アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042750017

感想・レビュー・書評

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  • 一応ジュニア書になるのかな?
    感性の泉はとうに枯れきっていると思っていたけどあらすじ紹介でサンチャゴ少年が「宝物」を見つけにアンダルシアからエジプトを目指す事を知るや否や胸が高鳴り、読み進めたいという欲求がフツフツと湧いてきた。

    聖書を連想させる語りで、ジュニアだった頃に戻ったみたい…いや、懐かしい気持ちになった汗 世界一の賢者と少年の話とかイエス・キリストのたとえ話みたいだけど、間違いなくハッとさせられる。謂わば心から望むものへと一歩踏み出す時に携える心得、バイブルなのかも。(実際聖書に関する話題も作中登場する)

    「人生で簡単に見えるものが、実は最も非凡なんだよ」「おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ」

    もう一つ、(恐らく)「運命」を表す「マクダブ」ってワードがついてまわる。運命は予め一つの手によって「書かれたもの」。その手の持ち主とは神様か?とか頭をひねってくうちに急に広い宇宙に放り出されたような感覚に陥る。

    語りの話が込み入りすぎて、巻き戻さなきゃいけない箇所もあった。物語の核になるはずの錬金術も蘊蓄が多くて読むのを断念しようかと思ったほど。(それでも完読できたのはそれが「マクダブ」だったからか?)

    夢や運命論が彼の旅路にてんこ盛りだったわけだが、そんな壮大なテーマで彩られていたわりに宝物のありかには拍子抜けしてしまった笑(終わり方は悪くなかった)
    サンチャゴ少年の旅イコール人の一生ってこんなもんだと言いたかったのかと今になって思う。あとこれをジュニア期に読んでいたらもっと感動し、「天からの啓示を受けた!」って一人勝手に開眼していたのかなとも。

  • 幼少期、青年期に読んでおきたい、と思える一冊。生きていく上での様々な示唆に富んではいるが、おっさんには不向き。あと訳が単調なのも...。ただ、読んで損はないと思う。
    「人は誰でも、その人その人の学び方がある~彼のやり方は僕と同じではなく、僕のやり方は、彼のやり方と同じではない。でも僕たちは二人とも、自分の運命を探求しているのだ。だからそのことで僕は彼を尊敬している」
    「悪いのは人の口に入るものではない~悪いのは人の口から出るものだ」

  • ラッパーのJJJが新しいアルバムのタイトル「MAKTUB」はこの小説に出てきた言葉だとラジオで話していて気になったので読んでみた。不思議の国のアリスのような、なんだか神秘的な物語だった。

    スピリチュアル系はあまり信じてないけれど、物語の随所に書かれた格言は人生の真理だなと感じた。何度も読んで体に染み込ませたいな。

    • ひまわりさん
      読書クマちゃんさん、はじめまして。
      私もこの本は愛読書中の愛読書でした。飽きもせず何度も見返しておりました。
      特にスプーンのはなしが好きでし...
      読書クマちゃんさん、はじめまして。
      私もこの本は愛読書中の愛読書でした。飽きもせず何度も見返しておりました。
      特にスプーンのはなしが好きでした。
      読むたびに希望が生まれるんですね。
      お邪魔しました
      2023/08/07
    • 読書クマちゃんさん
      初めまして!コメントありがとうございます。素敵な物語でした。

      スプーンの油の話ですね。深く考えさせられる内容でした。
      初めまして!コメントありがとうございます。素敵な物語でした。

      スプーンの油の話ですね。深く考えさせられる内容でした。
      2023/08/21
  • 夢を実現するためには、必ず試練が立ち現れる。
    現実と向き合い、周囲の声に惑わされず、
    自分の心の声を聞き、正しい選択をすること。
    そして失敗を恐れる事なく、常に前へ進む事。

    夢を実現することは、あらゆる困難に立ち向かう事になる。
    困難を乗り越えるためには、
    直ぐに諦めるのではなく、
    常にアンテナを貼り、気づき(前兆)を求める事が大切である事に気が付かされた。

    そして、夢を実現した時
    困難にも意味があったと思えるのだと思う。

    過去は変えることは出来ない。
    未来もどうなるか分からない。
    しかし、良い未来を迎えるためには
    現実と向き合い自分次第でいい方向に変えること
    で道が開くのだと思う。

