覆面作家は二人いる (角川文庫 き 24-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043432011

感想・レビュー・書評

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  • 2013.11.10再読 処分

    外弁慶な覆面作家の千秋お嬢様と、その担当である双子の弟岡部良介による短編3作。
    語り口が軽妙で読みやすかった。
    殺人・誘拐・万引きがテーマだけれど、子供が絡むせいか凶悪さはあまり無い。
    謎もライトで、驚きは無かった。

  • 再読。
    円紫さんシリーズは好きなんだけど、こっちはちょっと主人公のキャラクタが突飛すぎてあんまりついていけないのよね。
    でも、高野文子さんの表紙はいいのよねぇ

  • (内)千秋は「ザ・お嬢様」って感じで分かりやすいけど、(外)千秋の会話シーンは誰が喋ってるのか慣れるまで戸惑った。自分が読んでて慣れたのか作者が変えたのか(外)千秋の心境の変化かそれは分からんけど3話目は読みやすかった。次は執事の赤沼さんや運転手の田代さんにも期待したい。

  • 久しぶりに読みたくなって。超お嬢様で推理作家の千秋さんと担当編集者の良介さんが鮮やかに謎を解決していくミステリー。二人も含め周りが面白い人達ばかりで、賑やかそうで楽しそう。おしとやかで、うさ耳帽子が似合って、時には暴走したり、“金金金…”と不気味に連呼したりするお嬢様がとっても可愛い!良介さんの千秋さんに対する強引で、でもさりげない優しさも格好よかったな。北村さんの作品は全体的に温かくて、優しい空気が漂っていて、ほっと安心します。二人の関係とお嬢様の華麗な謎解きにこれからも目が離せません(^^)

  • 姓は「覆面」、名は「作家」―本名・新妻千秋。天国的な美貌を持つ弱冠19歳の新人がミステリ界にデビューした。しかも、その正体は大富豪の御令嬢…ところが千秋さんには誰もが驚く、もう一つの顔があったのだ。(「BOOK」データベースより)

    きっと好きなタイプに違いないと思いながらなかなか読むきっかけがなかった(ミステリーランドの「野球の国のアリス」は既読ですが)北村薫氏の作品、やっと読みました。

    お嬢様覆面作家の千秋さんの作品を読んでみたいのですが、出てこないんですよねえ、作中作としてでてくればいいのに。
    担当編集者の岡部良介といいコンビです。
    殺人事件もあくまでさらっと書かれていて、とにかくさらっと読める作品です。
    外弁慶って本当にあるんでしょうかねえ。
    リョースケのお兄さんで刑事の岡部優介もいい味だしています。
    私も執事がほしいなあ。

  • 二重人格のミステリー作家新妻と下っ端りょうすけがそこはかとなく事件を解決していくストーリー。内容はともかく、キャラクターの作り方が巧み。読んでいてあきさせない。勿論、あざとさが感じられるんだけど、そこも愛嬌の一つかもしれない。

  • 弱冠19歳の新人覆面作家。その正体は、大富豪令嬢の新妻千秋。

    そんな彼女が、担当編集者・岡部良介と共に、日常の謎を解決していくという話。

    シンプルで読みやすい短編集です。

    千秋の設定が面白く、ミステリでありながら殺人などは起こらないので、小説やミステリが苦手な人でも読みやすいと思う。

    ただ、個人的には推理が少々雑……というか、強引に感じてしまった。ページ数を考えれば仕方ないのかもしれませんが、やはり残念。

    テンポはとても良い作品なので、ちょっとした空き時間にサクッと読むのにはちょうど良いかもしれません。

  • 北村薫さん大好きだけど、これはあんまりだったかなぁ。
    設定にちょっと無理がある感じ。
    まぁそこが意外で面白いんだろうけど・・・

    続きであと2冊出てるみたいだけど、どうしようかなぁ・・・

  • 良介にも千秋さんにも魅力を感じなかった。読み続ければ良いところがみつかるのだろうか。高野文子さんの絵は凄く良かった。

  • 非凡な観察眼と推理力(そして経済力)を持つお嬢様小説家と、その編集者のコンビが日常の謎に挑む。
    一言で言えば、ポップなミステリ。
    会話のテンポが軽快でウィットに富んでおり、思わずにやりとする。
    さっくり読めて面白い。

  • 坂の上の雲がめっちゃ途中だが、
    本を外出時に忘れた為、購入。

    北村さんのワールドに久々に入りたい、と
    手に取った覆面作家!

