握る男 (角川文庫)

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著者 : 原宏一
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年3月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041023105

作品紹介

両国の鮨店「つかさ鮨」の敷居をまたいだ小柄な少年。抜群の「握り」の才を持つ彼、徳武光一郎には、稀代の策略家という別の顔が。先輩弟子の金森は、彼の夢に惹かれ、全てを賭けることを決意するが……。

握る男 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 時代は昭和56年。舞台は東京 両国の鮨屋。主役はその鮨屋に見習いに入った22歳の不器用な金森と16歳にして悪魔的頭脳を持つ通称ゲソのふたり。

    野心と策略の成否は「忠実に任務を実行するパートナーが不可欠」と知悉しているゲソは金森に接近を図る。金森の窮地を幾度となく救い、兄弟子弟弟子の関係は完全に逆転し、手なづけされてしまう。そう、ゲソの人心掌握術は「キンタマを握る=弱みを突く」こと。手下となった金森はゲソの張り巡らした智謀・策略のシナリオに抗いながらも稀代の策略家の放射する熱に惹かれ、ゲソに全てを賭ける。世話になった鮨屋の乗っ取りに始まり、黒い手法で外食チェーンを次々と吸収合併し、やがて食の一大帝国を築くに至る…。

    男同士の歪んだ絆物語でありながら人脈構築・起業・広報・販促のビジネス書の要素に振る舞いや所作論についての考察も一読の価値ある痛快悪漢小説。

  • 冒頭が気になって最後まで一気に読んでしまった感じ。
    ずーっと心の中で「なぜ?」という疑問を持ちながら読んでいました。上手いなあ。

    登場人物に対しては理解に苦しむところもあったけど、面白かったです。
    濃度の濃い小説でした。
    最後に原点に、冒頭に戻ったときはちょっとジーンとしてしまいました…

  • 何を握るのか⁉ いやぁー、面白かった。
    本の帯に、全ての働く男女に読んで欲しい、と。僕もそう思います。
    ゲソみたいなタイプは好きじゃないので最初は嫌な感じで読んでたんだけど、どんどん引き込まれてしまい、最後の最後は少し泣けた。
    この本を手にするとき全く意識してなかったんだけど、この作者は床下仙人書いた人だった。あれも変わってたけどこれも変わってる。
    面白かったです。お薦めします。

  • これは面白かった。ゲソという金森という2人の男の立身出世から凋落までをドラマチックに描いてある。決してスマートじゃないやり方で相手の弱みを握りながら人身掌握し、成り上がっていくゲソの人生にハラハラドキドキしながら読み進めめられた。寿司の握り方や食に関する薀蓄、飲食チェーンの経営のやり方などがリアルにかかれていてよかった。
    ただ、独裁者は孤独で宗教的なものに傾注していかざるを得ない悲しさ。社長って大変だなと改めて思った。

  • 如何に人の弱みを上手く握り、自分の思うように動かすか。ただ、その先に待ち受ける、人を信じられなくなる状態も描かれている。どのように自分に取り入れるかは、それぞれの人が考える必要があるだろう。

  • 鮨を握る、権力を握る、キンタマを握る。あらゆる手を使いながらのしあがっていくひとりの鮨職人ゲソに評伝風小説。参考文献にダイエーの中内氏なども登場するが、何か近いところもあるのだろうが、手段を選ばずのしあがるゲソだが、中にはビジネスの指南書的に読めるところもある。ラストにも意外な種明かしがあり、尻すぼみでは終わらない力作。

  • ちょうど読書ストックが切れてしまい、今日は電車で何読もうと家の本棚を覗いたらたまたま置いてあったから読んだ本。たまたま手に取ったにしてはしては、当たりでラッキーだった。
    暗いサクセスストーリー。普通に満足できるくらい面白かった。

  • 16歳の寿司職人見習いがどのように日本の食産業を牛耳るようになったのか?
    どの業界も人とのつながりは重要でどうかかわっていくかで浮沈が決まる。相手よりいかに有利な立場に立つか?それは相手の弱みを握ること。「相手のキンタマを握る」。
    誰もがピンチと思うようなことをチャンスと捉え、えげつないやり方でどんどんと上り詰めていく。その過程は読んでいて非常におもしろかった。
    最後は、どこまで上り詰めるのだろう?と疑問に思いながら読み進める。

    人と同じ事をしていてもダメ。だからといって、非道に走るのはどうなんだろう。それではたして幸せなんだろうか?

  • 老舗の寿司屋に弟子入りしたカネさんとゲソの成り上がり物語。

    タイトルと設定から、握るとは寿司を握ることかと思いきや、
    人のキンタマ、つまりキモ、つまり大事なところや弱みを握るということだった。

    昭和後期から約30年間を、あらゆる手段を使って成り上がるゲソと、ゲソのやり方に疑問を抱きつつも側で支え続けるカネさんが、全国制覇を目標に駆け抜ける。

    最後に元の寿司屋を訪れるカネさんのシーンはグッとくるものがある。

    何のために働くのか。
    かぞくのため?
    かいしゃのため?
    しゃかいのため?
    じぶんのため?
    やぼうのため?

    成り上がったゲソの顚末は、、、、、


  • 人たらしで人の弱みを「握る」ことに長けたゲソ。老舗鮨店の小僧として働き始めた金森は彼の兄弟子だったはずが、彼の野望に巻き込まれ、昭和から平成の時代を側近として駆け抜けた。ゲソの成り上り理論には肯ける面もあるが、あざといやり口は、泳ぎを止めてしまうと死んでしまう鮫のように破滅へと突き進むしかなかったのか。日本の飲食を牛耳るようになった会社の雰囲気は、まさにナチスのようだった。登場人物と同世代なので、時代背景が鮮やかによみがえったこともあり、物語の先が気になって集中して読んだ作品だった。

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