アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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レビュー : 693
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043791019

作品紹介・あらすじ

ピアノ教室に突然現れた奇妙なフランス人のおじさんをめぐる表題作の他、少年たちだけで過ごす海辺の別荘でのひと夏を封じ込めた「子供は眠る」、行事を抜け出して潜り込んだ旧校舎で偶然出会った不眠症の少年と虚言癖のある少女との淡い恋を綴った「彼女のアリア」。シューマン、バッハ、そしてサティ。誰もが胸の奥に隠しもつ、やさしい心をきゅんとさせる三つの物語を、ピアノの調べに乗せておくるとっておきの短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 3つの短編ともピアノ楽曲がふわっと絡んでくる。
    子どもの頃、ずっとピアノを習ってたのもあってクラッシック音楽が身近にあったけど、作曲者名とは繋がってなかった。改めて検索して…あぁ!この曲が!なんて思えて、とても楽しかった。
    BGMにそれぞれのテーマ楽曲をかけて読むと、主人公が子どもなだけに、私自身の子ども時代を色々思い出した。

    森絵都さんや中山七里さんとか…クラッシック楽曲を言葉で表現出来るなんてほんと天才!

  • 中学生を主な登場人物とした3つの物語からなる短編集。

    それぞれ
    ・シューマン「子供の情景」
    ・バッハ「ゴルドベルグ変奏曲」
    ・サティ「童話音楽の献立表」
    の副題がついており、YouTubeで曲を流しながら読むのが至高。

    表題にもなっている「アーモンド入りチョコレートのワルツ」が一番好き。絹子先生のような先生にピアノを習いたかった。小学校の頃、好きな教科がある曜日は朝からウキウキしていたのを思い出した。

    3編とも、中学生ならではの不安定さを抱えたストーリー展開ではあるのだけど、エンディングではなぜかとても優しい気持ちになる。それが角田光代さんの解説の通り、森絵都さんの力なのかな。

  • 子供の頃のキラキラした雰囲気と素敵な音楽に囲まれた小説。
    「彼女のアリア」がとても好き。

  • 中学生のころの頃こんな風に感じていたでしょ、なお話。

    中学生が主人公の3つの物語が、ピアノの調べに乗せて紡がれる。女性作者ではあるけれど、「子供は眠る」で描かれる少年たちの素直になれない群像がなんとも言えずグッとくる。そんなに深い音楽の話はないけれど、本当は曲を知っていればなおのことなのだろう(一つも知っている曲はなかった)。どれもハッピーエンドではないけれど、心静かに終わっていくので後味が良いのが不思議。

    バレンタインプレゼントでのいただきもの。ほぼチョコレートの話はない。

  • うちの中学1年生の娘は、ピアノが大好き。私としては同じ習い事ならバレエの方を頑張ってほしいところだけど、娘はピアノの方が好きみたい。そして、私が最も勧める読書には全然興味を示さない。

    この本なら、少しは面白がってくれるかなと期待ができた。ピアノ曲をベースにした短編集だし、どれも主人公は中学生だし。娘の部屋にそっと置いておこう。

  • 森絵都さんの作品はいつも優しく、心理描写が繊細な気がします。この作品もそうで、いつでも中学生に帰れる気がします。素直に良いと思った作品です。

  • 音楽をテーマにした3篇から成る短編集。
    主人公は中学生の男女で、多感な年頃のいわゆる「ほろ苦い」「甘酸っぱい」ストーリーが描かれている。

    情景や心理描写が細かい割にするすると読みやすく、登場人物の感情がすんなりと入ってくる。どの作品にも基本的に悪人がおらず、彼らの不器用さゆえのすれ違いに、思わず共感する。主人公は中学生だけれど、誰も悪くないのに不器用ゆえにすれ違ってしまうのは大人でもよくある事だなぁと自分の過去を振り返り反省したりもした。

    全200ページほどの短い本なので、読み慣れていない人にもオススメです。
    色々とすれ違いや勘違いが多く、誰も悪くないのに苛立つ人が多い昨今なので、これを読んで優しく穏やかな気持ちになってほしい。

  • クラシック音楽をテーマに、中学生たちの心の機微を描く短編集。

    読書対象は確かに小・中学生なのだけど、大人になった今読んでみて思うのは、理解していないことも財産であるということを気がつかせられる。

    自分は大人なので、読んでいながら、ああすればいいのに、こうすればいいのにといろいろ思いながら、むずむずしながらもどかしく読んでいるのだけど、途中からそれができないこと、どうすればいいのかわからないこと、そんな気持ちはその時しか味わえない、それは素敵なことだなぁと読み終わって思い知らされる。

    何か大きな動きや、どんでん返し的なものがあるわけではなく、中学生たちのそれほど変わらない日常が描かれているだけだけど、だからこそ余計感じるものがあったのかなぁとも思う。

    これ大人になった人に読んでもらってその方達の感想も聞いてみたいなぁ。

  • 再読
    中学生の普段の生活を少し切り取って見せてくれるような短編集。youtubeでそれぞれテーマの曲を聴きながら読んだ。便利な時代だなあ。ほっこり優しさに包まれたような読後感。角田光代さんの解説も含めて全てすきです。

    『子供は眠る』…子供の情景
    『彼女のアリア』…ゴルドベルク変奏曲
    『アーモンド入りチョコレートのワルツ』…金の粉、アーモンド入りチョコレートのワルツ

  • 私も、そうだった。
    知らずに誰かを傷つけ、見栄から小さな嘘をつき、変化を怖れて嘆いた。
    ちょっと苦い気持ちを追憶しながら読んだら、鼻の奥がツンとした。
    その苦さすら、「いいんだよ」と言われたみたいだった。

    角田光代さんの解説があまりにも印象的で、心に残っている。
    否定するより、肯定するほうがずっと難しい。
    世の中は、きれいなことばかりじゃないから。
    ありのままを受け入れるやさしさと、向かっていく強さを、持とうと思った。

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著者プロフィール

1968年生。『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。産経児童出版文化賞、小学館児童出版文化賞など受賞多数。06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞。著書に『カラフル』『みかづき』等。

「2020年 『あいうえおさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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