人造救世主 アドルフ・クローン (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 125
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043470136

感想・レビュー・書評

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  • 2015年4月20日読了。シリーズ完結編。自らを生み出した組織<MESSIAH>を壊滅させ、「英雄になること」を目指すヴォルフたちの戦いの結末は。「真の敵」が前巻で姿を見せていたり、時間を前後させる構成などから展開に驚きはないが、「趣味が悪くハードなライトノベル」てな感じで手堅く楽しめた。この人が人間賛歌をうたっても全くその通りに感じられない、まあ「言葉や論理では異常な事柄の異常性を説明しきれない/物はいいよう」というのがこの人の根本にはあるのだろうから、セリフや描写がどうあろうと「その人物はどう行動したか」を読み解いてあげるのが正しい読み方というべきか。ラストが異様にさわやか。

  • 面白かった。続編が読みたい。これまで自分が読んだ小林氏の作品の中では低年齢層向け?という印象でした。捕まったのにカップラーメン食べてるヒロインが一番面白かった。

  • 結局最後まで表紙の人は誰なのかわからなかったんですが。(1巻の表紙は葵かな…?)最後まで楽しませてもらいました。一気に読んでしまう。
    超能力対決面白いです。そして全編を通して薄っぺらい人物像とか安っぽい少年漫画風味とか丸ごと好きでした。小林さんらしいウィットにとんだ作品だと思います。
    純粋な能力勝負にならず駆け引きや知能戦が入ってきて、どっちに転ぶかわからないところがいいですね。
    小林流では「何もないところから勝手に何かを発生させる」という理はありえず、雷にしろ氷にしろ論理的な物理学のアプローチを入れてきて戦況を変えるのが他では見られない能力対戦の魅力だといえます。みんなが適当にバカというのも。
    肝心の主人公だけが超能力がないままというのは皮肉でしたね。
    主人公といえばまさか生き残るとは思っていなかったので、ハッピーエンドという所に一番驚かされたかもしれません。
    また続きを書いてほしいです。

著者プロフィール

1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他、『大きな森の小さな密室』『密室・殺人』『肉食屋敷』『ウルトラマンF』『失われた過去と未来の犯罪』『人外サーカス』など著書多数。

「2023年 『人獣細工』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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