- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041375310
作品紹介・あらすじ
私がバーでマネージャーをしていたある日、突然チンピラが乱入し店内で発砲した。撃たれた男は幼なじみの谷口怜悧男だった。重傷を負ったが、超人的回復力をみせたのだった。以前から、怜悧男にはどこか得体の知れないところがあったが、やがて彼が背負う驚くべき出生の秘密が明らかにされていく-。不思議な男とのかかわりを半自叙伝風に綴る、伝奇ロマンの秀作!
感想・レビュー・書評
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諸行無常を感じる。人生は儚く、短い。
谷口のような人物がいなくとも、皆こんな人生を歩んでいる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2018年4月8日紹介されました!
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伝説シリーズかつ、主人公は一般人で特殊能力を持ったりしていないので、おもしろいパターン。
バーテンをしている店にバイトとして連れ込んだ親友が目の前で銃撃され、一命を取り留めるのだが、その親友にいろいろと不思議な過去が…。その後主人公は広告代理店に入社しながらSFを書いていくという、作者と重なってくる部分が面白い。
厳密に言ってしまうと、SFではなく、SFのアイデアの部分だけで書いてしまったような話。というのも「多分特殊能力」というだけで、あとは特に明かされない程度である。
SFらしさは殆ど無かったり、大きな事件に巻き込まれることもなかったり、SF談義の中では、他の半村作品が引き合いに出されたりと、他の作品を読んでいないと楽しめない部分があるのだが、単純に波乱万丈な人生を読んでいるだけで引きこまれていく。
また、半村良のお得意の歴史談義もなし。なのに、内容に引き込まれていくんだよなあ。うまく読者をのせるポイントを突いてくる良作である。