- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041304051
作品紹介・あらすじ
信州財界一の巨頭、犬神財閥の創始者犬神佐兵衛は、血で血を洗う葛藤を予期したかのような条件を課した遺言状を残して他界した。血の系譜をめぐるスリルとサスペンスにみちた長編推理。
感想・レビュー・書評
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尊敬するひまわりめろん師匠におすすめ頂き、速攻ポチった一冊。
きっと私以外の人はみなさんご存知なんだろうなぁ。。。
こんなに有名な作品なのに、私は一度も読んだこともなければ、一度も映像も見たことが無かった(⌒-⌒; )
数ヶ月前、ミステリという勿れの映画を観ていたが、犬神家という台詞があったのも頷ける。
なるほどこう言う設定だったのか!
映画のCMくらいは目にしたことがあり、白い不気味な仮面、水面に突き刺さる両足のイメージ。
絶対怖いよなぁ、、、となかなか読めずにいた作品だったが、やっと読むことが出来た(*^▽^*)
私の大好きな世界。
限られた範囲の中で、人が次から次へと死ぬヤツ。
バッタバッタ死ぬヤツ、最高でんがな!言うとりますさかいに(笑)
しかも殺され方が、菊、琴、斧と犬神家の家宝になぞらえていた。
こういうオマージュ最高じゃないですか!
色々ミステリを読み漁っているので、仮面は最初からめっちゃ疑ってかかっていたが、いやこっちがミスリードか??と疑いながら楽しく読ませて頂きました!
横溝先生、凄い語彙力だけどめっちゃ読みやすい!ひま師匠も天才だけど、横溝先生も天才だな!
またシリーズ絶対読むぞ!! -
ミステリーの金字塔!!
これが、かの有名な犬神家っ!!
流石です…♡⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝
有名な、湖に頭からさかさまに突っ込み、足が飛び出てるシーン、とうとう読みましたヽ(´▽`)ノ♡
これだけ有名だと知らぬ方が貴重で、憧れみたいなものがありました。
ようやく知ることができた!みたいな笑
古館法律事務所の若林豊一郎という弁護士に依頼され、金田一耕助は犬神家へと向かっていた。
事情を聞こうと宿で待ち合わせしていた若林が、死体となって発見される。
犬神財閥の佐兵衛が残した遺言が原因で起こる一族のお家騒動。
この遺言の内容が、ミステリーあるあるの酷い代物。
佐兵衛の恩人の孫である|珠世《たまよ》に、自分の孫3人の中から婿を取らぬと財産は受け取れないというもの。
長女の子、佐清《すけきよ》は、戦争で顔に酷い怪我を負ってしまい、やむなく仮面を付けているのですが、以前はとても美少年だったよう。
次女の子、佐武《すけたけ》は、小太りで偉そうな青年。
三女の子、佐智《すけとも》は、ほっそりしている、狡猾そうな青年。
ちなみに珠世はとても美人である。
こんなん、何も起きない方がおかしい。
犬神家は、信州の那須湖畔という、とても珍しい立地に建っている。
ボートに乗って往復するの、すごい。
頭の中で正解を想像できているのか不安なので、機会があったら映画を視聴したい。
殺人の方法にもきちんと意味を関連付け、アリバイやトリックとは別の視点から犯人を想定させる方法に痺れる。
そして、なんと言っても金田一シリーズの見どころの1つである、芸術とも言うべき死体。
生首でそそられ、逆立ちで強烈なインパクト。
流石です。
どの作品を読んでもおもしろい金田一シリーズ。
あと気になっている作品は『夜歩く』です。
書店で復刻表紙を見つけたら、即買いします(ღ*ˇ ˇ*)。o♡ -
再々再々…読。何回読んでも面白い。犯人が分かっていても一気読みできる。素晴らしい。
