- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042982142
感想・レビュー・書評
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ボール箱は初見。
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やあ、なつかしい『シャーロック・ホームズの回想』なんて何年ぶりでしょうか。
この本、駒月雅子というハーレクイン・ロマンスをはじめ、早川や創元のミステリをおよそ80冊ほど翻訳されている、すでに大ベテランといっていい方の新訳だそうですが、私が読んだのは阿部知二訳の創元推理文庫版と、鮎川信夫訳のちくま文庫版、そして勢い余って憧れだけで大久保康雄訳の早川書房・ポケミス版まで、いわゆる名訳といわれる本を読みましたが、さらによせばいいのにこの際一石二鳥だからといって、ペンギン・ブックスにまで手を伸ばしてしまいましたが、あまり英語習得に役だったとはいえません。
私は世にいうシャーロキアンではありませんが、シャーロック・ホームズもアルセーヌ・ルパンも人並み以上に好きでよく読みました。
翻訳については、これだ!というのがなかなか難しいところで、たとえ言語表現能力がそれほどでもなくても、現代的なそれなりの雰囲気が醸し出されていればいいのか、という問題もありますし、直訳でよしとしないで、行間に隠された人間洞察や思索的な暗喩の多少の明確化も、また翻訳の醍醐味というか、名訳への一里塚かもしれないなどとあれこれ考えますが、要は堅くてこなれないものより、乗り乗りで私たちが夢中になれるもののほうがいいに決まっていますが。
10年以上ぶりかで読んだシャーロック・ホームズですが、やっぱり面白さはけっして失われていませんし、思春期だけに読んでこそ、あるいは思春期だけしか面白さがわからない本だとも全然思いませんし、大人でも十分堪能できるやはり名作だと思いました。
あとは名訳かどうかは、そう、立ち読みでも1頁だけをサーッと読むだけでもわかるというものです。
判定は、もちろん貴方にお任せしますので、興味がおありの方はなさってみてください。