舞妓さんと怪盗大旦那 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2.79
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本棚登録 : 118
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048690348

作品紹介・あらすじ

やっと仕込みから舞妓になれた、どこかどんくさい少女、一花。一花は祇園の夜道で京を賑わす怪盗と出会い、彼を助けることに。その日から一花の運勢は上向いていく。祇園の大旦那と呼ばれる青年がひいきになり?

感想・レビュー・書評

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  • 【近頃、祇園を賑わす花みっつ。舞妓に怪盗、そして事件? 】
     福井の田舎から祇園へ出てきた一花。どこかどんくさい少女で、やっと仕込みから舞妓になれたばかり。
     お座敷は失敗の連続。落ち込む一花が夜道で出くわしたのが、なんと怪盗だった。怪盗夜行──最近、京を騒がす義賊である。人の好い一花は、追われている夜行を逃がす手助けをするのだった。
     その日から、一花の運勢は上向いていく。なぜか、一花をひいきにする青年が現れたのだ。石川総司は若くして祇園の大旦那と呼ばれる青年実業家。だが、禍福はあざなえる縄のごとし。時を同じくして、一花は驚くような事件にまきこまれていくのだった。

  • 前半はわりとほのぼのした舞妓さんのお話。
    途中から一変し、後半はかなり胸糞な展開で予想外でした。
    事件の内容がかなり重いし後味悪いので好みは別れそうです。
    ここまで胸糞展開にしなくても良かったのでは?
    祇園で起きる小さな事件や謎を解決してくような話かと想像していたので、この事件は設定から想像出来ないほど重たくてしんどいと思ってしまいました。

  • 【感想】
    ・ミステリとは思ってたけど題名と表紙カバー絵から想像するのとはかなり外れるキツい展開。こういう犯人は嫌いなんで途中で読むのがイヤになってきた。爽快感はなく、イヤな後味が残った。仕掛人とか、刑事物とかどこにでも出てくるこういうステロタイプの犯罪者ではなくもう少し知的なゲームにした方が舞台の雰囲気には合ってると思うけどなあ。今のままでは舞台が祇園である意味があまりないと思える。
    ・ただ、一花と大旦那の掛け合いはおもろい。せっかくのモチーフなんでそっちをメインに?

    【一行目(序章ではなく第一章の始めを)】
     日本家屋が立ち並ぶ古い街並み。その路地の奥から、こぼ、こぼ、こぼ、と可愛らしい軽やかな足音が聞こえてくる。ここ祇園ではよく耳にする音で、おこぼと呼ばれる厚底の下駄が発するものだ。

    【内容】
    ・悪徳刑事により冤罪をなすりつけられそうな男。
    ・一花、傷ついた怪盗と出会う。
    ・先輩舞妓が自殺しその理由を追う一花と大旦那のコンビ。

    ▼簡単なメモ

    【石川総司/いしかわ・そうし】「祇園の大旦那」と呼ばれる花街の顔。まあネタバレでもなく、題名からして彼が怪盗夜行なんやろう。多くの商いをし、なにかと物いりの芸妓の面倒を幾人も見ている。はんなりとした超美形で芸妓たちの憧れの的。超然とした夏千花ですら入れあげている。夏千花いわく「京都が服来て歩いてるような人」。一花と話すとどうしてもペースを乱されるようで挙げ句の果てに漫才師呼ばわりされショックを受ける。オーガニック食派でポテチを目の敵にしていたが一花に食べさせられる羽目に陥り「美味い」と言ってしまった。
    【一花/いちか】主人公。舞妓見習い。いつも明るくノーテンキ(天真爛漫)。身長百五十センチそこそこで十六歳の童顔。福井出身で言葉にまだ福井弁が少し残っている。騒動を巻き起こし周囲に(特に風花に)迷惑をかけがち。正直、この奔放さは恐ろしい・・・。ジャンクフード派。本名は宮田舞子。
    【大久保】若い刑事。まだまっとうなところが残っている。
    【大旦那】→石川総司
    【怪盗夜行】数年前から京都に現れるようになった義賊。犯行予告をする劇場型の盗賊。
    【木下真理亜】風花の母。
    【杉下組】暴力団。
    【角谷/すみや】客。品のよさそうな初老の男。実はヤクの売人でありつつSと呼ばれる警察の(守屋の)協力者。
    【津田】警察署長。怪盗夜行を逮捕するため陣頭指揮を取った。気に入らないことがあったらすぐヒスを起こす。
    【津田王司】風花の高校時代の同級生。風花に限らず大勢をいじめており失明までさせていたが警察沙汰にならなかったのは警察官の子どもだからといううわさ。たぶん署長の津田の子なんやろう。ものごとを根に持つタイプ。二人の子分、拓と悠真を引き連れている。
    【夏千花/なつちか】一花の先輩。祇園でも一、二を争う有名な芸妓。
    【半だら】見習いのしるし。舞妓のものより短い帯。
    【風花/ふうか】一花の面倒を見ている先輩舞妓。もうすぐ芸妓になる。とんでもないことをしでかす一花だが風花は優しく見守っている。本名は木下美風(みかぜ)。
    【藤田清子】一花の所属する屋形(やがた)「桜華」の女将。まだ若く、三十路手前。
    【舞妓】芸妓になるまでの見習い期間でもある。お店出しまでに育成費用が三千万円ほどかかるので途中で辞められたら大赤字。
    【松岡】誘拐と婦女暴行の冤罪を着せられそうになっている拳銃マニア。
    【守屋】犯人をでっち上げ、覚醒剤を横流しする普通の刑事。
    【山崎】杉下組の幹部っぽい男。

