雪月花黙示録 (単行本)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.13
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本棚登録 : 850
感想 : 149
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041106709

感想・レビュー・書評

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  • 「夜の底は柔らかな幻」で「NARUTO」の世界に接近したと思ったら、今回は、見事に「ONEPIECE」の世界。小説界に、ジャンプ物というジャンルがあるのでしょうか? クール・ジャパンという現象が極端に進んだ世界を描いています。登場人物すべてが、マンガチックで思いっきりキラキラしています。登場人物のみなさんの活躍ぶりを追っかけていくだけでも十分に楽しめますが、次第に、この世界の成り立ちに関する謎がクローズアップされていくストーリーも楽しめました。

  • 2004年〜2008年 野生時代連載。2013年刊行。近未来もの。
    これが恩田陸かと思うようなライトノベル、ゲーム小説のよう。

    大和文化を信奉する「ミヤコ民」と物質文明に傾倒する「帝国主義者」に二分された近未来の日本。
    鎖国状態の「ミヤコ」の学園を統治する春日一族と日本を統一すべく第三の勢力「伝道者」。
    経済大国の残滓を引きずる「帝国主義」の代表がナゴヤで、ナゴヤ万博のテーマが頽廃と再生。
    高度なテクノロジーを内包しつつも環境負荷のかからない人間的な生活が送れるかどうか。
    テーマは興味深いのに、チャンバラ活劇に終わってしまったのが残念。著者自身はこの日本をどうしていきたいのだろうか。
    ちなみに、穏やかで優美な印象の「ミヤコ」では普通に刀剣を所持し使用しているのに対し、「帝国主義」では銃刀法により厳しく規制されているという設定がなんとも上手い。
    (図書館)

  • これはライトノベル?レッドデータガールみたいなもの?
    学園ファンタジー?
    結末もイマイチでちょっと残念。

  • 装丁がものすごく凝っていて、パラパラと中身を見ると、ファンタジー学園ものっぽい。恩田陸の美少女美青年がわんさか出る学園モノは好きなので期待。
    読了後、きた、こういう終わりかあ!恩田さんらしいといえばとても、らしい。
    色んな要素が詰め込まれた世界観、終始鮮やかな色彩場面、お腹いっぱいでした。私は作者の紡ぐ文章から立ち昇る、なんとも言えない雰囲気が大好きなのだけど、これは設定とアニメ的?映像的?な軽快さを意識しすぎてるのか、それが生きてないなと思った、そして台詞などにときどき違和感。でも、刀を手に戦う容姿端麗なキャラたちはかっこよく、ドタバタと進みながらも、勢いがあって読み切りました。個人的には説明的な前半よりも伏線無視でとりあえず事件が起きる後半が好き。ミッチー(笑)も好き。

  • えっとこれは…ミッチー…えっと、大丈夫なの?
    っていうのが最初の感想でした。

  • すっごい軽いタッチ。
    昔の恩田陸ならもっと面白かったのでは、と思ったり…

  • 日本の中の閉じられた世界「ミヤコ」
    剣と雅のミヤコでは、自治大臣と教育省の高官を兼ねる生徒会長選挙が行われる。
    絶対的な候補者・紫風に対して、改革派、帝国主義者が秘密裏に蠢く……

    恩田陸さんの新作、と思いきや2004年から2008年に野生時代に掲載された連載をまとめた作品。

    うーん、なんというかラノベですね。
    連作短編集なんですが、
    生徒会長は美青年。彼の隣には剣の腕が立つ美少女姉妹。
    軽薄なキャラクターは「及川道博」なんて名前ですし、巨大なホログラフィや爆発、怪物と安っぽい舞台装置で一話一話が消化不良な感じ。
    全編を通して、何かもっと大きなストーリーが見えてくるのかといえば、そういうわけでもなく最後までライトな感じで終わってしまいます。

    ラストの納め方までラノベらしいといえばそうなんですが、恩田陸さんが書かなくてもいいんじゃない? と思ってしまった時点で残念な気持ち。

  • これをラノベと言ったらラノベに失礼。2004年から2008年の5年に渡って連載され、連載終了後6年して単行本化されたことからも推測できるが、そんなレベルの書きものでした。

  • 文庫化してからでも、、と思ったけど
    装丁がよくて購入。
    内容は、あらー…久々の大肩すかし感(笑)
    でも、この幅が恩田陸。

  • 伝統回帰主義を掲げる「ミヤコ」と商業主義的な帝国主義者たちが対立している近未来の日本。
    ミヤコの学校の生徒会長選挙を控えたある日、選挙への妨害行為が相次いだ。
    そして第三勢力「伝道者」が宣戦布告し、三者入り乱れての攻防戦がはじまった。

    やっちまったなー感が強い読後感。

    和風なキラキラネームを持つ凄腕の美少女と美青年が袴姿で日本刀を振り回し、華麗でド派手な立ち回りを披露しながら敵を蹴散らす・・・という、既視感のあるベタな設定や演出。
    一昔前の少女漫画やラノベを読んでいるようで、痛々しいというか、いまいちノリきれなかった。

    縦ロールの髪型で常に背中にバラを背負っていたり、セーラー服姿で剣を片手に一刀両断、とか、登場人物たちのキャラ造形も派手でアニメっぽいんだが、内面に踏み込んだ描写はあまりなく、全体的に薄っぺらい感が否めない。

    ラストはいつものアレだし、内容はまあアレなのですが、特筆するとすれば、映画美術監督がわざわざデザインした装丁がすごくかっこいい。
    ちゃんと内容に沿ってデザインしたらしく、作品の世界観にぴったりで素晴らしい。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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