- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041096789
作品紹介・あらすじ
「自分の人生は、自分以外のだれにもゆだねるな」
今日チャレンジできなかったあのことに、明日チャレンジする勇気をくれるビタミン小説が登場!
福島の古びた商店街の仕立て屋に、突如女性用のきらびやかなコルセットが飾られた!
華美な女性下着を堂々と晒すその大胆な行為に、田舎町は大騒ぎになる。
だが、人生諦め系男子高校生・アクアは違った。彼は、幼いころから官能漫画家の母親の仕事を手伝っていた影響で、美しい服飾品やインテリアが大好きだったのだ。
コルセットの美しさに心奪われた彼は、騒ぎを企てた偏屈な老テーラー・伊三郎と意気投合。どうやら伊三郎は「コルセット」を使って、町を揺るがす大革命を仕掛けるつもりらしい。
ご近所さんのスチームパンク娘・明日香も巻き込んで、尖りまくった3人組がそれぞれの夢のため、田舎町を疾走する!
人間いろいろ、それゆえ世界は面白し!
圧倒的熱量の注目作が誕生しちゃいました!
単行本『テーラー伊三郎』改題。
感想・レビュー・書評
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クセ強キャラの博覧会(^ ^;
出てくる奴全員、ものすごくキャラが濃い(^ ^; 常識的な人間はほんの少し、しかも「融通の利かない役所の堅物」みたいな「敵キャラ」としてしか出てこない(^ ^; 最初の内は、正直濃ゆいキャラの連続にお腹いっぱい感があるが、徐々に「常識に縛られず」行動する主人公たちに引き込まれ、自分たちの「常識」「日常」に疑問を持つように(^ ^;
常識なんてのは、「なるべく多くの人間が、ぶつかり合わずに楽に生きるために生まれた「尺度」でしかない。端から「大多数」に入っていない人間には縁が無いし、そういう連中は「ぶつかり合いながら」自分の道を切り開いて行くしかない(^ ^; そしてそんな「常識の埒外にいるクセ強連中」も、自分たちなりに苦悩し、工夫し、苦労しながら生きていることに気づくと、たまらなく愛おしく見えてくる(^ ^
人は、他人と関わらずに生きていくことはできない。だとしたら、無理繰り「常識」に合わせて縮こまって生きるより、ぶつかり合いを恐れずに関係性を築いていった方が良い。そんな風に思わせてくれる一冊(^ ^
Ah 私たちはきっと名前もない原石で
ぶつかり合って初めて磨かれるの
...と、リトグリも歌っていたし(^ ^
花火とアドバルーンにこだわる伊三郎が良い(^ ^ 母が帰ってきたときに「カレーの気分」と伝えるアクアも良い(^ ^ 明日香と共に時計のネジを巻くシーンが、また良い(^ ^
惜しむらくは、最後の最後で、紙数が足りなくなったか、やや「焦った」印象を受けたが... 全体として、とても楽しく読め、勇気づけられる一冊(^ ^ 若い人、読め!!(^o^ -
文芸カドカワ2016年12月号〜2017年3月号掲載のものに加筆修正し、2017年12月KADOKAWAからテーラー伊三郎として刊行。2020年10月改題して、角川文庫化。コルセットを世に出すために奮闘する老人と高校生男女二人が起こす奇蹟のようなストーリー。川瀬さんの話には、ヲタクというか、その道まっしぐらというようなユニークな人達が登場して活躍することが多いですが、今回もその路線で、とても楽しめました。服飾ものというのも興味深く、楽しかったです。お話の中のデザイン、コーデを見てみたいです。
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福島で母と暮らす男子高生が紳士服仕立て屋「テーラー伊三郎」のウィンドウに現われた美しいコルセットに心奪われたことから始まる色鮮やかな“革命”。「自分の人生は、自分以外のだれにもゆだねるな」など、登場するシニア世代の方たちの言葉が色々と刺さる。他の登場人物も生き生きとしていて読んでいて楽しかった。
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一番はじめに読んだ川瀬作品がこれだった。
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伊三郎がとてもカッコいい!
爺ちゃん婆ちゃんがパワフルでよい。 -
楽しい!
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改題したのね…
再読だけど楽しめた。