    わたしの期待した北村ワールドではなく。
    でもとっても面白い!
    こんな本書くんだ、と驚き。
    伊坂さんのように、伏線あり、面白い。

    さーてお風呂洗おっかな。
    今日はわたしのリョースケだし。

  • 友人のお母さんに薦められて。
    気軽に楽しく読めた。

  • 殺人事件も起こるけどほどよくコミカルでやさしい話。なんか好き。北村薫は苦手意識をもっていたので印象がかわった。途中で投げ出してしまったターンやスキップもまた読んでみようかな。

  • 編集者の青年・岡部と、ミステリー作家である千秋がコンビを組んで事件を解決して行くライトな推理小説。千秋は、大富豪のお嬢様。岡部の勤める編集者にその才能を見いだされ、ペンネームを「覆面作家」として、推理小説を描くこととなる。
    そして、彼女は一歩外を出ると別人のように、男のような口調で振る舞い、岡部を従えて事件を鮮やかに解決していく、という話なのだが、正直期待はずれだった。

    というのも、北村さんを最近読みこんでいただけに、半ばハードルが自分の中で上がってしまった、というのもあるのだが、覆面作家、とタイトルにあるのだから、もっと彼女の書く小説と何かしらリンクしていたり、その物語にもう少しクローズアップすべきではないかと思った。
    それと、凶暴的になるもう一つの彼女の二面性、これって必要だろうか?
    「おしとやかなお嬢様が覆面作家で推理小説を書いている」これで十分インパクトある設定じゃないか、と勝手に思ってしまった。
    このシリーズはもう本作で読むのはやめておこう。

    また明日から円紫さんシリーズ、読みます。

  • 新本格もどきで興味が出たので。
    お嬢様かわいい。かわいすぎて事件の印象あまりない…。

  • 以前ドラマ化もされている「覆面作家シリーズ」最初の作品。(確かともさかりえ主演でした。かわいかった)
    文庫の奥付は「平成9年11月」刊行となってますが、単行本は平成3年11月?…6年もかかったのか文庫化…。

    雑誌「推理世界」の編集者・岡部良介は、投稿作の作者に会いに封筒裏の住所を訪れた。先輩編集者の言葉を借りるなら「トン・チン・カーン」な印象を抱かせる書き手(後のPNは「覆面作家」)・新妻千秋サンは、訪ねてみたら世田谷の大富豪のお嬢様(19歳)。天国的な美貌の持ち主で、一を聞いたら百を知るような推理力も持ち合わせていたのだが、なにより驚くことに彼女にはお屋敷の「内」と「外」で別々の顔があったのだ。

    良介の近所の女子高で起きた殺人事件に乗り込んでいった――《覆面作家のクリスマス》
    待ち合わせ場所の水族館で、知らない内に幼児誘拐事件に関わってしまった――《眠る覆面作家》
    良介の先輩編集者・左近の姉の職場で起きる万引きの謎を解決してしまう――《覆面作家は二人いる》
    計3作品の短編集です。

    北村作品は文体がすごく柔らかく、かつ優しい。一文一文の間にとても柔らかくて温かいものが流れているような、そんな文体なのですね。難しい表現や描写がなくとも、心に沁みるように理解できる気がする…そんな作家さん。なかなかいませんよ。一時期「北村薫、女性疑惑」があったのも納得(笑)。
    少し登場人物について。
    千秋さんは…えっと、つまりは「外弁慶」なわけでして。「岡部さん」でドレスな千秋さんも、「リョースケ」でラフなジーンズの千秋さんも、どちらも千秋さんでどちらも魅力的。そしてどちらも「トンチンカーン」です(笑)。良介や執事さんや運転手さんの苦労がしのばれますが…楽しそうだからいいのです。
    対して良介は、平凡で庶民。双子で刑事の兄・優介がおりますが、30前の独身男性。非凡というなら…お嬢様の外出現場を目の当たりにしても、たいして驚いていない辺りが…。順応性が高いというか、なかなか侮れないかも。
    クリスマスから夏にかけての、この2人のゆったりとしたおつきあい(作家と担当としてですが)も楽しんで読んでほしい。
    大好きです。

