美しく怒れ (角川oneテーマ21)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 323
感想 : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100240

作品紹介・あらすじ

怒らないのは堕落である!「人間」を凝視する、岡本太郎の日本論。

感想・レビュー・書評

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  • 改めて読みました。
    岡本太郎さんの怒るポイントは一貫しています。

    とてもいいなぁと思います。

  • 太陽の塔の内部が公開されたことを
    キッカケに読んでみた。
    とても純粋な人だったのだと思う。
    「怒られる」と見たら「おこられる」と
    読むのが一般的だろうが、
    この作品では「いかられる」という体験を
    することができるような気がした。
    純粋に本能的に衝動的に爆発的に生きることが美しいと
    言ってくれているように感じた。

  • 図書館で借りた。
    昨年末から年またぎで読んだ本。
    年末から読んで良かった。
    ただ、いろんな雑誌に掲載したコラムを寄せ集めているため、時代がいろいろだし、テーマもあちこちに飛ぶという言う印象。
    テーマは章ごとにまとめてはいるけど、太郎さんのエッセイには必要無いのかも。

    再読
    前回星なしなのか評価し忘れか。今回星4つで。

    2019年5月10日読了。図書館で借りた。
    一度読んでいたとは。ブクログしてなかったらわからなかった。
    太郎さんの本を読み漁っていた時期があったから‥。

    今読むと、いろいろとここに線引きたい! という箇所がたくさん。人は変わるものだとつくづく思いしらされた。
    特に後半に色々と。

  • 岡本太郎らしい一冊だが、岡本太郎的なエッセンスは「毒を持て」「盾をつけ」「孤独を抱け」の3部作の方が綺麗に纏まっていて網羅性もある。

  • 岡本太郎が当時 憤っていたことは、今も全く改善されちゃいないって感じたなあ、、でもまあ人間だから 仕方ないのかも、、、だからこそ、この人の考え方は、今も持ち続けて美しく怒っていかないとな、、

  • vol.198 欺瞞を見抜くために必要な眼とは?「肩書きは人間」と言い張った巨人の言葉。http://www.shirayu.com/letter/2013/000400.html

  • 決して古くない、今の時代に必要な良書。

  • 芸術は爆発だ、で有名な岡本太郎の内面が知りたくて読んだ。
    怒りこそ人間社会を作るエネルギーになる、というのが彼の主張である。
    彼の内面描写は理想主義であり、反現代社会を感じさせる。
    例えば改札は人間を信用していないからなくせ、俺は通りたくないという。なぜ改札をするのかと言う。彼のように考える人がいるから改札があるのだ。お金などはらわずに乗りたいと考える人がいるから改札があるのだ、鉄道会社にも人や機械でコストがかる。自分が芸術作品を依頼されたら彼はお金をもらわないというのか?矛盾にあふれた理想を描くのである。
    そして現代社会の否定である。彼は日本らしさを愛しているらしい。縄文文化にそれが現れているという。しかし彼が嫌う現代社会も結局は日本文化なのである。過去の先人たちが試行錯誤して作り上げた文化なのである。彼の主張は日本文化の名を借りた、自分が気に入らないものの否定にすぎない。
    もちろん彼の主張は矛盾ばかりだ。だけど彼にとってはその主張が正しいかどうかは問題ない。
    彼が目指す理想と現実にギャップがあり、それをなんとかしたいという想いこそが作品を生み出すエネルギーとなり、岡本太郎という芸術家を作っている。それでいいのだとも思う。

  • 「芸術は爆発だ」や太陽の塔で有名な芸術家、岡本太郎の著作だ。これは、彼の行動原理とも言える、憤りについて述べた本だ。憤りは、世界をこの眼で見抜きたいという情熱が激しく噴出するときに、生まれるという。彼が怒る対象は様々だ。現代の日本人あり方、青春時代のあり方、子供への向き合い方、人生への向き合い方。誰しも経験する日常的な経験に存在する矛盾を、鋭い感性で嗅ぎ取り、言語化する。美しさという真理を求め続ける芸術家だからこそ見える、新しい日常のあり方が提起されている。

    この本で言われている骨子は、日本人は自分の人生を生きていない、ということだ。言いたいことを言わない。危険を避ける。年寄りは青春時代をやっかみ、若者は青春を手放す。子供と向き合おうとしない。型にはめることで大人びた子供を作ろうとする。人生に対して無条件、無目的的になにかをかけようという意志がない。日本社会で個人の色を出して生きようとするのは難しい。何かしらのぶつかりや束縛がある。時には自分を殺して、規則に従わないといけないこともある。しかし、それでもいいんだと開き直るのが岡本太郎の生き方だ。それに従いつつも服従はしない。目の前にあることを通りすぎず、怒る。その日常の怒りを普遍的な思想にまでつなげる。そして、笑う。それが自分を開くということなのだろう。怒ると美しさは矛盾しないのだ。

    ところで、岡本太郎の青山にあるアトリエで、梵鐘をならした。ぶわわーんという、悲しげであるともに生きる喜びを感じさせる、生命の震えといも言える音だった。女の子が二人庭にいた。音ならしていいんだ、と驚いていた。鐘はならすためにあるんだろうと、当然のように思った。人に言われないと気がつかないなんて、生きることに対して怠惰だ。ただ、自身の普段の生活で、このように衝動に身を任せ命の音を鳴らせているかと問われれば、不明だ。踏み出すのは怖い。その怖さがベールをし、踏み出せることすら気がつかないことも多々だ。しかし、人生には純粋な心を持ってことにあたれる瞬間もあるわけだ。鐘を鳴らしたらどんな音が鳴るのだろうか?という衝動があり、鳴らした音の響きに感動する。自分を投げ出し、情熱を噴出させる。この鐘の音を鳴らすように、常に生きていければいい。

  • 今一番の愛読書。自分の心の中でいやったらしい考えが浮かんだ時に読んだら目が覚める。彼のような生き方をすることは、確かにこの現代社会では困難だ。しかし、この本を読むか読まないかで、人としての根っこの部分はかなり変わってくるだろう。

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著者プロフィール

岡本太郎(おかもと・たろう)
1911~1996年。1929年に渡仏し、『アプストラクシオン・クレアシオン(抽象・創造)協会』に参加するなど、30年代のパリで前衛芸術運動に参画。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと行動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。50年代後半には日本各地を取材し、数多くの写真と論考を残した。70年大阪万博のテーマプロデューサーに就任。太陽の塔を制作し、国民的存在になる。96年に没した後も、若い世代に大きな影響を与え続けている。『今日の芸術』『日本の伝統』(光文社)、『沖縄文化論』(中央公論社)、『美の呪力』『青春ピカソ』(新潮社)ほか著書多数。

「2023年 『誰だって芸術家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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