- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041096789
作品紹介・あらすじ
町おこしのキーアイテムは「コルセット」!? 不憫すぎる少年と偏屈な老テーラー、スチームパンク少女が凝り固まった田舎町に革命を起こす! 疲れたあなたに元気を注入する、 とっておきエナジー小説。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
クセ強キャラの博覧会(^ ^;
出てくる奴全員、ものすごくキャラが濃い(^ ^; 常識的な人間はほんの少し、しかも「融通の利かない役所の堅物」みたいな「敵キャラ」としてしか出てこない(^ ^; 最初の内は、正直濃ゆいキャラの連続にお腹いっぱい感があるが、徐々に「常識に縛られず」行動する主人公たちに引き込まれ、自分たちの「常識」「日常」に疑問を持つように(^ ^;
常識なんてのは、「なるべく多くの人間が、ぶつかり合わずに楽に生きるために生まれた「尺度」でしかない。端から「大多数」に入っていない人間には縁が無いし、そういう連中は「ぶつかり合いながら」自分の道を切り開いて行くしかない(^ ^; そしてそんな「常識の埒外にいるクセ強連中」も、自分たちなりに苦悩し、工夫し、苦労しながら生きていることに気づくと、たまらなく愛おしく見えてくる(^ ^
人は、他人と関わらずに生きていくことはできない。だとしたら、無理繰り「常識」に合わせて縮こまって生きるより、ぶつかり合いを恐れずに関係性を築いていった方が良い。そんな風に思わせてくれる一冊(^ ^
Ah 私たちはきっと名前もない原石で
ぶつかり合って初めて磨かれるの
...と、リトグリも歌っていたし(^ ^
花火とアドバルーンにこだわる伊三郎が良い(^ ^ 母が帰ってきたときに「カレーの気分」と伝えるアクアも良い(^ ^ 明日香と共に時計のネジを巻くシーンが、また良い(^ ^
惜しむらくは、最後の最後で、紙数が足りなくなったか、やや「焦った」印象を受けたが... 全体として、とても楽しく読め、勇気づけられる一冊(^ ^ 若い人、読め!!(^o^ -
文芸カドカワ2016年12月号〜2017年3月号掲載のものに加筆修正し、2017年12月KADOKAWAからテーラー伊三郎として刊行。2020年10月改題して、角川文庫化。コルセットを世に出すために奮闘する老人と高校生男女二人が起こす奇蹟のようなストーリー。川瀬さんの話には、ヲタクというか、その道まっしぐらというようなユニークな人達が登場して活躍することが多いですが、今回もその路線で、とても楽しめました。服飾ものというのも興味深く、楽しかったです。お話の中のデザイン、コーデを見てみたいです。
-
一番はじめに読んだ川瀬作品がこれだった。
-
伊三郎がとてもカッコいい!
爺ちゃん婆ちゃんがパワフルでよい。 -
楽しい!
-
改題したのね…
再読だけど楽しめた。 -
川瀬さんの本が好きでわりといろいろ読んでいる。その中でこの本はわりと若い人に読んで欲しいなーというエンタメ小説だと思う、思うんだけど、大人にも刺さるんだよなーというかんじ。
高校生も、80歳を超えたお年寄りも、登場人物の熱量の高さに目頭が熱くなってしまう。特にお年寄りたちはみな、腕は一流の職人さんだったりその道を極めた人ばかりで、だけど寂れゆくステレオタイプな商店街のようすに何かを諦めてしまった人たちばかり。そんな人たちが1人の紳士服テーラーが作った一流のコルセットをきっかけにまた情熱を燃やしていく、瞳を輝かせながら自分の技量を遺憾なく発揮して。そんなの読んでて気持ちよくないわけないじゃん!
誰しも大人になる過程で色々諦めてきたことがあると思うけど、一度「これまでの人生」で諦めた経験のあるお年寄りが奮起する様は本当に痛快!そしてそれと対照的に、「これからの人生」を悲観していた高校生の主人公が未来に希望を見出していくのもとてもよい!
悪役として登場する頭の固い人たちも、それはそれで言っていることは分かるんだよな、と思えるところもよかった。色々な意味で元気になれるし、人生に希望を持てるお話。
ごちゃごちゃ言ってみたけど、この物語を読んでいる時に何度も自分の中にも、こう、胸が熱くなって湧き上がるものがあって。自分もこんなふうに何かに興奮して、感動して、一生懸命になりたいってそわそわした!!登場人物の興奮が伝わってきて、ワクワクした!!それが一番大切な部分かな!