自由とは何か (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
3.67
  • (40)
  • (44)
  • (72)
  • (7)
  • (3)
本棚登録 : 644
感想 : 48
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061497498

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アポリア>解決しがたい哲学的難問

    積極的自由の実現は、ある種の全体主義を目指すという帰結を導きかねない

    個人が多様なものの中から「主体的」に選択するという現代の自由を、バーリンは「自由の重荷」といった。主体や選択や多様性は、ある限度を超えるとむしろ個人にとっては「重荷」になってしまう。

  • 自由というものについて知ろうと本書を読み返した。

    自由というものは、「義」を求めて不断の努力を続けるためのただ単なる手段であることを教えていただいた。

    佐伯先生の深き思考に感謝!

  • [ 内容 ]
    「個人の自由」は、本当に人間の本質なのか?
    イラク問題、経済構造改革論議、酒鬼薔薇事件…現代社会の病理に迫る。

    [ 目次 ]
    第1章 ディレンマに陥る「自由」
    第2章 「なぜ人を殺してはならないのか」という問い
    第3章 ケンブリッジ・サークルと現代の「自由」
    第4章 援助こうさいと現代リベラリズム
    第5章 リベラリズムの語られない前提
    第6章 「自由」と「義」

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 人が一番苦しい事、それは何もない事。

    刺激がない事ほど苦しいものはない。

  • 卒制のテーマを絞ることができたきっかけの本。

    現在のリベラリズムは自由を手段ではなく目的としてしまっている。これが、自由に対して私たちが希望を持てない理由だ。

  • 啓蒙的
    価値観フリーな社会制度などありえないと主張
    個人主義の相対化を志向
    「自由は「善」に依存している」
    抽象的に抽出された理論的な個人ではなく、再び経験的な個人に戻る必要がある
    自由は手段であって目的ではない

    共有できない主張
    善と義の違いがイマイチわからない、同じことを言い換えただけでは
    道徳的という言葉を定義不明確のまま使っている
    「犠牲の状況」(誰かを犠牲にしないと全員死ぬ)ではじゃんけんしては
    価値観を主張した文章で「われわれ」という言葉を使われると戸惑う、いや君とはちがう考えなんですけどみたいな
    現実から出発しろというが、自己への評価が一枚岩でないという現実についてはどう考えているのか
    I was born的にこの世に生まれた人間に対して、死者に対して責任を負っていると言われても困るのでは
    →責任から逃れるためには死ぬしかないが、それは「善」と反するから認められなくなる
    →生きていることに感謝している「幸せな」人間しか共有できない
    なすべき使命は社会的与件によって与えられるべきではなく、自己によって与えるべき(それがたまたま社会的なものと一致することはありうる)

  • 俺は自由だろうか

    俺は自由だろうか

    俺は自由だろうか

    俺は日に3度そう確認する。

    などということはないが、たまにそう考えることならばある。



    僕は自由であることが好きだ。

    責任、とか、義務、とかそういう言葉も

    嫌いなわけではないがどこかかったるい。



    自由に生きているだろうか。

    幼稚園からお坊ちゃま私立校に通い

    周りの望むがままに某国立大学に入った。

    自由にしているだろうか。



    周りがあわただしくなってくる中で

    一人のほほんとしている。

    資格を取ろうともしない

    特に何かに打ち込むわけでもない。

    自由にしているだろうか。



    「右腕をあげてください」

    あげられましたか?

    あるいは、はむかってあげないこともできたでしょう。

    しかし、あげて、かつ、あげないことはできない。

    あなたは、あげることが(あるいはあげないことが)決まっていた

    そういわれたらあなたは反論できるだろうか。

    私たちは自由にしているといえるのだろうか。

    あるいは、自由な意思など存在するのだろうか。



    そんなレイヤーとは少し違うところの話だが

    自由に関して話している人がいる。

    例えば、これだ。


    自由とは何か―監視社会と「個人」の消滅 (ちくま新書 680)

    作者: 大屋雄裕
    出版社/メーカー: 筑摩書房
    発売日: 2007/09
    メディア: 新書



    ゼミの課題。(まぁ何週間かあとですけど。)

    先生が言うように、いろんなところに話が飛びすぎている感じがあります。僕のBlogのようですw



    とりあえず、書き方は評価できる、というか・・・

    感情を鼓舞するようなことを書いて、議論とは関係ないところで

    うまいこと誘導しようとしている感があるという点で

    まぁ、評価できるw(皮肉ではないですよw)



    議論的には、バーリンの話をひいたり

    排除系オブジェの話をしたり

    現状認識としては、東さんの「情報自由論」とかと近いかな。

    ただ、法の話がエッセンスとして加わっているのと、

    話の方向性が違う(結論が違う感じ)

    これは、まぁ、価値観の違いでしょう。



    僕の立場を表明するならば、

    慎みあるリバタリアニストとしての

    リベラルですw



    はっきりリベラルといえるほどには、

    他者に寛容ではいられないけれど、

    他者に寛容でない世界は(監視社会も含めて)

    息苦しすぎる。



    皆様にとってはいかがでしょう?

  • 自由とは何かとういことで、身近な問題を例にわかりやすく説明しています。

  • 080909購入。

  • 佐伯の『欲望と資本主義』を読んで感心したので、結構前に購入。読み終わるまで時間がかかってしまった。『欲望と資本主義』のほうが個人的には好きだ。が、これは、これで<自由>を考える上での参考になるだろう。広く浅いので、リベラリズムの導入としてはもってこいだとも思う。
    「死すべき有限な存在としての人間が、死へ向かって自分を投げ出していくとき、人間は本来の在り方を問い直そうとする。そこに本当の人間の自由がある」

全48件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

経済学者、京都大学大学院教授

「2011年 『大澤真幸THINKING「O」第9号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐伯啓思の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×