- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042020141
作品紹介・あらすじ
時は17世紀、ルイ13世の治世。青年騎士ダルタニャンは希望に燃えて華の都パリにやってきた。都会のしきたりに慣れないダルタニャンは、三銃士から次々と決闘を申し込まれるが――。
感想・レビュー・書評
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ミラディーが一周回って格好良く見えてくる。自分の魅力、能力を自覚して状況に合わせて使いこなす才能が瞠目もの。最後の処刑のシーンはクライマックス感があってすごく盛り上がった。アトスが第2の主人公って感じがした。
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当時の貴族の価値観にいまいちピンとこない箇所が多かったんだけど、敵役の妖女ミラディーってほとんど現代的な個人主義。
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ミレディの策士感といったら…!こういう悪くて頭のいい美女が大好き。
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男連中はくだらない見栄や賭けのために
人の命をぼんぼん失わせるだけで
物語の原因や道筋はほぼ全部女が握っている。
何でもかんでも女のせいだったという物語と言ってもいいだろう。
ここに出てくる男はほぼ馬鹿だ。
冒険って馬鹿でなきゃ出来ないのかしら。
一方ミラディは魅力的。
原題なら彼女で物語が書かれただろう。
彼女のほうがよほどすごい。 -
中巻でミラディーにまんまと恋に落ちたダルタニャンに、「も~、だらしがないな~」とあきれていた私。
下巻に至り、今度は自分がミラディーという沼にはまる。中巻までの彼女はほんの序の口、本領が発揮されるのはここからだった!
美しさは言わずもがな、その鋭い観察眼や機転の速さといった自分の武器を研ぎ澄ますことで他人をうまく利用し、未来を切り開いていく、そのたくましさ。しかもめげない!
私の中で、下巻の主人公は間違いなくミラディーだった。
面白い小説は総じて悪役も魅力的なことが多い。
欲を言えば、枢機卿やロシュフォールにももっとスポットを当ててほしかった。
全体的にテンポよく、ぐいぐい読ませる小説だった。
ストーリーは違うようだけど、次はマスケティアーズを見よう。 -
ミラディー妖女の男を落とす技術にはいっそ感心してしまう。こういう頭の良い悪女、もはや尊敬の域。
でもなんつーか‥‥リシュリユー枢機卿があまり表だっては三銃士+ダルタニャンの四人と対立せず、憎めざる人物と描かれ、あそこまで生かしておいたボナシュー夫人は殺され、四人とウィンター伯爵と執行人は私刑の形でミラディーを処し(時代や世界観としては問題ではないのだろうが、ダルタニャンが苦悩した通り女一人相手に冷酷すぎる描写と思えた)、銃士隊副官の令状をもらったダルタニャンだが、三銃士は三銃士でなくなるラスト、ちょっと寂しい読後感だった。
ダルタニャンは粗忽だけど、愛嬌があって機知に富んで本当に可愛かった。アトスが彼を愛するのもむべなるかな。ポルトスもアラミスもいいキャラで、無口なグリモーはじめ従卒たちもそれぞれよかった。ウィンター伯爵がミラディーに言われているほどお人好しではなく英国人らしい皮肉屋で、別に抜けている訳ではなく部下を信頼しているのがなかなか好感でした。
とても読んでる間本当に楽しかった。講談社のシリーズ全訳版も、いつか読みたいです。 -
恥ずかしながら三銃士の話を初めて読んだ。ダルタニアンはよい子のヒーロー的なイメージだったが(確かにそうなんだけど)、これがとんでもなく喧嘩っ早く、今で言うヤリチンだった。物語はテンポよく進み、モンテ・クリスト同様読むと止まらない。さすがはデュマと思わせる。しかしまあ、みんな容赦ないね。
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緊迫する国政が霞む、ミラディ。
虜囚となるもフェルトンを絡め落とし脱走暗殺果ては修道院でのダルタニャンへの復讐そして最後。
焼印を押される経緯もわかったとはいえ、ミラディという人物に強い興味が湧く。
枢機卿よりも、ミラディが怖い。すごい役者。何考えてるのかわからない。どうしてあんな人格が形成されたのだろう。何をもってあんな野心や人を利用しつくす心が出来たのだろう。あのエネルギーの出処は何だ。芯から悪女の名の通りなのだろうか。知りたい。
銃士はあまり活躍しないし、ミラディ以外とは丸く収まった感。
ポルトスはアホって作中で言われているのは笑った。