- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041071182
感想・レビュー・書評
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鹿の王のヴァンのその後が気になるところですが、この作品はスピンオフといった内容でした
ホッサルとミラル、医療に関わる話が中心です
そこへ権力争いが絡んで・・・
とてみ読みやすく面白かったのですが、物足りなさも感じました詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作者のすごいところは、全く架空の世界の出来事を紡ぎながら、各民族や国の歴史も含めた背景設定を緻密に行うことで、物語に圧倒的な深みや説得力を持たせていることだ。
本書では作者はさらに、医療の本質とは何か、安らかに死ぬとはどういうことか、という現代社会にも通じるテーマにも触れる。
解答が示されるわけではないが、それぞれの登場人物の選択に読者一人一人の考えを重ねればよいのだろう。 -
ミラルの心根がというところと、水底の橋というタイトル、良いですね。
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大好きな上橋菜穂子作品 鹿の王→獣の奏者→守り人シリーズ と上橋作品の世界は本当にすごい!!
そして 久々見ていたら 鹿の王に続編が出ていた!!
前回の中心人物のヴァンもユナも出てこないが、もう一人の主人公だった
オタワル王国の末裔の医術師 ホッサルと助手で恋人のミラルが 東乎瑠帝国の後継者争いの陰謀に巻き込まれていく
これが文庫になったのが おりしもコロナ禍の真っただ中
前作の「黒狼熱」を扱った作品はパンデミックの脅威が ありありと表現されていた。
今回文庫版のあとがきに 筆者本人が読み返してみて 登場する医術師である安房那候のことばに驚いていた
「何をしようと 我らの拙い努力をあざ笑うかのように、病が千変万化して、人を苦しめ、死に至らしめていく様を、それをただただ見守るしかない虚しさを知っている」
作品を書いたのは新型コロナなど噂にもなかった頃
作者も「人から人へ感染する感染症」は書きたくなかった。と書いています。
人との触れ合いが 大切な人を殺してしまう行為になる・・・・
本当に現実に起きているだけに つらい。
単行本で読むよりも ぜひ このあとがきを目指して 文庫本版をお勧めしたいです。 -
2019年3月角川書店刊。書下ろし。本編のホッサルねたでは、あまり良い思いをしなかった記憶があるのだが、この話は、面白い。医療、医術で、ここまでの世界構築ができるとは、思いもしなかった。上橋さんのファンタジー世界に拍手。
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【いちぶん】
こんな血筋に生まれなければ、とうに義父となっていたであろう人の脇で、ホッサルは、声を押し殺して、泣いた。
(p.225) -
作品紹介・あらすじ
なにより大切にせねばならぬ人の命。
その命を守る治療ができぬよう
政治という手が私を縛るのであれば、
私は政治と戦わねばなりません。
黒狼熱大流行の危機が去り、
東乎瑠帝国では、次期皇帝争いが勃発。
様々な思惑が密かに蠢きはじめているとは知らず
オタワルの天才医術師ホッサルは、祭司医・真那の招きに応じて、
恋人ミラルとともに清心教医術の発祥の地・阿房那領へと向かう。
ホッサルはそこで、清心教医術に秘められた驚くべき歴史を知るが、
思いがけぬ成り行きで、次期皇帝争いに巻き込まれていき!?
異なる医術の対立を軸に
人の命と医療の在り方を問う意欲作!
前作で最大の感情移入先のヴァンとユナが全く出てこないという所で大びっくりでした。
でも前作で踏襲した医療ドラマとしての冴えは健在で大変興味深く読みました。
前作でテンションダダ上がりだったのですが、本作は精神が沈静化したたまま読み終わってしまいました。
今度はヴァンとユナの話を読みたいな。 -
この世界の医術、オタワルの 清心教の 花部流の 土地と社会から生まれた治療法がそれぞれに伝わる。ホッサルとミラルの行く道を楽しみにしよう。
私の世界には西洋医学に東洋医学等があり、地域や家庭に伝わる治療法もあるだろう。(唾つけときゃなおる/痛いの痛いの飛んでけー)
病を診、人を看、社会を見る。医療に携わる人には広い視野を持つ事が大事なんだなぁと思う。 -
凄くいい読了感。
上橋さんの本は難しくて理解が及んでないところも多くあるのだろうといつも思うけれど、ここにこの言葉を持ってくるかとかこういう展開にするのかとか、話が収まりかけたあとの二転三転のドキドキ感とか、本当にすごい方だなあと思う。
本編のあとに、これを読めてよかった。