遊びと人間 (講談社学術文庫)

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レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061589209

作品紹介・あらすじ

なぜ人間は遊びのか。人は夢、詩、神話とともに、遊びによって超現実の世界を創る。現代フランスの代表的知識人といわれるカイヨワは、遊びの独自の価値を理性の光に照らすことで、より豊かになると考え、非合理を最も合理的に語ってみせる。彼は、遊びのすべてに通じる不変の性質として競争・運・模擬・眩暈を提示し、これを基点に文化の発達を考察した。遊びの純粋な像を描き出した遊戯論の名誉。

感想・レビュー・書評

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  • 遊びについて、先人のホイジンガの説も取り上げながらその分類や文化との関わりについて述べられた本。文章は非常に難解であるが、特に文化に関する分析は興味深い。多くの地域の事例を基に示された、ミミクリ・イリンクスの原始的文明からアレア・アゴンの秩序文明への改革のくだりは、遊びに対する新たな一面を気づかせてくれた。

  • 遊びを紐解く良著な気がした。
    本書書かれた時代から随分時は流れ遊びも多様化したが、本質的には変わっていないだろう。

  • ううっ
     遊びを、ルドゥスとパイディアがあるとして、遊びの中のアレア(あてっこ系)、ミミックリ(真似っこ系)、イリンクス(ぐるぐる系)、アゴーン(喧嘩系)それぞれにさう言ふのがあると分析。
     本著に出てくるナニがー、北欧とかから輸入されててー嫌。

  • テーマはひきつけられるんだけど、議論の仕方には物足りなさを感じました。図式的に定義をして、その図式にあわせて事象を解釈している気がして、どうにも不自然な印象をぬぐい切れませんでした。社会学といいながら、遊びについての間主観的な観点についての考察が薄いような…。これはあくまで印象論だけなので、具体的な展開を想定しているわけではありませんが。(2017年11月9日読了)

  • 遊びの原理的な部分が解説されている。
    4つの遊びのタイプの組み合わせが書かれている第2部は考えさせられることも多い。
    筆者には”遊び”の地域性についても考察して欲しかった。

  • まじめに遊びを考える一冊。

    遊びを1.アゴン(競争)、2.アレア(運だめし)、3.ミミクリ(模擬)、4.イリンクス(目眩)に分類し、世界中のサンプルを当てはめ検証す る。まさに女の子がする「ままごと」なん てミミクリまんまっすよね。

    遊びによって文化が始まるのではなく、遊びの中に文化があるとは至言ではないで しょうか。

    見返りや目的といった制約を越えて遊ぶという究極に、「思いで作り」の儚さや脆さと儚く脆いからこそ、一瞬に永遠を求める人の姿を見た気がしました。

  • ○ホイジンガ―を批判的に検証しつつ、
      遊びに「眩暈」という観点を追加。
    ・遊びは不毛。何も生み出さない。無償性。
    ・「遊び」の定義
     1)自由 2)隔離 3)未確定 4)非生産的
     5)規則的 6)虚構 ~の活動
    ・遊びの分類:
     1)競争 2)偶然 3)模擬 4)眩暈
    ○「眩暈」が遊びって面白いなー。酒を飲むこともそうなのかも。
    ・遊びには、観衆の存在が必要。
    ・遊びの安定性は著しい。遊びが重要でないからこそ恒常性をもつ。
    ・成人儀礼とは、無神論的、不可知論的、否定的な教育である。
     ごまかしの種を明し、片棒を担がせる。
    ・人が計算通りに動かないところに、遊びの究極の要素が存在する。
    ・どういう人を立派な遊技者というのか。それは、次のことを
     わかっている人だ。
     不測の事態を、好んで求めたとは言わずとも、進んで受け入れて
     きたのだから、不運に文句を言ったり、不幸を嘆いたりする権利
     は自分にはない、ということの分かっている人である。
     たとえ負けても、自分にとって遊びは遊びだ、という態度の
     とれる人のことだ。
    ○これかっこいいな~。そうあれたらいいな。

  • 遊びを概念的に考える上で、ロジェ・カイヨワの本書は必読です。
    社会学の中で「遊び」とか楽しさを確立した第一人者だと思っています。
    ちょっと難しい内容もありますが、ギリギリ読み込める。

  • 中盤から難解になり読むのが辛くなったが、序盤の遊びの4分類ーアゴン(競争)、アレア(偶然)、ミミクリ(模倣)、イリンクス(惑乱・渦巻)が一番勉強になった。

  • 超斜め読み、もうこの手の本を、しっかり通読できる精神力が無い。

    最重要論点は、「遊び」をアゴン(競争)、アレア(運)、ミミクリ(模倣)、イリンクス(目眩)の4種に分類し、その組み合わせから本質を辿るということのようで、洋の東西、時代の如何を問わず事例を展開する手法が、やや牽強付会の印象を与える。

    もうひとつの大きな視点は、いわば、1) 遊びを「静的」なものと捉える視点と、2) 「動的」なものと捉える視点だ。★こちらはぼくの解釈。
    前者は、遊びとは過去の重要な儀式や真剣勝負のエッセンスを封じ込めたもの(無害化したもの)であり、最たるものは格闘技。独楽や剣玉にも祭りの要素があり、特定の地域では日常においては禁忌の対象にもなり得るという。
    後者は、遊びとは、現実、言い換えればmustから切り離された存在であり、無限の発展余地がある。しかも独立の手慰みでなく、競合相手が現れた瞬間に、剣玉のような個人技であっても飽くなき技術革新欲の対象となる。
    当然、いずれかひとつに集約するものではなく、いわばこれらが表裏をなすのだが、この二面性と、上の四要素を組み合わせることで、各類型の遊びの「魅力」が論理的に説明可能となる。

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著者プロフィール

(Roger Caillois)
1913年、フランスのマルヌ県ランスに生まれる。エコール・ノルマルを卒業後アンドレ・ブルトンと出会い、シュルレアリスム運動に参加するが数年にして訣別。38年バタイユ、レリスらと「社会学研究会」を結成。39–44年文化使節としてアルゼンチンへ渡り『レットル・フランセーズ』を創刊。48年ユネスコにはいり、52年から《対角線の諸科学》つまり哲学的人文科学的学際にささげた国際雑誌『ディオゲネス』を刊行し編集長をつとめた。71年よりアカデミー・フランセーズ会員。78年に死去。思索の大胆さが古典的な形式に支えられたその多くの著作は、詩から鉱物学、美学から動物学、神学から民俗学と多岐にわたる。邦訳に、『戦争論』、『幻想のさなかに』(以上、法政大学出版局刊)『遊びと人間』、『蛸』、『文学の思い上り』、『石が書く』など多数。

「2018年 『アルペイオスの流れ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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