レオナルドのユダ

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 91
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (502ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048734882

感想・レビュー・書評

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  •  ここまで人は人に魅入られるものなのか、最初から最後までダ・ヴィンチ讃歌に満ち満ちた物語。
     彼の絵画の素晴らしさを中心に、後に弟子となる貴族の息子フランチェスコと彼に付き従うジャン。二人の成長を追いながら話は進む。
     タイトルからもっと謎解き的な進み方をするのでは、と考えていましたがそんなことより何よりダ・ヴィンチは素晴らしいんだ!と彼に魅入られたフランチェスコとジャンの賛辞に次ぐ賛辞、モナ・リザのモデルに対する答えはなるほどと思いましたが、「ユダ」に対する謎解きは謎?というより考え方、気持ちの問題でちょっと肩すかしな感じが否めません。
     ただ、褒めちぎるだけの話をそれなりに読ませるのは、作者の力量と愛の成せる業ですね。

  • 随分前に一度図書館で借りて、期限内に読み切れず再度トライ。
    好きな時代の好きな話なんだけど・・・今一つ好きになれない。
    チェーザレも出てくるし、レオ10世も出てくるし、かなりどんぴしゃな筈なんだけど・・・。
    主人公というか狂言回し的役割のジャンのことがイマイチ好きになれないからかな?
    というか、今一つ誰にも感情移入できないからか、今一つのめり込めず。

  • モナ・リザや最後の晩餐などの絵画、人体解剖による人体組織の解明、綿密な自然観察から考案した飛行機械など、芸術、科学の分野で様々な功績を残した万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチ。
    領土拡大をもくろむ支配者層の間で繰り返される戦争や、町を飲み込むペストの流行など、華やかなルネサンスの息吹をもかきけしてしまうような時代の流れの中で、偉大な「師匠(マエストロ)」とその弟子たちの愛憎を描いた歴史サスペンス。

    意外とイメージになかったダ・ヴィンチその人の人物像が、あらゆる角度から描き込まれていて、そのあたりは収穫かも。
    ただ、サスペンス仕立てなのに、イマイチすっきりしない。
    語り手の登場人物の感情がむきだしすぎて物語の輪郭がぼやけた感あり。
    なんだか消化不良の読後感でした。

著者プロフィール

1948年生まれ。版画家。日仏現代美術展でビブリオティック・デ・ザール賞受賞。『時のアラベスク』で横溝正史賞を受賞しデビュー。著書に『この闇と光』、『一八八八 切り裂きジャック』(角川文庫)など。

「2019年 『最後の楽園 服部まゆみ全短編集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

服部まゆみの作品

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