  • 最初は可愛らしいお話だなぁと、面白いなと読んでましたが…途中からいじめで失明したとか覚醒剤でレイプしたとか耳を切断されたり指を切られたり。苦手です。表紙に騙されました。京都のお話は無条件に大好きな田舎モンなんですがちょっとそのあたりがリアル過ぎて…福井弁と京言葉のかけあいもちょっとだけ読みにくいというか。とにかく半分からは流し読みでした。結末は勧善懲悪で好きなんですが…個人的にはじっくり読むのはキツイですσ^_^;

  • 途中までは京都祇園ののんびりミステリかと思っていたら、途中から血なまぐさくなってきた。いくら勧善懲悪とはいえ、現代日本が舞台となると、あまり良い気分で読めなかった。
    2019/6/9

  • 京ことば、よかったけど
    途中でいきなり重たい事案が出てきて
    引いてしまった。

  • やっと舞妓になって初めてのお座敷、初めての失敗
    初めての…怪盗。

    ここまでマイペースで大丈夫か!? と思うほど
    人が怒っていても気が付かない主人公。
    良い子というよりも、のほほんとしていても
    自分をしっかり持っている感じです。
    とはいえ、周囲にいる人は大変そうですが。

    道で拾った怪盗と、大旦那と言われる男。
    これはどう考えても…ですが、現実はお約束と違い
    悟られたりするはずなのですが、そこは主人公ですからw
    これに恩返し? をするのは、至難の業化と。

    そんな人間関係をよそに、別の所の人間関係は
    ものすごい状態になってます。
    警察ってこんなのだったら嫌だな、というほどに。
    すがすがしいほど、何の呵責もない人達でした。

  • ラノベなのにヘビーな事件。出てくる奴らがクズばっかりでウンザリする…。若くして大旦那、の出どころわからない金遣いも、福井の人と舞妓はんを馬鹿にしすぎか!ってくらい頭悪い舞妓も魅力なし。風花ちゃんの決意が貫かれたら良かったのに、と彼女の身に起きたことが残念でたまりません。

  • 舞妓を目指し、田舎から祗園へと出てきた見習い 一花は未だに訛りが抜けない素直さが取り柄の少女、一花は記念すべき「お店出し」直前に座敷で失敗をしてしまいこっぴどく叱られ、「お店出し」を延期させられてしまう。しかし何がダメだったのか分からない彼女は店を飛び出してしまう。一花が花街を歩いていると物陰でうずくまる人を発見し、声をかける。その人物は世間を騒がせる怪盗夜行であり、それを知りながらも一花は怪我をする夜行を助ける。後日、一花は祗園の大旦那と呼ばれる 総司に指名され、意気投合した一花は彼から舞妓のなんたるかを色々教えてもらい大きく成長する。そんな折、一花と姉妹関係にあり、一花に優しく接してくれていた 風花が自殺をしたという一報が入る。しかし一花は風花の性格からこれに納得できず総司とともに事件をもう一度洗い直そうと行動を開始する。。そこで一花が知った事件の衝撃の真実とは…。
     
     本作は表紙から意外と明るい感じの内容なのかなと読み進めていたが、終盤に近づくに連れて黒い部分が徐々に滲み出てきた。特に怪盗夜行の終盤での行動は読んでいてぞっとするものがあった。作者もあとがきで書いていたが、確かに善悪をきっぱりと分けた内容で個人的には好みであった。また一花と総司の掛け合いが面白く、思わずくすりとしてしまった。
    次にも期待!!

  • まず「怪盗」が好きなんだ。
    気になって斜め読みしたら、内容も好きそうだったので購入。

    で、まんまとハマりました。

    のんびりした一花と大旦那の掛け合いがよいよ。
    事件は結構ハードだけど。
    怪盗さんの悪党っぷっりもすごいしね。

    ちょっとでも血なまぐさいシーンがダメな人は読まないほうがいいかも。

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著者プロフィール

福井県出身。電撃小説大賞で見い出され、メディアワークス文庫にてデビュー。『マリシャスクレーム』『鴨川貴族邸宅の茶飯事』『舞妓さんと怪盗大旦那』など著作多数。小学校入学までを石川県金沢市で過ごす。東京に出て作家デビュー後、とある事情から京都に移り住む。現在は長野在住。

「2017年 『装幀室のおしごと。 ~本の表情つくりませんか?~ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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