    読んでいて、今の自分では理解が難しい所もあったが
    人生とは何か、夢を実現するとはどんなことか
    を教えてくれる物語だった。
    何度も読み返したいと思う。

  • 生き方について考えさせられた。
    多くの人が、こんな風になりたいって夢を持っていても、多くの困難や挫折であきらめてしまったり、現状で満足してしまっている。
    主人公の少年は知らない土地で人に裏切られて全財産を失ってしまうという困難な状況でも、敵に囚われて死ぬかもしれない状況でも、どうにか乗り越えていく。
    どんな状況になっても、結局は自分の心次第だと思った。もうだめだと思ったらだめだし、どうすればいいか必死に考えて行動すればなんとかなる。
    自分を信じるということも大切。

  • 旅先に持って行くにちょうど良い厚みの本を探していて、20代で読んでおきたい本みたいなランキングに入っていたので手に取ってみました。
    とても読みやすい文体と内容で物語としても非常に面白くスイスイ読めますが、そこには「人生において何から学びを得るべきなのか」「そもそも人生とはなにか」が詰まっています。
    人生の主導権を握っているのは他でもない自分自身で、全てのことは選ぶことが出来、それらあらゆる選択の結果が失敗であれ成功であれ、その責任を負うのもやはり自分自身なのだということを改めて突きつけられた気がしました。
    変化を恐れて現状維持を選んでしまいがちな私ですが、時には自身の心の声にも耳を傾け、その声に正直に生きる勇気を持つことの大切さを感じられた一冊です。

  • 哲学みたい。

  • スピリチュアル系の本。羊飼いが運命に導かれ、幸せを掴むまでの本。あらゆる災難も最終的に幸福に至る過程であり、追い求める事の大切さを教えてくれる本。西洋人が好きそうな話ですね。仏教とはあわないかな!

  • 星の王子様と並ぶ世界的名著、しかもブラジル人作家という珍しさに惹かれ、手に取った。

    自分の心にある宝物(=夢)を、追い求め続けることの
    素晴らしさを教えてくれる。
    そのためには今この瞬間を心から楽しむことが必要であり、それをすることで出来事の「前兆」が分かるようになる。
    また宝物を追い求め続けることは、
    ・歩む道のりの選択肢を広げる
    ・通過点と到達点を混同しなくなる
    ということにも繋がる。

    以上のような夢という大きなものに関する人生哲学のようなことが主題でありながら、
    ・ビギナーズラックの話
    ・途中で立ちはだかる困難も、困難であると感じないような考え方
    など、身近なことも盛り込まれている。
    支持されているのも納得。

    高校大学の野球みたいな熱くなれるスポーツを社会人でもやりつつ、文学の世界を旅する
    くらいが今の夢です笑

    こういうファンタジー系の登場人物の「謎の人」感に
    未だ慣れていない笑
    今度こういうファンタジー系読む時は
    現実に想像するのではなくて、もっと自由に好きなように人物像を描いてみようかな

  • 運命は必然であり、大きな力に導かれている、心の声に耳をすませ、植物や動物、鉱物が発することばにも心を通わせ進むべし、心の声を無視し続けると聞こえなくなり、導かれることもなくなる。前向きに柔軟に…ってことかな。
    騙されて一文無しって冒険者のエッセンスだよね、今死んでもたくさん学んでからでよかったね、先々の不安は必要なくて今この一瞬が祭だから謳歌して!…とか一節から、前に進むには鋼のメンタルが必要らしい。
    最後の方は、イスラム教とか宗教がわからないからか、少し理解に苦しむ。経験が宝物だし、神が創ったそれぞれがそれぞれの使命がある(鉛は鉛)、で終わるかと思ったら、ホントの錬金術師でふつうに宝みつけてた。

著者プロフィール

1947年ブラジル、リオデジャネイロ生まれ。現代において最も影響力のある作家の一人といわれている。2002年よりブラジル文学アカデミー会員。著作の多くが世界的ベストセラーとなり、88か国語に翻訳され、これまで170以上の国々で3億2000万部以上を売り上げた。多くの名誉ある国際的な賞を受賞しており、そのなかにはフランスのレジオン・ドヌール勲章がある。2007年には国連ピース・メッセンジャーに任命された。

「2021年 『弓を引く人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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