知的生活の方法 (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061158368

感想・レビュー・書評

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  • 再読
    出版当時、サラリーマンに受けベストセラーになった
    好奇心旺盛な著者
    三国志、真田幸村、半七捕物帳、少年倶楽部、小泉八雲、デカルトなどにはまる
    ハマトンの「知的生活」を読み返し啓発を受けたそうだ

    ・ 精読通読するような本は買ってしまう
    ・ 新聞の切り抜き
    切り抜きの為に1時間以上取られたりする
    知的生産の豊かな人たちは新聞を読むことさえ怖れていた
    切らずにダンボールに投げ込んでも後々見ることはない
    ・カードシステム
    広い空間がない場合、プロの研究者はカードが良い
    ・ドイツにてカードボックス用意
    カードは厚手の紙
    カードに取扱いの対象に選んだ文法家の書物の内容を項目ごとに分けて全部書き写す
    ・ファイルボックス
    雑誌はコピー、赤線、コメント、年月日
    ・卓上ファイル
    何となく好きで読んでいる分野
    漫読のあいだに奇妙な知識にぶつかる
    読んだ本のタイトルとページ奇妙をカードに一、ニ行書いて、例として宗教に入れておく 10年過ぎると相当な数になる
    時代順に並べると一風変わった日本史ができる

  •  渡部昇一「知的生活の方法」、講談社現代新書436、1976.4発行、再読。20代後半時に読んだ時、いい本だなと思いました。ハマトンの「知的生活」に触発されて執筆されたとか。自分をごまかさない精神、古典をつくる、本を買う意味、知的空間と情報整理、知的空間と時間、知的生活の形而下学の6つの章立てです。著者は本の購入と図書館を持つことに強いをこだわりを持ち続けられました。経済的に余裕があればいいなと思います。でも、今は、インターネット、パソコン、バーコードの普及で、図書館にある本は大体すぐに読める時代ですね。

  • 金は時なり=時間という要素が一番大きい。
    時間を買うためにも本は買う。
    無駄な勉強に時間を費やさない。

    上智大学では、英語に集中させるために第二外国語を見切っている。
    早起きカント。起床は5時。7時まで準備。9時まで講義。1時まで仕事。
    溶鉱炉は火を落とさない=仕事は4~5時間まとめて時間をとる。
    半端な時間は、暗記する。

    みんなと同じことをしていれば、みんなと同じ平凡なことになってしまう。断固として始発電車に乗った人の話。

  • ・著者の本への愛を感じた
    ・著者の体験が分かりやすく書かれており、エッセイのようで面白い
    ・本を読む姿勢を改めたいと感じた

  • 己に忠実に。
    ある知的生活者の日々の教訓を伺う本。姿勢を見習う。

    ・「わからない」ということを恐れない。「わかった気になる」ことを恐れる。

    ・小説を理解するには知的レベルが必要。読めないときは読まない。知的レベルの向上が先。

    ・時間の間隔を置いて繰り返し読む。繰り返し読んだ本が何かで<わたし>が見える。

  • 英語学者としてその半生を母校・上智大学での研究に捧げる一方で論壇の重鎮としても活躍し、戦後日本の言論空間に風穴を開け「知の巨人」と称された渡部昇一(2017年没)のベストセラー。日本が世界に類のない高度成長を遂げる中で、物質的に豊かになった日本人に最も必要なのは「知的豊かさ」であるとして、それを獲得する唯一の方法は「本を読むこと」に他ならないと論じる。自分にとっての古典、つまり何度も繰り返し読む本や作者に出会うことが最大の幸福とし、仕事に忙殺されて読書をしない生活は「日常生活であって知的生活では無い」と喝破する。読書環境の向上に多くのアドバイスを与える中で、日本の夏を克服して知的生活を守るにはエアコンが一番というようなユニークな視点も本書のスパイスとなっている。

  • 憧れの「知的生活」がここにある、という感じの内容
    以前購入して読まずに放置していたが、小谷野敦の「面白いほど詰め込める勉強法」に記載があったので読んでみた。
    時代的な古さはあるが、流行りのハックの基礎的概念として非常に有用であると思う。
    これこそ自分にとって「古典」になるべき本のような気がする。

