美しく怒れ (角川oneテーマ21)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100240

作品紹介・あらすじ

怒らないのは堕落である!「人間」を凝視する、岡本太郎の日本論。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りた。
    昨年末から年またぎで読んだ本。
    年末から読んで良かった。
    ただ、いろんな雑誌に掲載したコラムを寄せ集めているため、時代がいろいろだし、テーマもあちこちに飛ぶという言う印象。
    テーマは章ごとにまとめてはいるけど、太郎さんのエッセイには必要無いのかも。

  • 決して古くない、今の時代に必要な良書。

  • 芸術は爆発だ、で有名な岡本太郎の内面が知りたくて読んだ。
    怒りこそ人間社会を作るエネルギーになる、というのが彼の主張である。
    彼の内面描写は理想主義であり、反現代社会を感じさせる。
    例えば改札は人間を信用していないからなくせ、俺は通りたくないという。なぜ改札をするのかと言う。彼のように考える人がいるから改札があるのだ。お金などはらわずに乗りたいと考える人がいるから改札があるのだ、鉄道会社にも人や機械でコストがかる。自分が芸術作品を依頼されたら彼はお金をもらわないというのか?矛盾にあふれた理想を描くのである。
    そして現代社会の否定である。彼は日本らしさを愛しているらしい。縄文文化にそれが現れているという。しかし彼が嫌う現代社会も結局は日本文化なのである。過去の先人たちが試行錯誤して作り上げた文化なのである。彼の主張は日本文化の名を借りた、自分が気に入らないものの否定にすぎない。
    もちろん彼の主張は矛盾ばかりだ。だけど彼にとってはその主張が正しいかどうかは問題ない。
    彼が目指す理想と現実にギャップがあり、それをなんとかしたいという想いこそが作品を生み出すエネルギーとなり、岡本太郎という芸術家を作っている。それでいいのだとも思う。

  • 「芸術は爆発だ」や太陽の塔で有名な芸術家、岡本太郎の著作だ。これは、彼の行動原理とも言える、憤りについて述べた本だ。憤りは、世界をこの眼で見抜きたいという情熱が激しく噴出するときに、生まれるという。彼が怒る対象は様々だ。現代の日本人あり方、青春時代のあり方、子供への向き合い方、人生への向き合い方。誰しも経験する日常的な経験に存在する矛盾を、鋭い感性で嗅ぎ取り、言語化する。美しさという真理を求め続ける芸術家だからこそ見える、新しい日常のあり方が提起されている。

    この本で言われている骨子は、日本人は自分の人生を生きていない、ということだ。言いたいことを言わない。危険を避ける。年寄りは青春時代をやっかみ、若者は青春を手放す。子供と向き合おうとしない。型にはめることで大人びた子供を作ろうとする。人生に対して無条件、無目的的になにかをかけようという意志がない。日本社会で個人の色を出して生きようとするのは難しい。何かしらのぶつかりや束縛がある。時には自分を殺して、規則に従わないといけないこともある。しかし、それでもいいんだと開き直るのが岡本太郎の生き方だ。それに従いつつも服従はしない。目の前にあることを通りすぎず、怒る。その日常の怒りを普遍的な思想にまでつなげる。そして、笑う。それが自分を開くということなのだろう。怒ると美しさは矛盾しないのだ。

    ところで、岡本太郎の青山にあるアトリエで、梵鐘をならした。ぶわわーんという、悲しげであるともに生きる喜びを感じさせる、生命の震えといも言える音だった。女の子が二人庭にいた。音ならしていいんだ、と驚いていた。鐘はならすためにあるんだろうと、当然のように思った。人に言われないと気がつかないなんて、生きることに対して怠惰だ。ただ、自身の普段の生活で、このように衝動に身を任せ命の音を鳴らせているかと問われれば、不明だ。踏み出すのは怖い。その怖さがベールをし、踏み出せることすら気がつかないことも多々だ。しかし、人生には純粋な心を持ってことにあたれる瞬間もあるわけだ。鐘を鳴らしたらどんな音が鳴るのだろうか?という衝動があり、鳴らした音の響きに感動する。自分を投げ出し、情熱を噴出させる。この鐘の音を鳴らすように、常に生きていければいい。

  • 今一番の愛読書。自分の心の中でいやったらしい考えが浮かんだ時に読んだら目が覚める。彼のような生き方をすることは、確かにこの現代社会では困難だ。しかし、この本を読むか読まないかで、人としての根っこの部分はかなり変わってくるだろう。

  • 久々に岡本太郎著作を読んだ。太郎さんの言葉は凄く真っすぐだ。
    すごく感化されました。是非読んでみてください。

  • 生きること。人間であること。突き詰めると衝突や憤りを随所に感じるべき活動であると思う。

    その衝突や憤りを乗り越えるからこそ、乗り越えるときに莫大なエネルギーが生まれ、美しい。

    形式主義的、権威主義的な現代の無個性を痛烈に批判し、本能を目覚めさせる一冊。

  • 岡本太郎さんの本を読むのはこれが二回目。
    内容は『自分の中に毒を持て』と似ているように感じた
    現代社会と現代日本人の生き方に喝を入れるような内容になっている
    この本を読んで思ったのは岡本太郎さんは芸術家としてだけでなく、博学で、社会を見つめる“人”としてもスゴイ力を持っていると感じた。
    岡本太郎さんが職業(肩書きだったかな)は何ですか?と質問されて「人間です」と答えていて、私ははっきりと「人間です」と言えるほど日々を考えて、真剣に向き合っているのかと考えてしまった。

  • 岡本太郎の生き様、生き抜くことへの本能的な欲望に身震いした。弱気になったときに読み返したい一冊。パワーもらったわぁー。

  • 岡本太郎のことばをテーマごとにツギハギしたような本。
    小テーマごとにまとめられているような内容だったので、途中で話が終わっているような印象をうけた。
    そのために、ちょっと物足りない。
    引用元の本を読むしかないのかな。

    読んでいるうちに、岡本太郎の教養の深さや知性の高さが垣間見えた気がしました。
    知識教養を武器にしていないから、話を聞いていてとても素直になれる。


    私自身は、小学校からずっと、教師という人の在り方に疑問をもっていました。
    褒められているのに、裏になにかあるような感じがして、素直になれなかった。
    もちろん、うれしかったんだけど、作られたような感じがして、どうしても学校という環境に馴染めなかった。
    大人になってみると、そう感じた自分がひねくれていただけなんだと気付いたのですが・・・。
    ひねくれた自分でもいいのかなと思えて嬉しかったですね。

    今の日本人って、昔に比べて小さくなってしまったと思う。
    インターネットで世界中の人たちとつながれるようになった。
    でも、結果的に世界が狭くなってしまっているような・・・。
    傍観者として生きようとする人が増えてしまったんじゃないかなあって。
    岡本さんの現代人への眼は確かだと思います。

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プロフィール

芸術家。1911年生まれ。29年に渡仏し、30年代のパリで抽象芸術やシュルレアリスム運動に参加。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと活動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。70年大阪万博で太陽の塔を制作し、国民的存在になる。96年没。いまも若い世代に大きな影響を与え続けている。

「2017年 『自分の中に毒を持て<新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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