- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046001160
感想・レビュー・書評
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気がつくと既に<絆コスト>を支払っているのが<内発性>です。50
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相手のその都度の反応に一喜一憂する「細かさ」や、相手の言葉をいちいちリテラルに理解する「硬さ」は、相手を必ず不幸にします。58
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感情の振れ幅を大きくすることで<変性意識状態>に誘導します。83
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日常的リアリティに素朴に洗脳された主人公と観客を批判するところです。
「日常的リアリティに洗脳されているからこそ、洗脳者によって振り回されるのだ」とね。
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「世界ワンダーランド化のためのナンパ」へ、というステージの移行が、今は必要なんだと思います。122
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立石くんは「うまくいったらいいや……」みたいなスタンスじゃないですか。「自ら何かを切り開いていこう」という感じが見えない。142
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期待が外れて当たり前。だからどんどん期待する。
経済取引じゃないんだから、信頼ベースで行くんです。148
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「相手の世界に合わせない」こと。153
自分が相手にとって魅力的であるには、まず自分が魅力的な世界を知っていないと始まりませんよね。157
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自己防衛もまた、損得勘定の自発性にすぎません。160
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僕は「社会学者が社会を知らないなどあり得ないから、社会を知る必要がある」と思った。167
「自分がなぜナンパをしなければいけないのか」
学びへの強い動機は、学ばなければならない必然性についての、恣意的ではない体系的な理解があって初めて、持続可能になります。
ハングリー精神のような抽象的な動機は、ハングリーじゃなくなったら、それで終了でしょう。168
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「あなたのキスは『自分のことをわかって!わかって!』というものだから、あなたとは付き合えない。あなたのお母さんの代わりになる人はいないのよ」177
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女の子の言うことを聞いて「してあげている」と思っているんですよね。
女の子じゃなくて「自分がやるべきこと」に目を向けたときに、自分は変わる。181
自分のなすべきこと、つまり女の子を<ここではないどこか>に連れていくことだけを、徹底的に考えるんです。182
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彼らは切実な欲求や情熱が沸いていないままナンパを続けてしまう。200
言葉を換えると、シンジさんは「黒光りした戦闘状態」なのに、彼らはそうじゃない。201
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「黒光りした戦闘状態」は身体を使ってつくり出せるんです。
ナンパをする前に正拳突きを100回!とかやったらどうだろう?201
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相手があなたをどう見ているかを気にすることではない。
相手があなたならぬ世界をどう感じているのかを、あなたが理解できること。267
あなたは世界の中でどうでもいい存在――イエスの言う貧しき者――です。
あなたにどれ程の内なる光が宿るかだけが、全てを決めるのです。268
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すごい社会学ってこういう視点使うんだとか勉強になった一冊。
もちろんナンパしたいってのも思ったけど、一貫して、
[どうして]を自分で考えろっていうメッセージが残ったなー。
変性意識状態。これキーワード -
