- Amazon.co.jp ・マンガ (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041851012
作品紹介・あらすじ
永遠の命とはなにか。不死の〈火の鳥〉を軸に、人間の愛と生、死を、壮大なスケールで描く。天才手塚治虫が遺した不滅のライフワーク。各巻カラーイラストの表紙、巻頭に十六頁カラーを掲載。
感想・レビュー・書評
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だいぶ前に読んだけれど、ちっとも覚えていなくて楽しめた。
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強い武器や兵士を持つ
異民族に制圧されて
ひとつの民族が滅びる
女性であれば
子供を産まさせられたりして
滅んだ民族の遺伝子が
ほそぼそと残る場合がある
世界史は
そういう事の繰り返しだと思うけど
日本は古いタイプの遺伝子が
残っている国らしいので
完全に相手方を滅ぼすのではなく
棲み分け出来てたり
共存したのかなと思う
(詳しい事知らんけど)
手塚治虫もこの事を知ってたら
ちょっと違う物語に
なっていたかなと思う
弓彦は
ゴールデンカムイの尾形百之助を
思い出した
なんか影響受けてるのかな?
ブックオフにて取り寄せ -
古代日本。クマソ国は、邪馬台国に滅ぼされる。捕虜になった少年ナギは敵の国の防人猿田彦と奇妙な友情を結ぶ。火の鳥の命を求めて様々な人々が人生をかける。そして命をつないでゆく様が素晴らしい。
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前にも読んだけど、古事記を読んだので再読。
古事記では天の国からやってきた神様ということになっているニニギの命だが、手塚治虫ワールドでは大陸から馬に乗ってやってきた侵略者、ただの人間ニニギ。学説としてどういう理解が主流なのかは不勉強のため知らないが、まさか本当に天の国からやってきた神様が天皇の祖先なんていうことは今や誰も信じていないだろうし、どこかからやってきた侵略者には違いないんだろう。そう考えると、古事記書いた人はよくもまあ恥ずかしげもなく、俺たちの先祖は神様~なんて言ったもんだなあ。神話ってどこもそういうもんなんでしょうか。昔はいまの感覚とは違って、そういうことで権威を保てたってことなんでしょうか。戦前もそれをやろうとしてたってことですよね。
さて、手塚治虫の火の鳥黎明編ですが、古事記に出てくる人物の名前を効果的に使ってはいますが、古事記そのままを書いているわけではありません。ヒミコの弟がスサノオとか。サルタヒコがイザナギを奴隷にするとか。だから頭の固い古事記ファン(という人がいればですけど)は怒るかもしれないくらい、好き勝手に物語を作っています。でも時おり地の文で、「サルタヒコとは古事記ではこう書かれている人で学者たちにはこう考えられているんだけどこの物語ではこーんな活躍しちゃうよー」みたいな解説があります。ベースがあった上でのイマジネーション。
で、単に歴史解釈の物語なのではなくて、不老不死の火の鳥(その血を飲むと不老不死になれる)がいて、老いや死を恐れる人間たちがいて、このあと未来編やらギリシャ編やら時空を超えた連作としてつながっていっちゃうわけですから、なんかもう、すごい人っすね。これだけでライフワークって感じだけど、他にもたくさん書いているし。
*追記*
「好き勝手に書いてる」なんて言いましたが、もいちど古事記を確認したら、
・ニニギの命が降臨したとき道に立っていたのがサルタヒコ
・アマテラスに命じられてサルタヒコが何者か尋ねにいったのがウズメ(それでサルタヒコはニニギの案内に来たのだとわかる)
でした。
黎明編でも、ニニギ率いる高天原軍とサルタヒコが出会ってサルタヒコが殺されそうになったとき、私に免じて許してくれと進み出たのがウズメ。
ウズメは醜女(これは化粧で化けていて、実は美女という設定)に描かれているが、古事記でも、阿刀田さんの解説によると、
「よほどおもしろい顔をしているので顔を合わせると相手が気を許してしまうのか、人間関係の妙を心得ているからなのか、とにかく相手を仕切ってしまい、結果として勝ちを収める、そんなタイプの女性なのだろう。」
ということで、これが原文は
「い向ふ神と面勝つ神なり」
となっているらしく、阿刀田さんなんて「舌足らずな言い方」とか言いながらもよくこんな風に想像を巡らせられるものだなあ。もちろん阿刀田高も手塚治虫も、多くの先行研究を熟読されたんでしょうけどね。
手塚解釈では、サルタヒコは当時の日本のある地域の有力者、ニニギに侵略されて降参した、というのが史実だろうと見ている。マンガの中では、醜女のウズメが進み出てサルタヒコ(こちらも醜男)と夫婦になるということでサルタヒコは死を免れる。
阿刀田解説による古事記での記述は、前述のとおり。
ウズメさんは一体何をして、サルタヒコを従えたんでしょうね。ウズメさんは、天岩戸事件のときに、岩の前でストリップまがいの舞を披露して大いに場を沸かせた女性でもあります。気になる…やっぱり身を捧げたんだろうか。 -
手塚治虫漫画は今読むとメタ表現がどうしても気になる。
気になるがその辺超越して面白くもなってくる。
それほど壮大なテーマをこの狭い空間にぎっしり詰め込んである。
なので今から読むならちょっとその辺は我慢してしばらく耐えて欲しい。
いずれ気にならなくなるので。いや自分はかなり時間かかったけど。
黎明編は名前通り神話時代の日本が舞台。
諸星大二郎を読んだ時も思ったけど、こういう時若い頃もう少し日本史に親しんでおくべきだったと悔やまれる。 -
中学の時に図書室でたまたま見つけて読みました
はじめての手塚治虫さんの漫画でしたね
トラウマつくりながらも怖い怖いと思いながらも、
読みたくてシリーズ読み続けたのを今でも覚えています
この作品との出会いによって自分の中の価値観や人生観が大きく変わったような気がします。 -
火の鳥は日本の義務教育に組み込んだほうがいいと思う。
これを思春期までに読んだことがあるかないかで、生き方が変わる。 -
史上最高のマンガだと思う。特に未来が好き。手塚治はほんと天才。
過去と未来がつながるとき、どんな物語があったのか。読んでみたかった。 -
一度身につけた”業(ごう)”は、生まれ変わっても自らを悩ませ続けるものです。
同じ魂をもつ者が数世代生まれ変わる姿を追っています。同じ魂が生まれ変わっても同じ悩みを抱え続けている様は、とても苦しい。 -
図書館で。
子供の頃、家にあまり漫画が無かったので図書館でよく手塚治虫を読みました。火の鳥は大体読んでいると思うけれども、スゴイ作品だなぁ子供心に思ったのを覚えております。話も覚えているのだけれども、改めて読むとこれは日本が日本という国になる前から未来へつながり、さらに巡る壮大な宇宙の話だったんだなぁと今更気が付きました。ホント今更。日本になる前から、そして未来に至るまで火の鳥は人の争いや営みを傍観していたんだなぁと改めて思いました。やっぱり火の鳥スゴイ。
クマソと邪馬台国ヒミコと、さらに出現するヤマトの戦い。青年が家族のみで構成された世界から飛び出す辺りはとても強く残っております。ここからまた、人の集団が出来るんだろうな、と。
戦いで一つの国が滅ぼされても、根絶やしにすることは難しい。女性の子供を産み増やすという能力を改めて思い知らされるような気がします。今回、きちんと読み直そうと思っているので、全部続けて読むとさらに見えてくるものがあるのかなぁと楽しみです。