火鍛冶の娘 (カドカワ銀のさじシリーズ)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年3月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048741866
作品紹介・あらすじ
火鍛冶の匠を父に持つ少女・沙耶。鉄を鍛え、武器や道具を作り出す父親に憧れ、自分も火鍛冶になることを目指す彼女だが、この世界には、女は鍛冶をしてはいけないという掟があった。男と偽り、鍛冶を続けていた彼女に、都からとんでもない依頼が。それは20歳になる麗しの王子に、剣を鍛えてほしいというもので…。叶わぬ夢に身を焦がす男装少女の、鉄と炎の和風ファンタジー。
感想・レビュー・書評
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似たような設定を読んだことあるのでストーリーが分かってしまい真新しさ感じず。
だが、ありきたりの設定が安心感につながり今の自分は癒しを求めて、そこから脱却できていない。
もう少し児童図書が必要かな詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
廣嶋先生の恋愛描写好きだから・・・なんか・・・良かったな・・・
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人間が作った掟は、神の望んでいたものではなく、女であっても鍛治をしていた巫女がいたということがすごいと思いました。
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火鍛冶の匠を父に持つ少女・沙耶。鉄を鍛え、武器や道具を作り出す父親に憧れ、自分も火鍛冶になることを目指す彼女だが、この世界には、女は鍛冶をしてはいけないという掟があった。男と偽り、鍛冶を続けていた彼女に、都からとんでもない依頼が。それは20歳になる麗しの王子に、剣を鍛えてほしいというもので…。叶わぬ夢に身を焦がす男装少女の、鉄と炎の和風ファンタジー。
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最後の部分だけ未読のままだったのをようやく読了。男しかできないはずの鍛冶の仕事がしたくて男として生きる娘。その力を認めてもらいたいという思いが災いの剣を生むことになる。サクサクと話が進み、新しい神話が物語られる。
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2014年、13冊目。
最近、お嬢さんと図書館通いが増えてるのである。でもって、必然的に児童書コーナーをうろつくのである…
ということで、やっぱり偶然手に取った一冊。
図書館ではほぼお嬢さんの後を付け回してるので(ついて来ないでって言われる…けれど、心配性な母心)、自分の本をゆっくり探してる余裕もなく、こちらの本もタイトルだけでパッと選んだという。
そもそもお嬢さんが今ハマってるのがバーバパパと怪傑ゾロリシリーズ。ゾロリの作者が原さんで、火鍛冶の娘の作者が廣島さん…
まあそんなことですが。
読み聞かせには向かないな。というか、お年頃になっても無理です。でも、面白かった。
昔読んだ氷室冴子さんの古代ファンタジーシリーズを思い出したりもして、ちょっぴりムネアツ…
何より読みやすかったなぁ!
ということで。 -
個人的には物足りないけど…小学校中学年~中学生くらいかな。
和風ファンタジー。王族のごたごた。
そういうのが好きなら、すすめてもいいかな。
ジェンダー意識もこのぐらいならわかりやすい。と思う。
恋愛色は思った以上に薄かったな。メインではなく、飾り付けな感じ。
それもまたよし。 -
やりたいことのために少女は、男になろうとした。またその一方男になりたくないのに嫌々男にさせられた少女がいた。その2人の少女たちが作ってしまった心の歪みが悪夢を呼んでしまう。。。
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★★★★☆
父の鍛冶の仕事を見ているうち、その仕事を受け継ぎたいと思ったが、女が鍛冶をすることは認められなかった。
諭しても叱ってもあきらめない娘に、父は男として生きる決心を問う。
(まっきー) -
火鍛冶になるために男として生きることを望んだ少女沙耶が、自らが鍛えてしまった魔剣を葬るために、自身と向き合い葛藤する物語。…なんだが、沙耶が結構立ち直り早くて前向きなんで、グイグイ物語が進んでテンポがよく暗くなりすぎない処がいい感じ。加津稚王子とのやり取りには思わずニヤニヤしちゃいましたしね!読後に物語の『それから』を読者に想像させてくれるお話って大好き~。とっても面白かったです(*´∇`*)
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普段は読まないジュニア向けの小説というジャンルだが、鍛治製鉄に興味があるので一読してみた。
「女には鍛治はできない、させてはならない」という掟に逆らい、鍛治の腕を磨き匠として成長していく主人公の一途な思いは、思いもしない形で魔剣を産み出す。
それが、女であることを否定し抑圧してきた自らの心が招いたものであると知った主人公は、この魔剣を打ち破る力を持ったもうひとつの剣を産み出すために自分を変えようとする。
…ネタバレになるのでこれ以上は書かないけれど、最終的に主人公が自らの女性性を受け入れて、いわば「生まれ変わる」というプロセスが物語の重要な核になっていることに複雑な思いを抱いた。
