新版 歌集 てのひらを燃やす (塔21世紀叢書 第 330篇)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 101
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048841832

作品紹介・あらすじ

今最も注目の歌人、大森静佳の第1歌集『てのひらを燃やす』(2013年)が、ソフトカバーになって生まれ変わる。現代歌人協会新人賞、歌人クラブ新人賞、現代歌人集会賞、受賞歌集。

感想・レビュー・書評

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  • イベントで大森さんがいらしてたので、ちゃっかりサインを頂きました!
    NHK短歌での解説がとてもチャーミングなのですが、実際にお会いすると小柄で物腰柔らかで、ますますファンになりました。

    てのひら、いつも毎日見ていて使っているはずのに気に留めていなかった自分に気づかされる
    ふとした日常に沸き起こる感情の変化だったりドキッとさせられるような男女の機微を題材にしていて、こんな風に歌に詠めたらいいなあと付箋はりはり

    厳選した好きな5首
    自転車のかごに駐輪場の券いつまでも放っておく日々なのに
    忘れずにいることだけを過去と呼ぶコットンに瓶の口を押しあて
    手花火を終えてバケツの重さかなもうこんなにも時間が重い
    いつもわたしがわたしの外にいてさびしい豆腐のみずも細く逃がして
    生きている間しか逢えないなどと傘でもひらくように言わないでほしい

    • まことさん
      ベルガモットさん。
      新年あけましておめでとうございます。
      今年もよろしくお願いします。
      私も、この歌集持っています。(まだっちらっとし...
      ベルガモットさん。
      新年あけましておめでとうございます。
      今年もよろしくお願いします。
      私も、この歌集持っています。(まだっちらっとしか見ていません)
      ベルガモットさんはご本人に会われたのですね!
      NHKに出ていらっしゃる方とは全然知りませんでした。
      私も、今年は短歌をたくさん読みたいと思っています。
      ベルガモットさんの本棚も参考にさせてくださいね。
      色々、教えてください。
      2022/01/01
    • ベルガモットさん
      まことさん、
      新年あけましておめでとうございます!
      こちらの歌集お持ちなんですね♬
      第2歌集の『カミーユ』と迷いました。
      短歌の読め...
      まことさん、
      新年あけましておめでとうございます!
      こちらの歌集お持ちなんですね♬
      第2歌集の『カミーユ』と迷いました。
      短歌の読めば読むほど味わい深い世界の沼にはまっております。
      こちらこそ、まことさんの魅力的な本棚を参考にしております☆
      これからもよろしくお願いいたします。
      2022/01/01
  • 一年とおもう日の暮れ樹の匂う名前の駅で待ち合わせれば (硝子の駒)

    塗り絵のように暮れてゆく冬 君でないひとの喉仏がうつくしい (遠近)

    あとがきのように寂しいひつじ雲見上げて君のそばにいる夏 (晩夏抄)


    時間の経過の見せ方とか、比喩のやさしくて切ない感じというか、物悲しさがステキだと思いました。


  • Twitterで川上未映子さんが、大森静佳さんの新刊歌集を絶賛されているのをみかけて。
    こちらはデビュー作。ひとつひとつの言葉の選び方が鋭くて、一瞬の永遠が鮮やかに切り取られていて好き、と思った。

    **
    途切れない小雨のような喫茶店
    会おうとしなければ会えないのだと

    とどまっていたかっただけ風の日の
    君の視界に身じろぎもせず

    夕空が鳥をしずかに吸うように
    君の言葉をいま聞いている

    この夏は針となり降る蝉の声
    忘れたくないことを忘れずにいる

    あとがきのように寂しいひつじ雲
    見上げてきみのそばにいる夏

    手花火を終えてバケツの重さかな
    もうこんなにも時間が重い

  • つばさ、と言って仰ぐたび空は傾いて
    あなたもいつか意味へと還る

  • 角川短歌賞を受賞した俊英の第一歌集。一冊まるごと相聞歌という若い女性ならではの内容だが、歌はどれも静かで深い。そして言葉の使い方が自由だ。「冬の駅ひとりになれば耳の奥に硝子の駒を置く場所がある」「カーテンに遮光の重さ くちづけを終えてくずれた雲を見ている」「てのひらの重ねるための平たさの夜は兵士のように立つ樹々」「レシートに冬の日付は記されて左から陽の射していた道」「外国の硬貨のレリーフのような横顔ばかりのあなたと思う」「これは君を帰すための灯 靴紐をかがんで結ぶ背中を照らす」「みずうみの絵葉書を出す片隅にえんぴつで水鳥を浮かべて」「平泳ぎするとき胸にひらく火の、それはあなたに届かせぬ火の」

  • 何を言っているか、完全にはわからないのに、読んでいるとドキドキする。著者の切実な「発見」「願い」が、短歌という形のリズムの中で誤摩化され、いくぶん軽くなる。それがほどよく心地いい。

    以下すきな短歌



    いつもわたしがわたしの外にいてさびしい豆腐のみずも細く逃がして

    この世からどこへも行けぬひとといる水族館の床を踏みしめ

    背景にやがてなりたしこの街をあなたと長く長く歩いて



    いずれも「どこへもいけない」「こうはなれない」という諦めを多分に含んでいる。豆腐のみず・水族館の床といったモチーフの頼りなさと、語り口の冷静さがいいバランスを生み出している気がする。

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著者プロフィール

大森静佳:1989年、岡山市生まれ。高校時代に短歌と出会い、その後「京大短歌会」を経て「塔」短歌会所属。2010年、「硝子の駒」にて第56回角川短歌賞受賞。2013年に第一歌集『てのひらを燃やす』(角川書店)を刊行

「2021年 『飛ぶ教室 第67号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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