彷徨える帝(上) (角川文庫 あ 40-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043659036

作品紹介・あらすじ

足利尊氏が幕府を開いてすでに百年、交互に天皇を立てるとの契約は破られ、南北朝合体後も逼塞を余儀なくされた南朝方は、密かに再起を期していた。北畠宗十郎は、その切り札となる後醍醐帝の能面入手を命じられる。一方、その秘密を知る将軍足利義教は、朝比奈範冬に能面奪取の密命を下す。幕府を崩壊させるほどの力が込められた能面の秘密とは?死闘の幕が開く!闇の後南朝時代を壮大なスケールで描いた歴史伝奇小説の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 再起をはかる後南朝小倉宮、鎌倉公方足利持氏と幕府方、足利義教との争い。 
    永享の乱が勃発する。

  • 嘉吉の乱の時代の後醍醐天皇の怨霊を背景にした物語
    今川、北畠など脇役級の家が主役

  • 必ずしも作品が豊富でもない時代を背景とする“時代モノ”…そういう作品は「こういう時代が在ったのか…」と新鮮なのだが、それと同時に「なかなかに興味深い」内容を含むことも多い…

    そうした「必ずしも作品が豊富でもない時代を背景とする“時代モノ”」に出会った。これがなかなかに面白かった!!

    「必ずしも作品が豊富でもない時代」を背景としていると同時に、“伝奇”としての面白さにも溢れる作品で、一寸夢中になった…

  • 後南北朝時代と呼ばれる時代は南朝が合体後、逼塞を余儀なくされた時代であり、歴史に埋もれた時代です。その時代を舞台として北畠家に生を受けた宋十郎、そして今川家縁の朝比奈範冬の2人の対立軸を中心として、謎の能面の争奪戦が展開します。この著者の「生きて候」は本多政重を描いた本格歴史小説でしたが、これは伝奇小説ともいうべき不可思議な本。あまり好みではありませんが、この時代の怪しげな雰囲気が良く出ている、そういう意味では面白い本かも知れません。

  • 2013/05/17完讀

    (6/10)

    後醍醐天皇將三神器的神力移到三個面具上,分別屬於幕府方的朝比奈範冬及南朝方的北畠宗十郎分別受命來找黑面具,據說看一眼就會被面具的力量魅惑,決心反叛幕府。宗十郎的師傅道円解開黑面具之謎後,在宗十郎一行人去取出黑面具,但當下被背振眾、範冬等幕府眾攔截,搶走黑面具,宗十郎也敗在範冬手下的暗器上。南朝方聯合鎌倉公方起義的陰謀失敗,鎌倉公方父子敗亡。將軍義教(是一個令人非常不愉快的角色)命範冬去尋找另外的面具。另一方面,身受重傷的宗十郎撿回一命,一邊養傷,一邊體會劍的極意。

    這本書最後面去要去把三歲的熊五右衛門放生…可是那是我最喜歡的角色……

    --
    第一次讀安部龍太郎,確實有一點隆慶的感覺(只要看到任何作者有一點隆慶的感覺就不由得會很激動),讀起來比隆慶流暢。不過,作者操控的影子太濃厚了,真矢和清姬這兩個人的刻畫有些莫名其妙的地方。宗十郎好像也是作者刻意讓他又復活的感覺,因此這本書在我心中,沒有閱讀前預想得評價高。

  • さぁ、下巻だ♪

  • 全2巻。
    南北朝の統一後、
    赤松の将軍弑逆事件のあたり。

    隆慶一郎先生が亡くなる前に
    会いたいと言ってた作家でおなじみ、
    阿部先生。

    読むの2作目だけど、
    やっぱりいまいちのめり込めない。

    なんか、小説としての描写が、
    若干ぶっきらぼうな感じを受けるのです。
    個人的に。
    行間を読めってことかもしれないけど、
    描写足りない感じで感情移入できない。
    特に今回は主人公が2人いて、
    どっちの主人公のシーンなのか時々見失う。

    話の作りは、確かに隆先生の描きそうな、
    歴史の裏側を伝奇で固めた感じで興味深い。
    呪いな感じがちょっとお腹いっぱい感はあるけど、
    隆先生なら魅力的に描いてくれそうな話。
    って思ってしまうあたり、
    残念な感じ。

  • 足利尊氏が幕府を開いてすでに百年。交互に天皇を立てるとの契約は破られ、南北朝合体後も逼塞を余儀なくされた南朝方は、密かに再起を期していた。主人公・北畠宗十郎は、その切り札となる後醍醐帝の能面入手を命じられる。一方、その秘密を知る将軍足利義教は、朝比奈範冬に能面奪取の密命を下す。幕府を崩壊させるほどの力が込められた能面の秘密とは? 後南朝時代の闇を壮大なスケールで描いた歴史伝奇小説の傑作。
    後醍醐天皇が呪力を込め、その目を見たものは、足利幕府倒幕に駆り立てずにはおかないという黒色尉、白色尉、父尉の3つの能面があるという。これら3つの能面の行方を北畠宗十郎・朝比奈範冬のそれぞれが追いつつ、義満時代に起きた応永の乱(大内義弘の反乱)、永享の乱(関東公方足利持氏の反乱)、嘉吉の乱(赤松満祐による将軍義教暗殺事件)など、当時の史的事実もこの能面によるものとして物語が進んでいく。
    安部氏の作品は、常に事実と虚実が巧みに盛り込まれ、どこまでが史実でどこからが虚実なのかがわからなくなってしまうことが往々にしてある。それだけリアリティーに富んだ作品だからこその錯覚なのだろうが、その巧みな筆致は益々冴えてきているように思う。
    ここ数年、時代小説作家たちの活躍が盛んになってきているが、安部氏がそのけん引役を果たしていることは間違いない。
    時代小説ファン、必読の1冊だろうと思う。

    2005年2月/角川書店/角川文庫

  • 後醍醐天皇の怨念がこもった3つの能面を中心として、戦国時代に突入する直前の足利義教の時代の南北朝抗争を描いた長編。主人公は南朝方の北畠宗十郎。観阿弥の暗殺から始まり、世阿弥が秘事を明かすスケールの大きな伝奇小説です。

    2010.03.18読了

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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