ジュニア向けの小説としては、恋愛風味も少ないほうであろうしそこは好みなのだが。
ただ、鍛治の神はそもそもは女性を拒絶してはいなかったのだ、という展開には(物語とはいえ)ちょっと嬉しくなったりしたのだった。 -
男でなければ鍛冶をしてはならないという掟。
男と偽り、女であることを否定する。男として、男でなければ―それらの思いに闇がうまれ、沙耶のうつ剣が魔に染まる…。
いいですねぇ、和風ファンタジー。
ラストの甘〜い?感じも含めて、ニヤリの一冊。 -
きのう読み始めてきのう読了。はじめての作家さん。
簡単にいうとおもしろかった、けれど、無難な印象を最後までぬぐえなかったのがちょっと残念。読みやすさのためかもしれない現代っぽさが、個人的には嘘臭さにつながって感じられてしまったからかな。逆に、ノリがもっとライトだったらそれはそれでよかったのかも。会話文のテンポが、ときどき好き。もしかすると現代ものの方が向いている方なのかしら。
随所にある一文にまとめられてしまっている描写を、もっと細かく丁寧にひらいていったら長くなりすぎるのかなぁ。 -
少女・沙耶がりりしいです。
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廣嶋さんらしい、和風ファンタジー。もとが児童文学の方だから、平易な言葉で丁寧に描かれていて読みやすかった。この人の「送り人の娘」も読んでみたい一冊。
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送り人の娘に続いての銀のさじシリーズ二作目。
前作も嫌いじゃなかったけど「あと少し」と思う部分がたくさんあって満足ではなかった。
今回は撒かれた伏線もきちんと回収されてたし、前回より満足かなぁ。 -
(No.11-47) カドカワ銀のさじシリーズ。古代日本ファンタジー。
内容紹介を、表紙裏から転載します。
『火鍛冶(ほかじ)の匠を父に持つ少女・沙耶。
鉄を鍛え、武器や道具を作り出す父に憧れ、自分も火鍛冶になることを目指す彼女だが、この世界には、女は鍛冶をしてはいけないという掟があった。
男と偽り、鍛冶を続けていた彼女に、都からとんでもない依頼が。
それは20歳になる麗しの王子に、剣を鍛えてほしいというもの。
叶わぬ夢に身を焦がす男装少女の、鉄と炎の和風ファンタジー!』
私が好きな、元気でちょっぴりわがままな女の子が頑張る話!しかも古代日本が舞台のファンタジー。設定は全部私のツボですが、でも読んでみたら合わないこともあるので、これはどうだろう?
で、面白かったです。
まず、「女だったらダメなの?だったら女やめる!女にならないように神様お願いします。」というきっぱりした姿勢の沙耶が好ましかったです。
そしてここで描かれる神様という存在。たまに人間と関わるけど気まぐれでずっと大きな存在なので、人々が思っているようなのとは違うのです。神は人を罰したりしない、なぜなら人にそういう興味を抱いていないから。
一方の魔物。魔物は実は人の心が生み出すもの。
これらの設定がとてもいいなと思いました。
魔物を生み出してしまった沙耶と、魔物にとりつかれるだけの闇を抱えていた王子。
二人が本当に望んでいたことは何?
ラストはちょっと上手く行きすぎ?でも、だから気持ちよく読み終われました。
終章の2ページが良かったです。
以前この方の「送り人の娘」を読みました(レビューは書かなかった)。あちこちでレビューが上がっていて、面白そうだと思ったので。
読んでる最中は面白かったはずなのに印象に残らなくて、なんだか頭の中で融けてしまった。
もう一冊挑戦してみようと思い、これを読みました。
こっちは好みに合っていて、ちゃんと記憶に残る話でした。良かった~読んで。 -
「女は鍛冶をしてはいけない」 父とその仕事にあこがれ、男といつわり、鍛冶の仕事を続ける少女・沙耶。父の死後、沙耶のもとに王子の成人を祝い、剣を鍛えてほしいという依頼がくるが…。男装の少女の成長の物語。第二王子の加津稚とのやり取り(?)もおもしろい。
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鍛冶が男の神聖な仕事とされていた頃、一人の少女サヤが女であることを隠して、男として鍛冶師になる。女であることを嫌悪し、憎む気持ちが、サヤがつくった神剣に宿り、その神剣を持った王子が事件を起こす。
幼い頃から、鉄に親しみ、父親と二人きりで生きてきたサヤ。女性のため、許されない鍛冶の仕事を男になりきって行う姿が切ない。鍛冶の仕事を愛し、父親を尊敬し、自分もやがて素晴らしい鍛冶師になりたいという強い気持を持つ反面、心の中のどこかで女であることの後ろめたさを感じ、それを否定するために男として行動する姿に少しだけ、自分にもこんなことがあったなあ・・・と思い出される。人間の心の闇の部分を得体の知れない生き物にたとえていて、描写をイメージしながら読みました。 -
物語の中盤で、沙耶がなぜ、力を持った刀を打てるのかがわかる場面は秀逸でした。
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男しか鍛冶を行わない世界で、たぐいまれな才能を持ち、女でありながら男のなりをして鍛冶を続ける娘、沙耶。
ある日、依頼を受けて作り出した剣が思わぬ事態を招く。
ラストに向けての収束感がたまらない。
らぶらぶで結構なことです(笑)
「もう好きなようになされと伊津見さまもわしも諦めたわ」
…護足も苦労するなあ。