  • 最近読んだベッキーさん3部作が良かったので北村薫熱が燃え上がりこちらのシリーズにも手を出した。こちらは舞台は現代だが内弁慶ならぬ”外弁慶”という中々ぶっ飛んだ設定のお嬢様が覆面作家としてデビュー、語り手はその編集というお話。二重人格じみたお嬢様と瓜二つの双子の兄がいる編集の対比が面白い。

  • 美人でお金持ちのご令嬢・新妻千秋(覆面作家)が探偵役の覆面作家シリーズ。

    覆面作家の二重人格と、担当編集者である主人公の良介が双子という設定が、うまいなぁと。
    お嬢様の年齢はもう少し上げた方が良かったのではないかな。

  • ちまちましたところをついてくる感じが心地いい。キャラ設定も見事ですが、推理の過程に若干強引なところも見られます。

  • ある賞を受賞した作家はお嬢様。
    そのお嬢様は家にいるときと門をくぐって外にでると人格がかわるのだった…、というお話。

    エンターテイメントとしてはそこそこ面白いと面白います。2時間ドラマみたいな。
    そんな気分のときにはどうぞ。

  • ミステリーというよりも、どこか明るくぼのぼのとした感じのストーリーが魅力の作品。若手編集者とお嬢様作家の恋の行方が今後気になる。

  • 読んだのはハードカバーのほう。

  • お嬢様がめっちゃ強い。
    内弁慶の逆って言われてたけど、ここまでくると二重人格なんじゃないの・・・

  • 作家志望のお嬢様とそれを担当することになった編集者。お嬢様は、作家としての才能はもちろん、名探偵としても優れた能力を持っていて……。

    面白いです。でも、軽いです。

    ミステリーと言うことですが、肝心の事件を解くまでのプロセスが軽く、余りにもご都合主義的に進んでいくのが気になります。まぁ、少ないページ数にまとめようとするとこうなるのかもしれませんが。

    人物設定も悪くはないんですが、ちょっと突飛すぎてあまり現実感を感じない。それはねーだろ、とツッコミたくなる場面も何度かありました。

    筆者の筆力でそれなりの作品にはなっているんですが、やはりこの全体を覆う軽さはぬぐいきれません。まぁこれは、そういう作品なんだ、と割り切って読めば、面白いシリーズだと思います。

    (2007年読了)

  • 大好き。

  • 二人分魅力的なお嬢様作家千秋さんと担当のリョースケさんにほのぼの。優しいミステリーで笑えて少しだけ切なくなって。ほんわか楽しい。二人が進展するのかも気になります。

  • 北村薫の作家を主人公にして書いたラブコメディです。
    楽しく読むことができます。

  • 「覆面作家は二人いる」 北村薫

    私が初めて北村薫さんの作品を読んだ1冊。
    北村薫さんは多くの作品を書かれていますが(ほぼ読破!)
    このシリーズは、初心者の方におすすめです。
    本のページ数は少ないですし、短編集なので何も考えずにあっさり読めるはず。

    主人公は「覆面作家」として活動しているお嬢様、新妻千秋。
    そして彼女の担当編集者の岡部良介の二人が事件を解決していくもの。
    いたってシンプルな設定ですが、そのお嬢様が外と内では着る服や言動がまるで対極になってしまう「外弁慶」な性格の持ち主。
    本文にもかかれてますが、まさに「借りてきた猫からサーベルタイガー」に変貌するのです。
    「そんな人間おらんやろ!」と思わず突っ込んでしまいそうですが、
    そういうところもフィクション小説の醍醐味として読むと味があるもの。
    ただ、ひとつの話のスピードが速いので、あっさりと事件が解決してしまうところが、
    推理小説を読み込んでる方にはいまいちボリューム感は足りないかもしれません…。

  • 2000年2月読了。
    2002年4月12日再読。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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