現代政治学入門 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061596047

感想・レビュー・書評

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  • 政治学とは何かを探求する。イギリスの話が多いが、考えさせられる一冊。

  • 政策過程について学ぶ上で、政治学についての学びを進めるために諸入門書を読んでいる。

    入門書によくあることだが、読者が期待する入門書たりえない場合が多い。本書もそれに近いものであるが、比較的平易な内容であるため読みやすくはある。

    私自身はアウトラインを学んでから専門を学ぶことを得意としている。しかし、本書ではアウトラインが初学者にわかりやすく示されていない。それでも、非常に興味深い内容であった。

  • 展示期間終了後の配架場所は、1階 学士力支援図書コーナー 請求記号:311//C92

  • 私にとってこの本はとてもわかりやすい。政治の基本がよくわかる。政治としての理論を押し付けることなく、色々な考えがあることを許容する流れに、あっという間に読み進めることができた。今の日本の政治状況を予言するような記載がある。たとえば、政党は議会政治に必要だが、相対的に重要性を失う。そして圧力団体が力を持つと書かれている。圧力団体を旧郵政省の組合や労働連合などに置き換えてみればまさに自民党、民主党どちらも同じ状況にあるではないか。

    あるいは、政治と産業・科学技術の関係についても述べられている。この本では、次のようにある。
    「近代社会において必要とされる経済・社会政策は、命令によって強制できるものではなく、あくまでも説得によるものであり、経営者と熟練労働者の双方を納得させ、その意見に即応するものでなければならない。
    ~中略~
    近代化しつつある政府が技術者と専門家とに依存することに、自由への脅威を指摘する人々もいる。
    ~中略~
    おたがいに(政治と技術者)理解することができずに敵対しあっている「ふたつの文化」が存在しているのは、危険なことである。これに対する答えは、長期的には教育改革しかないが、中期的な解決方法としては科学的問題と政治的争点の双方をもっと効果的に大衆化することである。」

    今の原発問題がまさにその通りだ。確かに報道で多くの情報が出され、書店には原発や原子力に関する本が多く並べられているが、効果的に大衆化(大衆化という言い方は不謹慎かもしれないが)されているのか。

    このように多くの点で現代でも通じる(書かれたのが1990年頃のため、ソビエト連邦などがでてくるが)。

  • 「政治学入門」というタイトルに対して正しすぎて
    入口以外の何物もないのではないかという気がする。

    実に控えめに説明の説明に徹している。
    というよりも、他大学とのそれこそ政治的な配慮でもありそうな気がする(笑)

    そして解説のテンションの高さに驚いた。

    「富も権力も持たない人々がなんらかの影響力を持ちうる唯一の方法として政治は重要である」という言葉を拾ってきた
    訳者あとがきは悪くない。

  • 政治学をこれから学ぼうとする人向けに書いた本。政治学がこれだけ細分化できる、幅の広い学問だということが分かった。自分は大学入学の時、何を勉強したいか(=何を不思議に感じるか)を意識したことはなかった。意識できるほど、ものごとを知らなかったからだろう。大学1年の4月にこの本のような類の本と出会えれば、また違った大学生活になったかもしれない。
    内容は決して分かりやすくはなかった。

  • B.クリック『現代政治学入門』。三人寄れば、多数・少数に分かれ、政治が始まる。私は、これを読んで、考えが少し整理された。同時に、この問題の持ち方は、多くの人が共有出来たらよりよい社会になるなとも。本書は、コンパクトに、分かりやすい言葉を用いて政治と政治学が何を対象とし、どのように改善していくのかを纏めている。マイケル・サンデル『ハーバード白熱教室』や、ジョン・ロールズ『正義論』の復刊など政治哲学が、一部で盛り上がりをみせる現在、まずはこの小著のような書物から入るのが良いと思う。どのような思想を取るにしろ、自分に引き付けて考えやすくなるから。

  •  英国政治学の第一人者だった、バーナード・クリックが書いた(英国の)政治学(≠Political Science)の入門書。彼の本では、これも有名。
    http://www.amazon.co.jp/dp/4000268740
     読み手の頭が残念だからかもしれないが、少し読みにくいかもしれない。日本だと、大体の本がPolitical Scienceである一方で、この本はPoliticsの本だ。そういう意味で読み慣れていないからだと思いたい。
     内容としては、教科書であるから、非常に構成が上手。政治学とは何か、というのをどういう分野があるのか、どんなことを今までの政治学が考えてきたのか、を織り交ぜながら書いてある。
     とりあえず、勉強してから読みなおそう…。。

  • 政治学をこれから大学で学ぼうを思っている人は、是非、読んでみてください。
    そして、ここで書かれている、政治学の対象、目的、方法論は、時々思い出してください。

  • 「小さな政府」を掛け声に、日本では米国譲りのネオリベラリズム(新自由主義)による構造改革が進められている。出来ることは民間に、ある程度のことは市場原理に任せるとのスタンスで、郵政は民営化、社会保険庁も解体的再編など、構造改革が進められています。
    でもネオリベラリズムは何をもたらすか。米国では経済格差が深刻化し、日本も同じ道をたどっている。南米諸国でも米国とIMFの主導でネオリベラリズムが推し進められた結果、経済状態は悪化し、反発で続々と反米左翼政権が誕生している。アルゼンチンの経済危機も記憶に新しい所。
    政治っていったい何なのか?制度って?誰のため?今の日本の政治動向を見ていると、どこか特定の人達のための議論ばかりが浮上してはきえていっているような。消費税率アップの見送りも、ホワイトカラーエグゼンプションも。なんでこんなに理不尽なのか。そんな疑問からふと読んだ一冊でした。

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著者プロフィール

英国の政治学者:シェフィールド大学教授を経て,ロンドン大学名誉教授。ブレア政権時に,シティズンシップ教育に関する諮問委員会の委員長を務めた。この諮問委員会の報告書「シティズンシップのための教育と学校で民主主義を学ぶために」は,通称クリック・レポートと呼ばれている。邦訳に,『現代政治学の系譜-アメリカの政治科学』(時潮社),『デモクラシー』(岩波書店),『ジョージ・オーウェル-ひとつの生き方』(岩波書店)などがある。

「2012年 『社会を変える教育 Citizenship Education』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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