- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041717035
作品紹介・あらすじ
ドジな先輩・後輩、嫌味な上司、チャッカリ屋の同僚。職場という人間関係を糧にたくましく生き、成長をみせるOLたちの日常を描いた、くやしくっておかしい十二の物語。
感想・レビュー・書評
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一番好きな話は、最初の「あんぱんとOL」です。
「あんぱんとOL」
私はシノハラさんが嫌いなのかと思いきや、頑張り屋で一生懸命生きている彼女に、自分の将来像を重ねている時もある。嫌いでも好きでもない、情という感情を抱いていると思った。2人の距離は、これからもきっと縮まらないと予想する。
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エッセイの多い作家だからエッセイだろうと手にしたら、小説だったという本。とろくてミスばっかりしている先輩の尻拭いばかりしているのに、なんで給料は半分なんよ-!というような小説がズラズラと。
エッセイちゃうんかい…で、短編かい。
全体に、雑誌のワンコラムで単発で読むような小説で、並べてしまうと今ひとつ印象に残らないのがこの手の短編。変にテーマを決めずに、家族の話とかと混ざってたら映えると思うんだけど、1980後半~90年代初頭の編集は、まとめちゃうんだよね。
おそらく私小説的な側面が大きく、ほとんどが作者自体の愚痴なのであろうということも透けて見えてしまい、よくまあ次から次へと愚痴を集めたもんで、と思ってしまう。ただまあ、この手のに多い下っ端から上司にキレる視点ばかりではなく、中間に挟まってみたりする(上司視点は無い)あたりは、読めるところだと思う。
ただ、この中の1本とは言わず何本か組み合わせた状態で、中編くらいにはしてほしかったな。オチが落ちる前に終わってしまうのはナントモ。 -
自分がOLだった頃を思い出した
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書誌情報をみたら、1991年の発行だった。20年以上も前のOLさんたちのお仕事。結婚するまでの腰かけだったり、あからさまなパワハラ、セクハラだったり、お茶汲み=女性の仕事だったり、時代が違う。でも、まったくの別世界の話ではなかった。確かにこの時代の延長線上に現代があると思わせる内容。それだけ「あるある」がリアルに描かれているんだと思う。小説だからノンフィクションではない。でも現実以上に現実らしいフィクション。
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地道に戦う働く女性が、丁寧に、かつ細かいところまで観察されて描かれている。共感できる部分多し。明日も仕事頑張ろうと思える一冊。
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再読。
何回も読んでいるので内容はほぼわかっているが、読みたくなる短編集。
OLを風刺し面白く描くも、暖い目で書かれているところが好ましい。
今となってはOLという言葉も死語だな。
特に次の話がお気に入り。
「いつでもどこでも誰とでも」一番面白い。文字どおりなのだが、あっけらかんとした美人の同僚の話。
「結婚するならホドホドの人」お嬢様女子大を卒業し、良い結婚をするために奮闘する母娘。
「ハイヒールで全力疾走」秘書である姉を弟の目から見た話。
「気くばりのひと」先輩OLに嫌われないようマニュアル本を読み込み気くばりに全力を注ぐが新人OL。
「変なひと」女性社員より男性社員と仲が良いOLから見た他のOLたちの話。 -
OLの職場や恋愛事情が面白おかしく描かれている。
あるあるとうなずける部分も多々あって面白く読めた。
2013.5.28