自閉症の僕が跳びはねる理由 (2) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044001513

作品紹介・あらすじ

考えてもみて下さい。生まれて一度も人に本当の言葉を伝えたことのない人間が、どんなに不安を抱えながら自分の言葉を伝えているのかを――。
皆が自閉症者に感じる「なぜ?」について当時者の気持ちをQ&Aで綴り、大反響を呼んだ前著『自閉症の僕が跳びはねる理由』。
高校生編となる本書では、会話ができず苦しみ、もがく中で気づいた喜びや希望が活き活きと綴られる。
文庫化にあたり16歳当時の貴重な日記を初公開! 瑞々しい感性とリアルな心の声が胸を打つ。

感想・レビュー・書評

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  • 自分で自分を奮い立たせるってことある。
    最後の文中にもある。13歳の時に書いた前作よりも、ひとつひとつの文章が長くなった。それは、自分自身を励ますため。胸の内をありのままに語ることで、明日を生きるために、自分を奮い立たせたかったからです、と。
    誰かに聞いてほしい時ってある。答えがほしいわけではなく、共感、慰めでなく、話す相手がほしい時。ありのまま話せばどこかで心繋がった、と思う嬉しい勇気が出る瞬間。
    そんな一筋の訴えを感じました。

    文章の所々、心に残る表現があります。

    ・この社会は、たくさんの人々で構成されています。その中で自閉症の人も生きているのです。

    ・もし、みんなが自閉症の僕たちのことを、かわいそうな人たちとだけ思うなら、僕たちは何のために生きているのかわからない。

    ・家族が僕のために頑張ってくれている姿を見て、僕も自分にできることを探して生きていかねばならない、と思うようになった。
    (自分にできることを探す、私も未だに考えています)

    限られた表現の術のなか、その中から外の世界を見る視点は感性が研ぎ澄まされていると思いました。

    春色のリボン
    春色のリボンをきれいに結ぼう
    少しおめかしして でも恥ずかしがらずに
    色は空色がいい どこまでもすみきったライトブルー
    僕の心は 春の草原 かわいらしい花々が咲き誇る
    誰かに贈れなくても 
    リボンがうまく結べなくても構わない
    自分のためにリボンを結んだら 僕はもう 春の蝶

  • 前著から3年...16歳になった著者の成長記録。対処スタイルが少しずつ身についていく様に感動。と同時に自身に問いかける。差別、蔑視する考えがちょっとでもないか?自信を持って“YES”と言える自分であるか...。まだまだ定期的なメンテナンスが必要なのが現実。それでも良いと言える社会の寛容さが共生社会を実現するはじめの一歩であるし、最終的にはそんな言葉が不要な社会になることが求められているように実感した一冊。

  • 自閉症の方にとってどんな対応、コミュニケーションしたらいいのかわからないって人結構多いと思う。
    絵カードなど視覚情報からはいったほうがいいとか言われてるけどからなずしも視覚情報から得て行動できるか、理解できるかっていわれたら全員できるわけじゃない。
    障害あるないに限らず人の感情読み取る、汲み取るの苦手な人っていてるとは思う。
    自分がもし自閉症者と関わって下さいっていきなり言われてもどう接していいのか分からんし、コミュニケーションもどうすればいいのか悩むし、東田さんの作品って一例とあげてくれてるから参考になる。
    他人のことなんか完全には理解できひんし少しでもわかろうとする気持ちが大事じゃないかってこの作品読んで思った

  • 知らなかったことばかり。
    目に見えるもの、表面にあらわれることばかりが全てじゃない。
    自分の想像力のなさを思い知る。

  • 新しい発見ばかりでした。自閉症の方はある意味不自由な生活を強いられている感じなのかなと思いました。自分を自分でコントロールすることが出来ないということが、どれほど不便なのかを少しだけですが知ることが出来ました。

  •  自分でもよく分からない、記憶できない、前例のないこころのゆらぎを、よく言葉にできたなぁと感心する。しかしながら、私の想像を遥かに超える困難さなのだろう。
     前作に比べ語彙は豊富になり、実感した言葉を顕しているように感じた。
     繰り返し出てくる「僕の場合は」という単語。著者は自閉症にもいろいろなケースを把握し、その中で社会の一員として生きている実感を得ているのではないだろうか。

     なんというか、圧倒された。
     気持ちを言葉にすることに、伝えることに難しさを感じる人に薦めたい。

  • 16才 ここまで真摯に、目を背けず、自分と向き合える。なんて強いんだろう。
    たくさんの人に、いろんな人に、老若男女問わずに読んでほしい、と心から思う。

  • 医学部分館2階書架 : WM203.5/HIG/2 : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410170218

  • 東田直樹さんの自身の紹介。自閉症のことを理解することができる。ただ、自閉症の全てではないし、人によって違うことを考えておくことは大切。
    学校ではよく「視覚支援をすることがいい」とされているが、それが全てで、それだけではいけない。東田さんも視覚支援だけを求めてはおらず、愛情を求めている。

  • 1の続きで新たに勉強になったことを記していく

    ・同時に2つのことをするのが難しい
    例えば、相手の顔を見ながら話をするなど
    変な方向を向いているのは、相手の声に集中するため
    ・こだわりは好きでやっているとは限らないから、周りの人が本人を観察して本当にやりたいのか見極めることが大事
    ・物事がうまく進むとは限らないのは頭ではわかっているけれど、ハプニングがおきるとその事実だけしか捉えられなくなる。ちょっと待ってと言われても待てないし、どうしようもない
    ・辛くても、悲しくても、笑ってしまうことがある
    ・なんでもかんでも褒められて嬉しいわけではない。頑張ったことを褒めてほしい
    ・記憶は点になっていて線として繋がっていない
    ・説明してもらって理解できないことよりも、どうせ理解できないだろうとハナから決めつけられることの方がずっと辛い
    ・パニックになった時1人にしてほしいわけではない。可能であればそばにいてほしい。困ったような悲しそうな態度をされると自尊心が傷つく

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著者プロフィール

1992年生まれ。重度の自閉症でありながら、パソコンおよび文字盤ポインティングによりコミュニケーションが可能。著書『自閉症の僕が跳びはねる理由』が現在30か国以上で翻訳され、世界的ベストセラーに。

「2020年 『世界は思考で変えられる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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