- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041851036
作品紹介・あらすじ
永遠の命とはなにか。不死の〈火の鳥〉を軸に、人間の愛と生、死を、壮大なスケールで描く。天才手塚治虫が遺した不滅のライフワーク。各巻カラーイラストの表紙、巻頭に十六頁カラーを掲載。
感想・レビュー・書評
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火の鳥の短編の中では
「異形編」が1番好き
すっきりしていて分かりやすい
ブックオフにて取り寄せ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今回スポットを当てられたテーマは「生きる意味」について。
ヤマトの国の王は自らの権威を示すため大きな墓を建設し、多くの人間を人柱にしようと計画します。その子供で第5王子のオグナは、葛藤の末「父を欺くための偽の墓造り」を自らの生きる意味としました。折角作った物も偽物だとバレたら壊されるだろうし、自分も殺されるだろう。しかし父が死ぬまでの時間稼ぎができれば、人柱に捧げられるはずだった人達を救える。結局父の死後オグナは人柱として生き埋めにされてしまうのですが、愛する女性カジカと土の中で満足して死んでいきます。
「こわくないよ ぼくは満足してる ぼくの一生はちからいっぱい生きてきたんだ
悔いは無いよ それに…きみがここにいっしょだから」
オグナの願いが聞き届けられ、その後は墓には人柱では無く土偶を代用することになりました。
また、ヤマト王は死ぬ時になって初めて、これまでの自分の人生を「墓を作るためだけの人生だったのか。なんてくだらない人生だ」と後悔します。
私自身、もし今死んだら何のために生きていたと言えるんだろうと考え恐ろしくなりました…。
黎明編のラストで1人穴の外へ出た子供が、クマソの国の最長老として出てきます。
「お若いの 人間はな 死なないことがしあわせではないぞ
生きているあいだに…自分の生きがいを見つけることが大事なんじゃ」
異形編は因果応報のお話。これまでのシリーズとは少し毛色が違う印象を受けました。火の鳥は罰を与えるために現れる。
病気の父に死んでほしいと願った左近介(女)は、父の病を治す力を持つ尼御前を殺そうと決意する。左近介が尼御前を殺すと、その罰として時間が戻り、左近介自身が尼御前として生きることとなる。彼女は火の鳥の羽根を使い、長い年月人々の病を治すことに従事する。そして最期、左近介は過去の自分の手で切られ死んでいく。途中で逃げようと思えば逃げられたのに、あえて罰を受けることを選んだ彼女。これもある種永遠に生きるということなんでしょうか。逆行する時間の中で、一人の人間が生まれて死んでを繰り返すというのは数奇で新しいパターンです。
「あなたは人殺しの父を憎んだ
それなのにあなた自身人を殺したではないか?」
「…でも父が助かれば もっともっと大勢の人間が殺されたわ」
「だからしかたがなかったというのですか?罪は同じです!
だから裁きを受けるのです」 -
異形編について。
人を殺すってのはこれだけの罪なんだ。無限に償い続けないといけない。
世の中の人はみんなこれを読めばいい。 -
1巻と2巻を読んだときほどの衝撃はなかったが
それでもやっぱり面白い
2作入ってたが特にヤマト編のラストは
やるせない思いになった -
何故か小学校の頃から好きなのが異形編。
しかし、因果応報の意味はわかってなかったと思う。
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ヤマト編の生き埋めシーン、閉所恐怖的なトラウマ。異形編は単体だとつまらないが、後の伏線となっている。
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火の鳥で一番好きなのが、異形編の時間が逆行するやつ。小学生のころこればっかり何回も何回も読み返していた。
無作為に獣たちを助けてゆく尼の姿が印象深くて、小さいころから優しい気持ちになれないときこの尼を何処かで思い出してたと思う。 -
歴史の中に火の鳥を違和感なく介在させつつラストそこに繋がるのかという驚きもあり面白い。