横溝正史は大好きな作家。
章の出だしの季節を伝えている文章だったりの導入の部分が、情景を思い浮かべられて、映画を見ているみたいに物語に入っていける。そこがいつも素晴らしいと思う。
松子のキャラクターは、最初に読んだ中学生の頃と今とでは、息子がいる分、より共感度が高く、切なさと格好良さを感じる。
腹の括れる強い女性に憧れている今日この頃である。 -
池から足だけ出てることで有名なスケキヨですが、わたしはなんとなくしか知りませんでした。初めて詳細を知ってとても面白かったです。
トリックというかWHYとWHOがとてもきれいでした。映像化されまくるのも納得です。 -
犬神財閥の創始者・佐兵衛の遺言状。それは遺産相続争いを生む火種だった。それを予期した弁護士事務所の若林は金田一耕助に協力を要請するも殺害されてしまう。見立て連続殺人の中で、一族の悲劇が紐解かれていく。
ぼくが初めて読んだ横溝正史作品。1950年の作品とは思えない読みやすさ。単語は少し難しいものがあるものの流れで意味を汲み取れる範囲。文章は情報が整理されていて、展開もサクサク進んでいく。人間関係がドロドロしてて読み辛いかなという不安は、読んでみると表現のドライな読み心地が良かった。金田一のキャラも効いてる。まあドロドロはすごくしてるけど(笑)
ミステリとしての仕掛けも丁寧。いわゆるトリックを暴く系のロジカルな作品というよりは、一族の心情が事件によってさらけ出されていく描写が巧み。誰かのためを思った行動がジレンマを呼び起こしていく連鎖に唸った。仮面を被っているのは佐清だけではない。一族すべてが本当の顔を隠している。仮面が剥がれ本音が明かされる時、事件もまた自然とほどけていく。
それにしても佐兵衛が諸悪の根源すぎる。一族が屈折するのもやむなしという感じだし、本人は筋を通したつもりだろうが巻き込まれた人たちもいい迷惑。最後が「大団円」ってあるんだけど、イイハナシカナー?ってなる。納得できない一族の人いるよなあ。ひと悶着ありそうだけど、孫の代からは血統の呪いから解き放たれて幸せになってほしいね。
余談だけど、『ファミコン探偵俱楽部 消えた後継者』はこの作品からかなり影響を受けて制作されていて、比較してみると面白い。ファミコン時代ながら謎解きもドラマも魅せてくれる作品になっているのでそちらもお薦め(5月にはリメイク版が発売予定)。 -
とにかく、莫大な遺産と地位に対しての執着が恐ろしすぎて怖い。松子、竹子、梅子の三姉妹にしろ、その子供達にしろ、いつもこの手の遺産相続が絡んだ本を読むと思うんだけど、自分で稼ごうという気は起きないのか。
それはさておき、最初の導入から雰囲気に引き込まれて夢中で読んだ。珠世の旦那候補の3人、あの状況では選べなそう。究極の選択。
でも…なんだか金田一耕助さん、振り回されてる感があって、そんなに名探偵っていう感じはしなかった。結局目の前で起こる連続殺人が止めれず、最後の最後に真相を知るっていう。。 -
映画では何度か観ているが、原作を読むのは初めて。古い作品なので読むのに手こずるかと思いきや、とても読みやすい文章、読み手をどんどん引き込んでいく展開で、あっという間に読了。
シリーズ全作を知っているわけではないので、全てがそうではないかもしれないが、金田一耕助はやっぱり「推理小説」じゃなくて「事件簿」なんだよね。巧妙な仕掛けやトリックがあるわけではない。あえて言うなら「人間(関係・思惑)」の絡み合いこそが事件の歯車。全ての事象に意味があるわけではない。世の中には「意図したもの」と「偶然の産物」が溢れている。事件だってそう。人間が引き起こすものなのだから。 -
またまた横溝正史の金田一ものを一気に読んでしまった。1951(昭和26)年刊。読み始めたら止まらないといった感じで、どんどん先に進んでしまう。