    【なるほどな点】

    ・知的生活の価値は、イデオロギーと関係なく、人間としての価値である。(P3)
    ・「己に対して忠実なれ」「良心に恥じないようにせよ」(P10)
    ・よくわからないのにわかったふりをする子どもは進歩がない。(例えば、英語において)単語の意味がある程度判っている場合、じっくりと文脈を追わなくても、あてずっぽうに「こんな意味だろう」ということができる。ところがそういうやり方だと、やさしい英文でも意味の解釈が正確にできないのだ。(P12)
    ・おもしろい本は、徹底的に読み込まなければならない。(P13)
    ・子供の時から、受験、受験で難しい大学に入っても、目標がなくなったら、ぱったり勉強をやめる人が多くなるのではないか。(P23)
    ・わからないものをわからないものとし、本当にわかったものだけをわかったことにしようという決心(P29)
    ・勉強なら「意志」でやらなければならないものがあるが、自由時間に読む小説では「意志」や「お付き合い」など気にせずに読み、読書の向上が著しく害されないように、ほんとうにおもしろかったらその「感じ」を大切にする。(P35)
    ・漱石にしろ、芥川にしろ、谷崎にしろ、本物だから、成人になってその味がわかる年頃になってからでも遅くない。(P37)
    ・「論語」とか「唐詩選」とかチョーサーでもシェークスピアでも、古典的なものなら一行ずつ舐めるようにていねいに読んでいっても良い。その価値も、張り合いもある。現代のものでは、評論、あるいは人生論のようなものなら、ゆっくり読んでいってもおかしくない。(P39)
    ・(本を繰りかえして読むことは)注意が内容の細かいところ、面白い叙述の仕方にだんだん及んでゆくということになり、おそらく読書の質を高めるための必須条件と言っても良いと思う。(P52)
    ・(テレビにも「名画」が生ずるかもしれないが、結局は)「繰りかえして見るに耐えるか」ということにつきる。(P67)
    ・あなたは繰りかえして読む本を何冊くらい持っているだろうか。それはどんな本だろうか。それがわかれば、あなたはどんな人かよく分かる。しかしあなたの古典がないならば、あなたはいくら本を広く、多く読んでも私は読書家とは考えたくない。まず、2、3年前に読んで面白かったと思うものを片っ端から読みなおして見られるとよい。(P67)
    ・現代のように本の多い時代に生きながら、「読んでよかったなあ」と本当に思える本に巡りあうことはめったにない。(P72)
    ・読んだ本の内容というものは忘れるものだ。(P73)
    ・精読、通読するような本は買ってしまい、感心したところに赤線、特に感心したところは欄外に赤丸、重要度に応じ一重、二重、三重とすれば、後でパラパラめくり直せばすぐ解る。特に後で使いそうな箇所は、表紙の裏にそのページ数と、その問題や人物の名前をチョット書くだけにしておけばよい。(P74)
    ・しかし、そこで読んだ知識が必要となった時にどの本に書いてあったか思い出せなかったらどうするか、という心配が出てくるかもしれない。私はその場合あっさりあきらめることにしている。(P75)
    ・情報収集というのは収集にエネルギーがかかりすぎて、それを読み返す時間も、使う時間もない。(P76)
    ・本は不思議なものである。買えば良いというものではないが、買わなければまた駄目なものである。(P77)
    ・1冊分のカードを取る時間と労力で、20冊分の本を読んで要所に赤線が引けるのだ、ということを悟るべきである。(P111)
    ・お金の一番大切な使い方は、時間を買うということである。(P113)
    ・同じ部屋の中で(ストーブのような)酸素を消耗する暖房器具はすべて頭の敵と思わなければならないのである。(P119)
    ・普通の読書の場合は、記憶に残らないようなものは忘れてしまってちっとも構わない。(P132)
    ・(興味をひかれたものをすべてコピーをしてしまうと多くなりすぎるので)読んで赤線を引くもの以外はコピーしないこと。(P136)
    ・知的生活の根本的な営みのあり方、それは「静なる持続」である。(P157)
    ・(英語語源辞典の編纂者であっても)1語3時間以上の調査をすることはなかった。(P158)
    ・時間を空費させる最も大きな敵は、下手な勉強(P160)
    ・何度か読んだのに、体験的にピンと来ないところは、読んでも少しも記憶に残らないものだ(P170)
    ・(通勤時間などのスキマ時間は)本質的に断片的な時間であるから、読み物としては散文よりは詩のほうがよい。(P183)
    ・安らかな睡眠こそが最も良いコウスティング(病的な退行現象を防ぐための健康な退行現象。つまり「気晴らし」)である。(P190)
    ・専門的な勉強、あるいは職業的な仕事のみでは知的生活は不十分である。(P196)
    ・(コーヒーなどの)嗜好品に対しては、何か歯止めのついた状態にしておかないと、すぐ度を越してしまうものである。(P203)
    ・よく射る弓は、よく緩ませなkればならない。同じように、よく使う頭はよく休めなければならない。(P206)

    【参考図書等】
    ・「腐敗の時代」(渡部昇一)
    ・「氾濫」(伊藤整)
    ・「24時間で生きる法」(アーノルド・ベネット)

  • 日経新聞のレビューを読んで面白そうだと思い読書。
    知的生活をしていく上でのポイントが述べられている。
    何よりも重要なのは、「書物を読む」ということ。読んできた本の軌跡はすなわちその人の教養に繋がっていくと理解した。
    私はよく、本のフレーズをノートに書き写していたが、この先生によるとそれは無駄(負荷が大きい)ので、線を引くだけで十分とのこと。確かに書くことに満足してあとで読み返したかなと思う。新聞のクリッピングもしているが、後から読み返すことはほぼないし、何かに活用できているとは言い難い。
    一度読んで終わりではなく、繰り返し読みたいと思える本に出会えるかどうかが、その人の生活を豊かにしていくのだと思った。

    また語学が空き時間に学ぶことが非常に有効だと改めて再認識。
    しばらく読書を中断していることもあったが、私も知的生活を実践していきたいと思う。

  • 予備校の英語教師がベストセラーと絶賛していた本。
    その印象が強すぎて中身は覚えていない。

  • 本に常にアクセスできる環境を整備したくなる本。

    書庫の1ブースを考えごとをするスペースとして設計できるかがカギ。やはり寝室はスッキリしておきたい。

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著者プロフィール

上智大学名誉教授。英語学、言語学専攻。1930年、山形県鶴岡市生まれ。1955年、上智大学大学院修士課程修了後、ドイツ・ミュンスター大学、イギリス・オックスフォード大学へ留学。ミュンスター大学における学位論文「英文法史」で発生期の英文法に関する研究を発表。ミュンスター大学より、1958年に哲学博士号(Dr.Phil.)、1994年に名誉哲学博士号(Dr.Phil.h.c.)を授与される。文明、歴史批評の分野でも幅広い活動を行ない、ベストセラーとなった『知的生活の技術』をはじめ、『日本そして日本人』『日本史から見た日本人』『アメリカ史の真実(監修)』など多数の著作、監修がある。2017年4月、逝去。

「2022年 『60歳からの人生を楽しむ技術〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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