- Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041023112
感想・レビュー・書評
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映画の原作ということで手にとってみた。
良質な時代劇を見たような読後感である。清く正しく生きることは難しいけれど、誠実に生きていればきっといつかは報われる。だから自分が大切だと思う人には誠実であれと言っている。
江戸時代のとある藩に起こった政争に、若い頃、同じ道場で切磋琢磨しあった武士仲間4人が巻き込まれてしまう。
友情が時に悲劇をもたらしたが、友を大事に思えばこそ、残されたものは、その友の分まで懸命に生きる。
散る椿は、残る椿があれば、未来を信じ散っていくことができるのであろう。
図書館スタッフ(東生駒):ミラベル・ジャム
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帝塚山大学図書館OPAC
https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/861559詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人が人を想うことの深さに打たれ、しかし想いは必ずしも素直に伝わるとは限らない…
人の世の哀しさ虚しさ、そしてだからこそ美しい、そんなことを感じた。
映画化楽しみです -
内容(「BOOK」データベースより)
かつて一刀流道場の四天王と謳われた勘定方の瓜生新兵衛は、上役の不正を訴え藩を追われた。18年後、妻・篠と死に別れて帰藩した新兵衛が目の当たりにしたのは、藩主代替わりに伴う側用人と家老の対立と藩内に隠された秘密だった。散る椿は、残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるもの―たとえこの世を去ろうとも、ひとの想いは深く生き続ける。秘めた想いを胸に、誠実に生きようと葛藤する人々を描いた感動長編!
平成29年5月24日~30日 -
ところどごろでグッと
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世評は高い作品ですが駄目でした。
ストーリーが粗く、ガチャガチャした印象があります。
ちょっとしたミステリー仕立てですが、単に事実の露呈を遅くしただけで、かえって話を混乱させているだけのようです。逆に細部の書き込みが足らず、登場人物の心の動きが読めません。
葉室さんはもっと力のある作家さんです。この作品が発行された2012年には6作品が発刊されてます。一気に流行作家になり大量の作品を要求され、十分に練った作品が書けなかったのかなと思います。 -
7月-1。4.0点。
体の弱い妻が、病死した主人公。
抜けた藩に戻り、亡き妻の希望を叶えようとする。
政争に巻き込まれ、数々のトラブルが。
面白かった。甥の成長物語でもある。
死んだ妻の、主人公を動かすための考えに
感動。 -
切なさというものか。
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新兵衛、采女、三右衛門、源之進の織りなす銀漢の賦のような友情物語。もともと当たりはずれの少ない作家だがこういうのを書かせるとこの人はうまい。扇野藩という架空の藩のシリーズ。若き日に切磋琢磨した仲間が藩の騒動に巻き込まれ運命に翻弄されてゆく。誠実に生きたい、ただそれだけのことがどんなに難しいことか。そこにちょっと頼りない藤吾の成長していく姿が重ねられて物語に深みをあたえている。全体を貫くモチーフは、早世した篠をめぐる周囲の人々の思いなのだが、少しそれが過剰に出すぎているのが瑕瑾か。まあ物語全体の魅力からすれば些細なことではある。
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お家騒動、剣豪、中年の恋など、藤沢周平そっくりの時代ものと思いつつ読み進めると、すっかりだまされた。
加筆ではなく、省くと良さそう。謎解きしすぎ。
映画化するにしても、配役が難しい。 -
L
当作家作品はいくつか読んだが、これまでの中では1番響いた。これこそ映画化されそうな勢い。
死んだ妻を想う夫、妻が想った破談の相手、その他親友やら身内やら、様々な立場の人の想いが詰まっている。新兵衛が好漢なのがにくい。これで終わりなのが勿体無いくらいだ。 -
いじらしくて、じれったいですねえ。しかし、新兵衛さんの気持ちは報われて良かった。
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ちょっとずつちょっとずつ読み進めていたお話。
なぜか時間がかかりました。
この人たちの生きる世界に、そっと足を踏み入れるように読んでいたような気が…。
多くの人が相手の気持ちを慮り生きていく様がとても切なく痛々しく、そして羨ましく。
生き死にの世界でもあるけれど、その奥深いところにある気持ちのあり方が、読んでいてたまらなく羨ましいと思った。
男と女、男と男、親と子、家族、親族、上司と部下、師弟…たくさんの繋がりそれぞれに想いがあった。
…自分の日々にこんな気持ちはあるのだろうか。 -
葉室さんの時代小説.妻の遺言に込められた真意に胸を打つ.でも妻の視点は余計だったように思う.主人公が妻の心境に想いを馳せるところまでに留め,本当はどう思っていたのだろうかと想像するところが醍醐味.最後まで詳らかに語ってしまうのは少し野暮ったく感じた.
以下あらすじ(巻末より)
かつて一刀流道場の四天王と謳われた勘定方の瓜生新兵衛は、上役の不正を訴え藩を追われた。18年後、妻・篠と死に別れて帰藩した新兵衛が目の当たりにしたのは、藩主代替わりに伴う側用人と家老の対立と藩内に隠された秘密だった。散る椿は、残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるもの―たとえこの世を去ろうとも、ひとの想いは深く生き続ける。秘めた想いを胸に、誠実に生きようと葛藤する人々を描いた感動長編! -
藤吾の成長が見えてホッとした。そして、里美の為にも藩の為にも新兵衛には帰ってきて欲しいと思う。
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伝わる事の無いかもしれない「想い」を、それでもいいと命をかけて守る・・・
家族の為に、友の為に、好き人の為に、世の為に。
分かりやすい愛も大切なのだと思うけれど、本当の愛は人に簡単に解ってもらえないのかもしれない。
だからこそ、それを知った時、愛は深く輝いて美しい。
重い、想いの話。 -
12、32 2015/1/17
感動しながら読んでたら、前にも読んでいた。