暮らしていて3人とも妖人である。
    この主要キャラをみて、まるで薬屋探偵だなぁ~と思ってしまった。

    妖人が絡んでいるらしい事件が発生。
    Y対の出番であるのだが、その裏に見え隠れする青目という妖人。
    こいつが最も厄介で謎なのである。
    読み難かったけど、座敷童がとにかく可愛かったのでOKです。
    うっかりウルっとしてしまいました。

  • 妖人という人間とは異なるDNAをもつヒトが発見された世界。
    見た目は人間と同じで能力も僅かしか変わらないけれど、人は自分とは違うものに拒否反応を示すもので。

    妖人対策課に配属された新人刑事・脇坂が探偵役の謎多き妖人・洗足の助けを借りて妖人絡みの事件を解決するというストーリー。
    底抜けに馬鹿で素直な刑事や毒舌の茶道家などキャラクターが魅力的。洗足の能力や青目の正体などは今後のシリーズで明らかになるのかなー。楽しみ。

    伏線や視点が変わってのモノローグが多くて推理小説の色合いが強い。妖怪が特殊な技を使うようなファンタジー路線ではない。
    むしろ妖怪ものの必要があるのかと疑うほどしっかりしたミステリだが、妖人に対する差別がある世界だからこそ同じ人間同士でも軋轢が生まれる業の深さが際立つ。

  • 女って怖いと感じてしまう本でした。
    いや、犯人は男性なんですが…。
    でも殺したのはエリカか。
    仲いいふりしてお互い腹で貶しあうっていうのは女。
    怖いと思いつつ、自分も同じなんだと思うと前者とは違うゾッとするものがあります。
    本編の合間に出てくる女子大生組の本音がもうドロドロしてて。
    しかも、諸悪の根源である知代果は何の制裁も受けずにのうのうと生きてますからねえ。
    因果応報とならないのもリアルだわ。
    良心の呵責感じてると思ったら次の合コンの話とかしだして反省の色なし。
    結はどうおもってたんだろう、この3人の事。
    それも気になる、恐れてるのかそれとも知代果と同類なのか。

    一方男性である薫には終始飢餓が感じられました。
    食べ物、愛情両方とも。
    父親も「あの家から逃げたのは私ですし」と言ってますが薫の回想で浮気の描写がありましたし、お前にも原因あるんちゃうんかいと毒づきたくなります。
    自己中心的で外見にこだわる傾向があるとしてもあんたが浮気してから狂ったように固執したんちゃうんかい。

    妖怪ものでしたが人間が中心になった珍しい小説でした。
    人間の醜さというものを書きながらも純粋さや素直さを持った人間も関われているので私は結構救われました。
    人間では脇坂君と事件の主要人物、妖人ではマメと青田がそれぞれ対比になってるんじゃないかなー。
    事件の主要人物は踏みとどまれなかったけど脇坂君はまっすぐでこういうことになる前に踏みとどまれる気がする。

  • 表紙・設定買い。人間とは異なる妖人への、人間の対応。得体のしれない物・異質なもの・理解の範疇を超えているもの等々に対する圧倒的な恐怖、そこから差別・いじめや区別が生まれるのも同じなんだな、という怖さ、異質だと区別された側の憤り、女同士の怖さ・・・それよりも何よりも自分は平凡で普通で寧ろ友人思いでいい子…等と思っている一番厄介で手におえない者への恐怖。本当の犯人も勿論怖いけれど、これが一番恐かった。昔から、そこら辺に普通に存在している人間こそが一番怖いということか。人間だって妖人だって善人の時も悪人の時もある、何がキッカケでどちらに転ぶかはわからない。ここでも表立って事件を起こしたのは全て人間(陽動した妖人はいたけど)。犠牲になったのは人間を助けた妖人・・・座敷童のところは暫く涙が止まりませんでした。眼が重いです。※深夜アニメ化したら…怖いかな^_^;

全133件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

東京都出身。おもにライトノベルにて活躍する気鋭。代表作は「カブキブ!」シリーズ、「魚住くん」シリーズ(角川文庫)、「妖き庵夜話」シリーズ(角川ホラー文庫)、「宮廷神官物語」シリーズ(角川書店ビーンズ文庫)など。榎田尤利名義でも著書多数。

「2023年 『妖奇庵夜話 千の波 万の波』 で使われていた紹介文から引用しています。」

榎田ユウリの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×