この「取り憑かれたように夢中になって読んでしまうミステリ」と言えば、アガサ・クリスティの作品がそうだった。他の古典ミステリとは一線を画す面白さで、一時期は十何冊も次々に読んでいったが、読み終えて数年も経つと、このタイトルの本はどんな話だったか、思い出そうとしても思い出せない。引きずり込まれるようにジェットコースターに乗せられて突っ走り、読み終える時は非常に満足しているのに、長期記憶には残らない。やはりその辺は、苦労しながら・味わいながらじっくり読んでいく芸術系の小説とは異なる点なのかもしれない。果たして横溝正史もそうなのだろうか。
クリティティに比較すると、横溝正史作品はずっと情動豊かである。作者の怪奇趣味による恐怖のエレメント(本作では殺害された被害者の「生首」や、戦場で大きく負傷したという復員者の、凄まじく爛れ肉塊を覗かせる顔貌の描写など)。憧れやスケベ心(?)を喚起するエレメント(本作に登場する「絶世の美女」珠世)。それぞれの場を満たす、憎しみ・怒り・激情といいた振幅の大きな感情のエレメント(犬神家の一族内の、相互の愛憎や呪い、復讐のモティーフなど)。
こう並べてみると確かに「サービス満点」である。様々な要素が次から次へと織りなされ、適宜緊張感が高まり、息もつかせぬ展開になる。もちろん、殺人は一度きりでなく、連続殺人となってゆくから、それだけでもサスペンスとして盛り上がる。
そしてミステリの常套というか、たとえば最初の方のある章の終わりにこう書かれている
「読者諸君よ、いままで述べてきたところが、このもの恐ろしい、なんともえたいの知れぬ犬神家の一族に起こった、連続殺人事件の発端なのである。
そして、いままさに血なまぐさい惨劇の第一幕は、切って落とされようとしている。」(P.90)
本作は雑誌に連載されたものなので、章の終わりにこういう緊迫した「予告」的な宣言を入れてやることで、次回が待ち遠しくなる。こういうのはもはや完全にありふれてはいる。連続テレビドラマや、連載マンガなどでも「いいところで終わる」のは定石である。そうしたエンターテイメントの常用手段が、戦後間もない年の横溝正史作品においても既に、完全に確立されているのである。
予告された不在(上記例では、今後の物語の展開)が、読者の心を前へ前へとつんのめらせる。「不在」への欲望がみなぎり、ページを繰る手がはやる。
とりわけて横溝正史作品の長所は、色濃い情動が絶えず惹起されてゆくことだ。常に読者は、言葉・描写・想像・共感に導かれて巧みに情動を操られてゆく。この意味では、音楽的だとも言える。
勢いよくほぼ1日で読んでしまい、更に別の作品が読みたくなってしまう。そのように欲望を惹き付ける装置として、よく出来ている。
佐清といったら、あおい輝彦なんですね!?何となく時代を感じてしまいます(笑)
くまさんが、そのいい具合の池だと仰るのな...
佐清といったら、あおい輝彦なんですね!?何となく時代を感じてしまいます(笑)
くまさんが、そのいい具合の池だと仰るのなら、間違いなくその池なのだろうと思ってしまうくらい、くまさんの言葉には信頼感があります(^o^)
私も1番好きな作家です!角川文庫全巻コンプ!
犬神家がやっぱり最高です!松子が格好良い!
私の中では高...
私も1番好きな作家です!角川文庫全巻コンプ!
犬神家がやっぱり最高です!松子が格好良い!
私の中では高峰三枝子!最高です!!
横溝先生は、これ以外にはまだ一冊しか読んだことがなかったので、まだまだ楽しめそうですo(^▽^)o
犬神家最高ですか...
横溝先生は、これ以外にはまだ一冊しか読んだことがなかったので、まだまだ楽しめそうですo(^▽^)o
犬神家最高ですか!
確かにゾワゾワしました(笑)
松子がかっこいいんですね。映像でも見たいなぁ。佐清が見たい(笑)