- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041879146
感想・レビュー・書評
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悲劇のお話2つ。
赤川さんは簡単に読めるので、ちょっと読書したいなーってときにおすすめです。
どちらのお話も最後はちょっとジーンっと、でも悲しいお話でした。
「社宅」っておそろしいなーと。
確かに家に帰っても安らげることなく、会社の延長で気も使うし、暗黙のルール(旦那の役職による格差とか)があって、、、
だけど奥さんは強かった!そしていい夫婦だなと素直に思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私自身、幼い頃からメディアという存在に
違和感を抱いていました。
表題作「本日は悲劇なり」はその違和感を全て文学として
表現しており、終始共感ばかりでした。
一般人目線ではなく、業界人目線というのもまた良いな、と。
ネタ、視聴率、ウケ...
そんなもののために一般の人々を苦しめる業界人に
嫌悪感を抱く主人公が
真実の究明のために一般の人々を苦しめる。
「人間の愚かさ」のようなものが表現されています。 -
個人的には二つ目の〈1/2の我が家〉の方が面白かった!
さすがにここまで酷いものは少ないかもしれないけど、社宅ってわりとドロドロしてるのかな?メンタル強くないとやってられないなー
赤川次郎さんの本はスキマ時間に軽く読めて良い^^ -
手放し本。
表題作より「1/2の我が家」が良かった。 -
「本日は悲劇なり」
2つの短編が収録されています。
本日は悲劇なり
TVやそれに関わる人間が「例え人が死んだとしてもそれは芸能人の色恋と同じく結局は視聴率を取る為のひとつの話題にしか過ぎない」と考えている。そして彼らを嫌っている今回の主人公(TVレポーター)。そんな彼がある一人の高校生の自殺の事件をレポートすることになるが・・・というあらすじです。
結末はやはり予想した通りでした。しかし、妙にTV世界の現実と人間の悪を見た気がしました。騙される方が悪いという視点が練り込まれた登場人物には腹立たしさも立ちます。三毛猫ホームズ好きは少し嫌かも知れないですね、この短編は。
1/2の我が家
舞台はある一流企業の社員団地、主人公は若くして課長に昇進した男。そしてその妻(個人的には2人とも主人公だと感じました)。夫は課長に昇進した為に会社で問題を抱えるようになり、一方妻は団地の組合会長にまさか選ばれてしまった為に今まで隠蔽されてきた問題に気づくことになり・・・というまさに最悪な展開です。
この短編は今の現実、そしてこれからも変わらない現実(そういう社会を好んでいる人間が作る現実)を凄く突いた作品だと思います。私はそういう社会が嫌いですし、それを変えたいと思う人間です。ですので、この2人の主人公には凄く共感できました。特に妻が権力主義と戦う、そしてその主義を打ち破り友情を守る姿には震えました。
こういう切り口の赤川作品は読んだことが無いので、他のもチャレンジしてみたいです。