やはり経験は机上に勝るなと思いました。ナンパについての話,性愛についての話ですが,実経験を伴っている分,言葉に説得力があります。「人間は考えも肉体で行なっているもの」(p.238)と述べられますが,まさにその通りで,頭だけで「ナンパとは何か」「性愛とは何か」だけ考えていてもどこにもたどりかないわけです。肉体(=経験)を使いつつ,頭(=言葉)も使う。本書はまさにそれを実践しています。
プロローグ,第1部は難しい言葉も出てきますが,第2部はトークイベントが元になっているということもあって読みやすかったです。
トークイベントとは「宮台真司の愛の授業2012」というもので,社会学者の宮台真司とゼミ生の立石浩史,ナンパカメラマンの鈴木陽司,若手カリスマナンパ師の高石宏輔と公家シンジ,女ナンパ師のサユリ,隠れ超越系のナオミ,ナンパ指導を受けた非モテ系大学生のバリア君が登場します。
第二部の冒頭は宮台氏が話しすぎではないか?(宮台パートが多すぎではないか?)と思いましたが,読み進めていくうちに高石氏や公家氏の語りが増えてきて,宮台氏の一人語りではない場の”空気感”みたいのがなんとなく伝わってきました(宮台氏が話しすぎていたのも戦略かも?と思われた)。ただ,サユリやナオミの語りが少なかったので彼女たちの声も聞きたかった部分もあります(当日のトークイベントでは話したのかもしれませんが)。
本書で語られるナンパと性愛の鍵は<変性意識状態>。登壇者の一人である高石氏(カリスマナンパ師/カウンセラー)によると変性意識状態とは「自分の好奇心と,ときに現れる恐怖心とも向き合いながら,新しいものを求めていく過程で得られる特別な意識の状態」(p.132)とされます。心理学で言うと,フローに近い状態かもしれません。
ナンパの過程で<変性意識状態>になり結果として忘我のうちにナンパしてしまっている。セックスに取り組むうちに<変性意識状態>になり結果として深い=獣のようなセックスをしてしまっている。ナンパ学ないしはセックス学とも言えるような話が本書では出てきます。ちなみに,セックスに関する話は,アダム徳永氏とも共鳴するように思いました。
テクニック以外でナンパや性愛を言語化している本としてとても興味深く拝読いたしました。ただ,少し物足りなさもあって,それは概念の焼き増し感です。たとえば,島宇宙は以前(援交少女の分析時)から宮台氏が用いていますし,非日常(これは<変性意識状態>にも関わりますが)概念の重要性もこれまでに言われていることのように思います。トークイベントを書籍化した本書に求めすぎてしまってすみません。それくらい面白い本でした。
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面白かった。何がって、宮台チルドレンの一人をこきおろすところ。自己防衛のために自分にしか興味が向いてなくて、他人を直視出来ていないって指摘が興味深い。
ナンパなんか多分一生せぇへんけど、変性意識状態って言葉は覚えておこう。 -
【ポイント】
・性的に過剰な女子、リアルにこだわる男子がイタイ時代になった
→島宇宙の過剰細分化を回避し、社会に適応することにより性愛の実りから見放される
→近代社会は性愛と政治の2領域で変性意識状態を不可欠とする。「内発性」が不可欠
・「変性意識状態」(トリップ、トランス状態)を作る
→ナンパをするときは「黒光りした戦闘状態」(何かに取り憑かれたような状態)でやる
→相手を変性意識状態に感染させる
→〈内在系〉と〈超越系〉を見分ける
・損得勘定を超えたVirtue(内から湧き上がる力)を示す人は、周囲を次々にミメーシス(感染)させていく
→〈恨みベース〉から〈希望ベース〉へ
【学び】
自分はナンパというものをやったことがないが、ナンパにも哲学や方法論があることを知り驚いた。希望ベースの動機で始まり二人が「変性意識状態」を体験する実り多いナンパと、「恨みベース」から始まる実りのないナンパとの違いも興味深い。自分の知らない世界を覗き見るつもりが、その中に普遍性を見出すことができた。 -
とても面白かった。
タイトル通り恋愛の話で、主要な話題はナンパとはなんぞや、ということから色々深堀りしてく感じ。
具体的な引用は憚られる。
「変成意識状態」というキーワードが頻繁に出て来て、暫くはこの言葉が頭から離れなさそうだ。 -
「死」の本を読んだ後は「生」の本。
ということで「恋愛学」ですw
本書はナンパをメインに話が進んでいきますが恋愛学と言うよりは人生学とでも言いましょうか、対人において参考になることがたくさん出てきます。
まぁたまに「それはどうなの?」と思うこともありますけどね。
「物格化」から「人格化」と言うのがキーワードで恋人でも夫婦でも、あるいは親子でも相手を「所有物」とみなしている内はダメダメと言うことで反省する点もありました。
エピローグにある「あなたは世界の中のどうでもいい存在」ってのも至極納得できるのでした。世界は自分中心には回ってないものね^^
面白い本なので本屋で見かけたら手にとってみてください。
そしてみなさんも良い恋愛をしましょう(笑)